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【概要】
●日程:2012年8月26日(日) - 27日(月)
●天気:晴れ
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メンバー:Nさん,Ogawa
●行程:木曽駒高原スキー場跡 - 正沢川 - 細尾沢 -> 木曽駒と玉ノ窪小屋間の稜線 -> 木曽駒ピストン - 福島道Bコース -> 木曽駒高原スキー場跡
● 地図
●中央アルプスの木曽駒に突き上げるこの細尾沢の沢登りは,沢登りの完成型ともいうべきものだ。登山道が整備される以前, 山に登るにはこのようなルートを辿っていたに違いない。まず集落からの長い川原歩きがあり,その後,勾配が急になると大小の滝を 越える。泊まりは川原でたき火を焚いてゴロ寝,そして稜線直下のガレ場を詰めて頂上に至る。このように冗長ではあるが,私にとって は,これぞ「The沢登り」ともいうべき満足のいく山行だった。
【1日目】
朝5時に車で京都を出て,9時頃,登山口である木曽駒高原スキー場跡に着く。準備を整え,二人重いザックを背負って出発。 しばらく30分程は登山道を進むが,正沢川本流からは登山道と分岐し,ブッシュの踏み跡を辿る。トゲのある植物が多く歩きにくい。 体力自慢のNさんであるが,昨夜遅くまで調べ物をして寝不足だそうで非常に苦しそう。心配である。
ルートはブッシュから川原に出たり,またブッシュに入ったりを繰り返し,そのうち川原の比率が多くなり,最後は単調な川原歩きとなる。 昨年のクワウンナイ川の導入部を連想させる川原歩きだ。クワウンナイ川は,入渓から滑滝が始まるポンクワウンナイ川出合まで5時間 だが,今回も,滝場が現れる細尾沢出合まで約5時間かかった。Nさんの調子も戻ってきた模様。 ただ,ヒグマが居ない事だけでこちらの方が100倍落ち着いて遡行できるが。
出合から右に細尾沢を20分程登ると前方にこの沢最大の細尾大滝が現れる。 滝を前に休憩の後,Nさん体調不良のため,OGAWAリードで左岸から高巻きを開始する。
まずは,急傾斜のルンゼの登り。滝の落ち口と同標高程度までルンゼを登り,左にトラバースし灌木帯に入る。15mほど灌木帯をトラバ ースした後,高度感のある逆層の砂ズルズルの岩場が。ここからはロープを付け,トラバースに入る。ロープを付けているが中間支点が 取れないため,落ちたらどうなる事やら...ホールドが無く,途中で体がフリーズしてしまったが,行くしかないのでまさに運を天に任せ て進む。なんとか灌木帯までトラバースできた。だが,まだ滝は越えていない。ルート偵察の結果,ここからは垂直なややハングした岩溝 に沿って登るしか無さそうだ。浮き石,頼りないブッシュで何とかハングの手前まで登り,左手の倒木に抱きつきたいが,体重の重みで倒 木が滑り落ちそう。ここでまたフリーズしたが,戻る事は出来ないため,エイヤで倒木に抱きつく。幸い倒木は安定していた。その後, 10mほど登って大木でビレイ。そこから水平に2ピッチロープを延ばしたところで川原に出た。ちょうど滝の落ち口の20mほど上流だ。
この大滝を越えたところにビバーク適地があるらしい。日も傾いてきたので,少し遡ったりして探したが,見つからない。結局,大滝から かなり上流の30分ほど遡ったヒョングルの滝巻き道途中に適地を発見した。二人なら何とか横になれそうだ。
今回の宿泊は,タープとマット,それに夏用シュラフのみだ。食事の後,遠くの山並みも闇に包まれ,流木でささやかな焚き火を焚いた。 渓谷の星空に焚き火の音が響き,夜が更けていった。沢からは絶え間ない流れの音。すばらしい深山の一夜を実感しながら就寝。 【2日目】 夜はあまり熟睡できなかったが,野生動物の気配もなく,また目を開くたびに星空が見えるのはなんとも気持ちが安らぐものだ。 空が明るくなった5時頃起床。各自朝食をとって撤収にかかる。下界は猛暑だが,ここはさむ〜い。
昨日のうちに核心部は過ぎているので,今日はハーネス&ロープはザックの底に片づけて歩き出す。 出だしから,次から次へと滝が現れる。どの滝もフリーで直登できる快適な登りだ。尾根がどんどん近づいてくる。背後には槍穂も望める。
流れが分岐するたび水量が落ちてきて,水量を誇った細尾沢も最後はちょろちょろ流れるだけになった。ここで水を満タンにする。
その後は尾根に向けて藪こぎ,それが終わると急なガレ場だ。満タンの水筒や50mのロープ,金物類が背中でこたえる。 11時頃,ついに頂上と玉ノ窪小屋との間の稜線に出る。 ザックをデポし,木曽駒の頂上を往復する。ここまで他の登山者には会わなかったが,頂上で夥しい小綺麗な登山者が昼食を拡げて いた。 我々はそそくさと記念撮影を終え,立ち去った。 玉ノ窪小屋前でラーメンの昼食。
その後,一般登山道を駐車場まで下山した。ハッキリ言ってこの下りが核心かと思うくらい疲労した。駐車場到着午後6時。
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