珍しく任務が早く終わり、散歩中のナルト。
ふと、打撃音に気付いて足をとめた。
「・・・?なんだってば?」
覗いてみると、そこには
「あ・・・」
さわやかさが売り(?)の、ロック・リー。
「ゲジマユだってばよ」
「あ、これはこれはナルト君、こんにちは」
「こんにちは。・・・修行中?」
同じように挨拶を返し、ナルトが問う。
「はい。・・・あ、先日はどうもありがとうございました」
思い出したように、リーは頭を下げた。
「へ?・・・あぁ、チョコか。どういたしましてってば」
なかなかさわやかな、2人の会話は。
そのままバレンタインのことへと流れていった。

「俺そういえば、今年結構貰ったってば」
「さ、サクラさんにもですか?」
「おう!ゲジマユは?」
「僕にはロック・リーと言う名前が・・・」
そういう言葉は、ナルトには通じない。
「僕も、頂きました・・・っ」
感動の涙を流しつつ、リーは、感動でした・・・、と語った。
「あ・・・そう・・・」
さすがのナルトも、少々引き気味。
「あと、サスケにもあげてたってばよ」
俺もやったけど、と付け足しながら、どこか複雑な表情のナルトだった。
「そうですか・・・はやり彼はもてるのでしょう・・・」
「今年もチョコレートいっぱい貰ってたってば」
うんうん、と頷きながらナルト。
それを知っているのは、その日サスケが
『甘いもん苦手だから食え』
と言って、大量のチョコを持ってきていたからである。(餌付け)
ナルトのチョコはもちろん、サクラといののチョコレートも復讐を恐れてとっておいたが。
ちなみにそれは失敗し、
『女の子がせっかくくれたんだから、自分で食べるべきだってばよ』
と、意外に紳士なナルトによって、追い返された。
「しかし・・・ですね、やはり本命の女の子にもらうと言うのが、1番嬉しいものですよ・・・」
と、どこか自分を慰めたような台詞。
まぁ、確かにリーにしてみればサクラにもらったチョコは、嬉しかったに違いない。
「そ、そうだってばよ」
うん、とナルトも納得して。
どことなく淋しげな雰囲気で、2人は解散した。
バレンタインデーの女子たちは、思い悩むものであるが。
バレンタイン後の男子達も、はやり思い悩むものであるらしい。

次の日。
「オイ、ナルト!」
「な、なんだってばよ、サスケ」
「昨日お前、なんでアイツといたんだよ」
「は?アイツ?」
昨日誰といたっけか、と。
記憶を反芻してみる。
「・・・あぁ、ゲジマユか」
「なんでだよ」
「は?いや、偶然あって、バレンタインのこと話してた」
「バレンタインのことだと!!?」
「っ!?う、うん・・・?」
一人で暴走するサスケに、訳がわからず息を飲むナルト。

<サスケ妄想>
ってことは・・・。

リ「この間のチョコ、おいしかったですよ」
ナ「う、嬉しいってばよ(頬染)。ゲジマユのために作ったんだってばv」
リ「・・・ナルト君、僕も嬉しいですよ・・・」
ナ「・・・・・・うん・・・(にっこり)」

そのままいい雰囲気になって2人は・・・。
だと!!!?

誰もそんな事言ってません。

「あ゛あ゛あ゛ああああああああああ!!!」
「・・・!!?」
「あいつは・・・いつか殺す・・・」
サスケ、(独りよがりにも程がある)決心の瞬間。
「な・・・なんなんだってば・・・?(怯)」

バレンタイン後日に思うところある少年2人。
それとは別に、思うところ有りすぎの少年1人。




どうも私の書く王子(サスケを指します)は、突っ走り気味でいけない・・・。
そんな彼が面白いんですが、私には。(酷)