『彼』らしいな、と思うような、落ち着いた部屋。
シュー、とお湯の沸く音がした。
「お、沸けたみたいだな」
と言って、立ち上がってそこへ向かう。
ちょっと、腹痛いって言っただけなのにな。
世話好きなやつー・・・。
まもなく、湯飲みを持ってシカマルが帰って来た。
「おら、これ飲んどけ。あったまるから」
そう言って、目の前にことりと置く。
「おぉー、サンキュ」
礼を言って一口飲むと、それは甘酒だった。
飲み込んだ後、お腹の中が、じんわりとあったまっていくのがわかる。
「シカマルこんなん作れるんだな」
と言うと、
「ったく、めんどくせーな。何で俺がこんなことしなきゃなんねーんだよ」
と、いつものシカマル節。
ナルトは思わず笑った。
「なにわらってんだ、てめーは」
「・・・きししっ、シカマルって、めんどくさがるくせに優しいよなー」
「あのなー・・・、病人にくらい、優しくしてやるよ」
「ううん、病人じゃなくたって、シカマルはいつもなんか面倒見いいってば」
そう言って、また一口甘酒を飲み込む。
甘ったるいのどごしと、口からのどの奥に暖かい熱を残して。
「あほか、おだてたってなんもでねーぞ」
「いいってば、なんも出なくても」
甘酒の最後の一口を飲み干す。
「俺、シカマルの優しいとこ好きだし」
シカマルは目を丸くしてナルトを見て。
「ったく、めんどくせーやつー」
と言って、目をそらした。
いやぁ、シカナルはいいですねー。
いつかここ、シカナルサイトになってしまうのでは・・・。