しとしとと、やまない雨。
湿度の高い空気が、自然、気分まで重くさせる。
「ヒーマだってばよっ」
機嫌の悪そうな、ナルトの声。
先ほどから、シノの肩にもたれかかりながら、この言葉を連発している。
「つまんねーの、早く雨、やめば良いのに・・・」
「そんなに雨が嫌いか?」
肩でナルトを支えながら、読書していたシノが顔をあげる。
「嫌い。だって、外で遊べないし、修行も出来ないじゃん」
ふてくされて口を尖らせ、呟くようにそう言う。
遊びたい盛りの子供としては、普通の思考。
もっとも、本人は子供と言われると怒るだろうが。
その点、この年で妙に落ち着いてしまったシノは、雨が降って外へ出る機会を失っても、なんやかんやして時間を過ごすすべを知っている。
それに。
「そうか?・・・俺は結構好きだが」
と。
年齢の割りに低い声が、部屋に響く。
「雨が?」
「ああ・・・」
「変な奴。つまんないだけじゃん」
逆に、年齢よりかなり高いと思われる声が、すねたように言った。
「雨なら・・・」
「え?」
「雨が降っていたら、ナルトがずっと傍にいてくれるからな」
ホラ、こうやって。
と、ずっと肩にもたれかかっていたナルトの頭に、ポン、と手を置く。
「・・・・・・っ」
途端、真っ赤に染まる顔。
離れるのではなく、逆にくっついて顔を見られないようにして。
「うん・・・俺も・・・」
シノの服に顔をうずめて、くぐもった声で。
「雨、そんなに嫌いじゃなくなったってば」
シノナル、ナル受界では結構メジャーですよね?
意外だけど嬉しくてなりませんv