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  ハイトゲージ製作記

  以前から小物製作には標準サイズのハイトゲージは大きすぎて使い勝手が悪いと感じていました。
  ハイトゲージに使えそうなデジタルピッチゲージが手に入ったので、作ってみました。
 
  製作してみてわかったことですが、デジタルピッチゲージ(ノギス)では厚みがないので上部ではたわみがかなり
 あります。高さを測定するには問題ないと思いますが、ケガキ作業時には支障が出ます。
  主にケガキ用途に使用されるのであれば何らかの方法で補強が必要です。



以下は製作記事です。

 ベースの製作です。(写真1)

 ねずみ鋳鉄の平板から作ります、このあたりはミニ旋盤工作室さんの製作記事を参考にしました。







 ベースの完成です。(写真2)

 前面の穴は約14φ-8.5φのテーパー穴です、そこから8.5φ(固定金具用)-5.5φ(引きネジ貫通用)-10φ(座ぐり穴)の穴が貫通しています。
 ノギスの固定金具を後面からM5六角穴付きボルトで引いて固定します。 ノギス固定金具です、14φ快削鋼丸棒から削り出しています。テーパー部のスリットにノギスを挟んで引きネジで引いて固定します。テールにはM5の引きネジ用のネジが切ってあります。(写真3)
















 オークションで落札したジャンクのデジタルピッチゲージです。
 (写真4)

 結構古いものらしく、両端の色が全然違います、動作は良好ですが、ジョーの具合が悪くてすぐに外れてしまいます、ジョーはネジで固定してあるだけなので、デジタルノギスのようにサンダーで落とす必要がありませんので作業が少し楽になります。
 写真はジョーを取り外した状態です。






 組み立てるとこのようになります。(写真5)
 デジタルピッチゲージのセンサー面を傷つけないようにこのような固定方法にしています。










 スライド部の加工と取付金具です。(写真6)
 スライド部は分解して中央にM3のネジが2箇所切ってあります。最初はM2×4箇所にしようかと考えていましたが、間隔が狭くなるのであまり意味がないと思い、結局、2箇所にしてしまいました。できれば4箇所で固定するほうが良いと思います。








 仮組みしています。(写真7)

 ネジの余分は後でフライス盤で削り取ります。スライドロック用のネジは長さが足りないため取り払っています。
 ここのネジは先端がカシメ?てあり、無理をして抜くと山がつぶれそうなので、いっぱいにねじ込んだ状態にしてフライス盤で先端を削って抜きました。






 ノブ付きのネジをM2.6で新たに作り直します。 スライドロック用のネジはこんな感じで貫通します。(写真8)
 結構、スライド部と金具に隙間があると思われるかもしれませんが、表示部のプラスチックのカバーがここに入ります。
 組み立てるとピッタリになります。









 ベース部は錆び止め塗装後、色を塗っています。既製品は銀色が多かったので、銀色にしてみました。(写真9)
 デザインもへったくれもない、ようかんの角を落としたような形ですが、色を塗るとそれっぽくなったと思います。(自画自賛、笑)








 スクライバー取付金具を取り付けた状態です。(写真10)

 9mmSSフラットバーをバンドソーでL字型に大まかにカットした後、フライス盤で切削しています。固定ネジの部分は座グリをしています。








 写真11-1は焼入れ前のスクライバーです。
 SK3フラットバーから削り出して、ヤスリで仕上げています。
 深いカッターマークが残っていますが、これ以上削ると取付金具より幅が狭くなるのであきらめました。

 写真11-2は焼入れ後のスクライバーと固定金具です。
 スクライバーは先端の角度が浅かったので、削りなおしてから焼入れしてあります。

 固定金具は、快削鋼角材からコの字型に削りだし、固定ネジ(仮に取り付けてあります、最終的には丸棒から削りだして作る予定)のところはM2皿ネジ×4本で固定しています。












 微調整部本体(写真12-1,2)

 ノギス貫通部は別に削りだした板材で蓋をしています、固定はM1.2×4本です。いずれも快削鋼角材からの削りだしです。あとは、スクライバー固定、微調整部固定、微調整、スライドロックのネジを作れば完成です。

 微調整部のアップ

 微調整ノブ自体がM3の雌ネジになっていて、上下の穴は貫通穴です。ボルトのほうが固定してあり、上下動する構造です。


            写真12-2


 完成したデジタルハイトゲージ(写真13)

 300mmアナログハイトゲージと比較してみました。約半分くらいの高さに収まり、取り回しが格段に良くなりました。 微調整機構は無くても使えますが、あれば1/100mm単位の調整が簡単にできます。
写真1
写真2
写真3
写真4
写真5
写真6
写真7
写真8
写真9
写真10
写真11-1
写真11-2
写真12-1
写真13
 
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