猪高小学校 学芸会
「おらたちの池」

(1975年10月16日付 朝日新聞)


「おらたちの池」を演ずる六年生
郷土史劇「おらたちの池」を
演じる六年生(猪高小で)

郷土史題材に楽しい学芸会

☆猪高小で大好評☆

学区内の移り変わりをテーマとする珍しい学芸会が十五日、名東区猪高町上社西山(?)の猪高小学校(木全優校長)で開かれた。子どもたちが脚本を書いた劇や、ほとんど忘れらた地元の古い歌などが観客のお父さんやお母さんたちの拍手を浴びた。

三年生は戦前の同校の面影を残す校庭のクスの大木を主人公にし、思い出話を語らせた劇、「七本のクスの木と光の子ら」。四年生は区画整理や地下鉄通過による地域の変化の様子を劇にした「猪高ものがたり」。五年生はほとんど歌われなくなった地元の子もり歌、手切子踊りなどを集めた古い歌の合唱。そして、六年生は学校の近くにある塚の杁池が江戸時代に農民の苦心のなかで作られた史実をもとにした「おらたちの池」。

このうち、「猪高ものがたり」は四年二組の児童たちが、それぞれ、古老や地下鉄の駅長、区画整理組合の役員などに聞いて歩いたメモを持ち寄り、脚本にした。区画整理に踏み切った経過、地下鉄誘致運動の姿などとともに、四十二年十月に同校児童の朝日新聞への投書がきっかけにつぶされる予定だった学校わきの緑池が保存されることになったことなどが演じられた。

八〇%が転入生という新興住宅地だけに観客席を埋めたお父さん、お母さんたちも「子どもたちがよくこれだけ調べた」「あの池にそんな歴史があるとは知らなかった」と改めて感心していた。


猪高小76年卒生ヘ


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サイト管理人:森下雅史