微かに水の跳ねる音がして、ハヤテは顔を向けた。
人気のない森の中の湖の水面に、立っている人影が見える。
「あれは・・・チャクラの修行?」
誰だろうと思い、少し近づいてみる。
と、その人影も気付いて、振り返った。
「あ!」
驚いた顔をして声を上げる。
そして、パシャン、と水面を蹴って向こうから近づいてきた。
金髪の少年、うずまきナルトだ。
「あんた確か・・・予選の時の審判?」
「ハヤテです、ナルト君・・・ごほっ」
「そうそう、ハヤテさんだ」
ナルトは覚えてなどいなかったくせに、思い出したように言った。
「こんな所でチャクラの修行ですか、ナルト君」
と、ハヤテが問うと、ナルトはにっこり笑って
「おう!結構うまく出来てただろ?」
自信満々に答えた。
確かに。
基本的なチャクラの鍛錬とはいえ、あれだけ出来るとは大したものだ。
もちろん、下忍のレベルの話ではあるが。
「ええ、よく練習したものですね・・・こほっ」
「だろー?へへっ、やったってばv」
素直にほめると、ナルトは嬉しそうな顔をした。
つられてハヤテも笑う。
ふと、ナルトが訊いた。
「なぁなぁ、ハヤテさんてさ・・・病気?」
「・・・は?」
「いや、だってさ、なんかいっつも疲れた顔してるし・・・」
「はは・・・」
訊かれなれた質問であるので、別段驚きもしなかった。
が、やはり訊かれるたびに、そこまで自分は不健康に見えるだろうか、と微かに不安にもなるが。
「これはですね、別に病気な訳ではないんですよ・・・ごほ・・・っ」
「へぇー、・・・じゃあ何でセキすんの?」
「それは―――」
そういえば、そんな事は訊かれた事がなかった。
考えてみれば、自分でもよく分からない。
「ごほっ、どうしてでしょう、考えた事、ありませんでしたね・・・」
「そっかー」
案外あっさりと、ナルトはそれで納得した。
「でもさ、それ、結構役立つかもしれないってばよ」
ふいに、閃いたようにナルトが口開く。
「ごほっ・・・、何故ですか?」
「だってさ、敵が弱ってるように見えて油断するかもしれないじゃん」
「・・・弱ってるように見えますか?」
「あっ、ごめ・・・失礼だったってば?」
ナルトはあせって謝罪したが、まぁ、事実といえば事実だろう。
「こほん・・・いえ、別にいいですが・・・でも、本当に強い忍びというのは、いかなる時も油断などしないものですよ」
「あ、ナルホド」
神妙な顔をして納得しているナルトを見て、ハヤテは笑って言った。
「ごほっ・・・、では、ナルト君もいかなる時の油断しない忍び、になってくださいね、こほっ」
きょとん、とした顔をして、ナルトはハヤテを見た。
そして、いつもの悪戯小僧の顔で笑って。
「あったりまえだってばよ!」
ハヤナルにはまった時期がありました。
今でも好きですけどね、もちろんv
ビバ、プラトニックラブ。(決め付けと偏見)