全員の視線が集中する中、注目の『サスケvs我愛羅』がまさにその時、開始を迎えていた。

「あいつ、相変わらず嫌なやつだってってばよ」
眉間にしわを寄せて、怒った顔でナルトがこぼした。
「あいつ?」
隣にいたシカマルが、問う。
「サスケ」
「あぁ・・・」
シカマルは先ほどの2人のやり取りを思い浮かべながら、めんどくさそうに受け答え。
息詰まるような接戦を繰り広げている、サスケと我愛羅を見物しながら、彼は
(やめといてよかったぜ・・・、こんなつえぇ奴等いるしな。
 やっぱメンドクセェことはさけたい・・・)
などと思った。
ちゃっかりナルトの隣を陣取っている自分に、殺気の籠った視線を向ける試合中の2人に、少々焦りを覚えつつ。
それよりはるかに勝る、優越感に浸る。
「でもま、応援してるんだろ?この試合では」
「・・・サスケを?」
きょとんとした表情で、聞き返すナルト。
「当たり前だろ?チームメイトとして」
「どうだろ・・・わかんないってば」
「おいおい、薄情な奴ー・・・」
それではサスケも報われないものだ、と、恋敵なれど少し同情する。

「まぁ、俺が応援なんかしなくても、サスケの実力はかわんねーってばよ」

他人のことなのに、妙に自身ありげにナルトが言った。
その表情を見ながら。
「・・・・・・はぁ」
大げさな溜息をつくシカマル。
「なんだよ、いきなり・・・?」
人の顔見て溜息つくなんて、失礼だ、と言わんばかりに、ナルトは顔をしかめた。
「いやー・・・別にな」
結局『スリーマンセルで同班』と言うのは、なかなかおいしい状況なのだと、実感。

「俺はあのまま戦ってても、あのテマリとか言う奴に勝ったと思うかよ?」
悔しさ半分、期待半分で出した質問。
ナルトの返事は、予想どおりのものだった。

「勝つと思うんだったら、戦えばよかっただろ、お前!」




これは確か・・・3月ごろの日記。
こんな頃からシカナル好きだったんですね、私。