ト゛イツ国有鉄道(DB)

  平成18年(2006)6月ワールドサッカーがト゛イツで開催された。

 日本対ブラジル戦を観戦するため、試合の行なわれるドイツのドルトムントの近郊に滞在し、そこから各地の観光は全てドイツ国有鉄道(DB)のお世話になった。

 
  私は、JR関西を使っている者だがドイツの鉄道との違いなどを比べるとまことに興味深い。

 ドイツ内ではジャーマン・トレイル・パスという外人向けの乗り放題乗車券(6日券200ユーロ)があり、これで新幹線から各駅停車の列車まで乗り回してきた。

 結論的にJRと比べるとドイツ国有鉄道はドイツの新幹線(ICE)などを除くと、おそらく30年以上遅れているように思う。

 これは会社が国有であるか民営であるかの違いでかくも違ってくるものか非常に興味深かった。

1.在来線の車両

 まず、機関車が列車の先頭にあり後ろの客車を引っ張るタイプが殆どである。

 日本では貨物列車か、寝台列車で一部見られるぐらいである。

 この方式は、加速が悪い。力不足だと後に機関車をもう一つくっ付けるようである。はるか昔、日本の蒸気機関車がそんなことをやっていた。

 日本の国鉄時代の電車(下右の写真115系)でダイダイと緑に塗り分けられた(私はカボチャと称していたが)一昔前の車両さえも機関車式でなく二両おきぐらいに車両の床下に強力な直流モーターを持った加速の良い列車である。

ト゛イツのそれと比べるとなんと日本の電車は颯爽としたスタイルであることか。

  




 ドイツのそれは頑丈に作られているので寿命が長く何時までも使えるのでつかっているのか、あるいは、国鉄であり独占事業であるため変更するエネルギーを失ってしまったのであろか。

 
おそらく、後者の理由であろう。

 
ただ、新幹線(ICE)を作る技術があるのが不思議である。技術は輸入したのかもしれない。
 

 奇妙なことにドイツの車両のドアーは乗客が自分で開け閉めしないと乗れないし、降りられないことになっている。

この方式は日本でも一部の寒い地方では使われているが・・・・・・・。

 比較的新しい車両のドアの開閉は、ボタン式になっているので、これだと乗り降りは比較的簡単である。

 自分で開け閉めする車両は慣れていないので止まった電車のドアーの前で、ドアが開くのを、ただ、ボーと立っていることになる。すると後ろに並んでいたドイツ人(と思う)があわてて後から手を伸ばしてボタンを押してくれる。ドアは乗客が手で開け閉めする。

 各駅停車する電車は旧式の車両を使っているのが普通。

これは日本と同じである。

 ところがドアの開閉はドアーハンドルのものが多い。なかには硬くて開かない場合がある。ガチャガチャやっている間に列車は出発進行で、乗り過ごしてしまう。

 あわれ、日本の田舎者はボーゼンとして車両に取り残されてしまうのである。

2.駅

フ°ラットフォームが低い!!!

 
 上の二枚の写真でも明らかなようにプラットフォームが低く、ドアーとの段差が素晴らしく(?)多い。

 それに下の写真のようにドアが開くと車両には階段がついており3段上らないと乗れないことになっている。


  加えて、プラットフォームと電車の間は広く開いており慣れていないと少々怖い。

足腰の弱った、おじいさん、おばあさんにとっては危険な乗り物であるし、小さな駅は無人であるので車椅子の人の列車旅行は、まず不可能。

私が滞在していたDBのローカル線の駅の話であるが。ローカル線の駅は殆ど無人である。

  日本では車両の床とプラットフォームは5cmの段差もないし隙間は多くても10cmも無いから、天国みたいなものである。

ハンブルグ駅
 ドイツ中、全ての駅には改札がない。ということは切符がなくても列車に乗れるわけである。

 巡回車掌が切符を確認してくるが1時間に一回ぐらいであるのでうまくいけばただ乗りは出来る。

しかし切符がなくて電車に乗っているのを見つかると罰金料金が高いらしい。

 駅に着いてまず時間表(左下)を確認する。 お年よりは必ず『めがね』を忘れてはならないほど字は小さい。

 まず電車に乗るのは切符を購入する。 私は乗りホーダイのパスを持っていたので使わなかった。

下の写真は切符自販機である。よく見ると犬も乗せられるようであり犬を乗せると値段も変わる。自転車も乗せられる車両も多い。 自転車の場合は無料である。

 まず、電車の時刻を確認切符販売機(行き先を指定)










3.線路

 ドイツの鉄道(DB)の線路は在来線、新幹線(ICE)ともに広軌を使用している。

 それに、新幹線専用に駅を新設するのは少なく、殆どの駅は在来線と新幹線を共有している。したがって雑草が生えている古い駅舎に新幹線が入ってくるのは、いささか、奇妙な感じがする。

在来線と新幹線を共有する駅 ライン川沿いに走っている新幹線は従来線と同じところで線路を引いているので、カーブの半径が小さすぎるところが多い。
線路内の塀はほぼすべて落書きがある。

速度は100km/h以下に下げてもキ゛ーキ゛ーと車輪と線路との摩擦音を出して走っていた。

 
日本の新幹線は線路内に人が入り込まないように全線に柵がしてあるがDBでは在来線と平行しているためか柵はなく人が線路内に入り込めるようになっている。

 しかも無人踏切もあるようだ。300km/hぐらいの速度で走るDB新幹線で問題ないのだろうか。

それと線路内の殆どの壁にはペインティング(落書き?)がされている。いたるところ、お構い無しである。
 

きっと罪にはならないのだろうと思う。見ているといささかうんざりするし見苦しい。

4.新幹線(ICE)

 新幹線専用に作られた駅はとても素晴らしい。フランクフルト駅などは空港と在来線と新幹線が入り込んでおりとても大きい。

      

DB在来線のいたらなさを一挙に挽回すべく力の入った新駅に仕上がっている。

   ICEの車両内部は一等、二等があり二等車両にも個室( 6人席)が備えられている。

  席が込んでいた時に一度個室に座ったが見知らないも  の同士が個室に入り三人で向かい合っているとどちらを見ていれ

ば良いのか・・・・・・・・。どーも、いこごちが良くなかった。

  
車内には音楽が聴けるジャックとパソコンが使える電源 等が用意されている。

  ビジネスマンにとっては必須設備だろう。 ドイツに持って いったiーPODのバッテリー充電にとてもお世話になった。

(下 の写真)

   

   

 ICEに限らないが各座席にはゴミ入れが付けられている。それもアルミダイカスト製の30年は持ちそうな頑丈なやつ。

 
  
ICE車内には緊急脱出装置?が備えられている。
 


窓の大きさは横1.5mくらいと大きい。


  
窓ガラスの上に赤い柄のハンマーが備え付けられている。  ハンマーの先端には鋼製のボールらしきものが埋め込まれている。ガラスの真中の上部に赤い丸印がありハンマーで赤印を叩くとうまくガラスが割れてくれるらしい。




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