「午後3時半、ナルト、森の湖のそばで確認、と・・・」
サスケはそう呟きながら、なにやら手帳のようなモノにその通り書き込んだ。
気分はまるで探偵の張り込み。
傍から見れば、浮気調査・ガサ入れか体のいいストーカー。
それにしても・・・。
木の上で気配を殺しながら、サスケは考えた。
ナルトの様子は、明らかに誰かを待っている感じである。
ゆえに、ナルトも周りの気配に注意を払い、サスケも気配を押し殺すのに一苦労している。
「う〜・・・来ない。あいつおせーってば」
「・・・!」
待っている。
ナルトは明らかに誰かを待っているのだ。
(だれだ・・・?)
サスケは、今何が起こっても、ナルトの待ち合わせ相手を見なければ、帰れないと思った。
その後待つこと15分。
ナルト自身はかなり暇そうに、湖に石を投げ込んだり湖を覗き込んだりと、行動の絶えることがない。
が、一方サスケはというとそんなナルトを見ながら飽きることは無かった。
相当悦っている御様子。
ストーカーの役割は、なかなか時間も削られ骨も折れるが、こういうところが特権。
それに、ナルトに近づく不届き者の始末も出来る。
(自分を不届き者と思っていないところが、素晴らしい)
そして。
ナルトの待ち合わせ相手らしき人物があらわれた。
すばやく気配を察知し、相手の確認に移る。
将来いい探偵になれますよ、サスケさん。
そして。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
サスケは言葉を失った。
そこに現れたのは。
「我愛羅、遅刻だってばよ!」
その通り、我愛羅だった。
「アイツ・・・なんでアイツが?」
(なんでアイツがナルトと待ち合わせを〜〜〜!?)
突っ込むところはそこではない。
何故彼が里へ入ってきているのかが問題だろう。
苦悩するサスケを横目に(も入れず)、2人の会話。
「ったく、俺が何分待ってたと・・・」
「15分」
「・・・は?なんで知って・・・?」
「ずっと見てたからに決まってるだろう」
「えっ?うそ・・・気付かなかったってば・・・(汗)」
「忍びともあろう者が、それでは情けないな」
「うっせってば、お前が気配殺してんのが悪いんだろっ」
そして、自分が周りの気配に気を配っていたことは言わないナルト。
実際、サスケの気配にも気付いていない。
「悪いな、自然に殺してしまうんでな」
「げっ・・・厭味〜」
本人達は(少なくともナルトは)言い合いのつもりかもしれないが、サスケから見ればそれは痴話ゲンカ。
(自分とやってることとそう変わらんが)
こみ上げてくる怒り(と言うより嫉妬)を押し殺し。
それは一大事と、ナルト愛護協会(仮)の指令中心核、紅へと連絡を出す。
携帯やらトランシーバーなどと言う、文明機器をもっているわけでもないので、伝書鳩。
時代は江戸時代へとさかのぼり。
“ナルトと砂忍の我愛羅の密会確認、至急集合かけられたし”
密会とはまた、ことを発展させたものである。
しかし、情報と言うのは必ずどこか捻じ曲がって、人に伝えられるというのが、世の常、人の常。
かくして、このあらゆる誤解を招きそうな伝言は、鳩によって紅に伝えられるのだった。
書くのかどうか、自分でも怪しんでいた続きです。
や、でもコレはたくさんのキャラ出して、楽しく書きたいです。
(読む人は楽しくなくていいのかよ)
我ナル、好きなんですが今までほとんど出してなかったので、・・・ここで。
意外に難しい、この2人のやり取り。