台所でなにやら動き回っているシカマルと。
目の前の、開きかけられたカップラーメン。
見比べて。


事の起こりは、20分ほど前。
任務の後少し時間が空いたから、と顔をみせたシカマル。
ナルトもシカマルの訪問は嬉しいが。
ちょうどその時、夕食でも食べようと思ったところだった。

「何食うつもりなんだよ?」
なんだかんだで、あがりこむシカマル。
「ラーメン!」
「・・・ラーメンってお前・・・これカップラーメンだろーが」
テーブルの上に用意されたカップを見て。
シカマル、呆れたように言う。
「ラーメンには変わりないってばよ」
「もっと栄養のあるもん食え。料理ぐらいできんだろ、ちょっとは」
「出来ないこと無いけど、めんどくさいじゃん」
「・・・それは俺の真似かよ」
「ちがうってば」

こんな会話をしながら、結局。
「ったく、しゃーねえ。俺がつくってやんよ」
シカマルが腕前を披露することに。


「おら、出来たぞ。食え」
と、乱暴に置かれる皿。
中身は、チャーハン。
同じく一品料理だが、カップラーメンよりは栄養はあるに違いない。
見た目もなかなかのもの。
「あっ、おししいってば」
一口食べて、ナルトは感心したように言った。

「なんだ、その意外そうな言い方は」
「意外だってばよ」
「失礼だな、お前」
「だってさ、絶対めんどくさがって、料理とかしなさそうじゃん」
「・・・そりゃま、普段はしねーけど。仕方ねー時ぐらいはやるんだよ」
「ふう〜ん?」
なるほどね、と、ナルトは頷いた。
そこで、はた、と思う。
「あれ?じゃ、何で今作るんだってばよ?」

今は仕方ねー時?
違うってば。
俺、カップラーメン食おうとしてたじゃん。
・・・そりゃ、栄養は高くないかもしんねーけど。
・・・・・・なんで?

「なんでって・・・お前が自己健康管理も出来てねーからだろ」
そう言って、べしっ。
ナルトの頭をはたいた。
「いてっ。ケンコー管理できてるってば!」
「どうだかねぇ・・・冷蔵庫の中に賞味期限切れの牛乳あったぞ?」
「うっ・・・・・・」
「ほらみろ。食品管理も出来てねーじゃねーか」
「うう〜〜・・・めんどくさがり屋のくせに、こまけーやつっ」
「くせにっていうな、くせにって」


そりゃあ、正直めんどくせーけど。
好きでこんなことやってるんじゃねーけど。
やらずにいられねぇんだよ、文句あるか!?

ナルトのためか・・・。
そう思ったら。
どんな“めんどくさい”も打ち消されるなんて。
最早病気。

自覚があるくせに治せない病気ほど性質の悪いものは無い。
そんなシカマルの呆れた思考は。
次の瞬間、ナルトの笑顔を見て

まぁ・・・いっか。

なんて結論に陥るのであった。


シカナルはいいなぁ・・・。
シノナルもいい。てゆーか、マイナーがいい。
・・・や、カカナルやサスナルが嫌いなんじゃありません。