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フェイスカッター製作記![]() それなら作ってしまえ、という訳で作ってしまいました。 シャンクは以前に、偶然、手に入ったMT2ブランクアーバーです。同じ物は未だに見つかりません。 |
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以下は製作記事です。 シャンクは以前に買っておいたMT2ブランクアーバーを使います。テールに引きネジ用のネジが切ってあるものです。ネジは3/8インチです。 まずはブランクアーバーを主軸テーパーにセットします。これを加工するために引きネジの座金を二段にしたのに、旋盤のテーパーがMT3だったことを忘れていました、バカですね(笑) 結局、MT3×MT2のドリルスリーブを使う羽目になりました。そのお陰で引きネジが使えなくなりました。なんか嫌な予感が・・・ (写真1) とりあえずセンターに穴をあけて、本体固定用のM6のネジを切ります。 先端は10°のテーパーをつけてみました。 振れを極力減らすのと空転防止が目的です。 本物はこんな構造ではないと思いますが、見たことも触ったこともないので、適当に作っています(汗) (写真2) 当初は空転防止のキーを入れるつもりでしたが、これくらいの径だとテーパーでも大丈夫そうな感じです。ダメなら追加工でキーを入れます。 本体の加工です。SS400の40φ丸棒を使います。 アーバーのテーパー加工以降、トップスライドの角度はそのままで加工を進めます。 中グリしてテーパーをつけています。 (写真3-1) バイトは中グリバイトを裏向けにセットして、奥側を削ります。 (写真3-2) ![]() 写真3-2 咥えなおして、反対側のM6キャップボルトの沈め加工をします。若干、センターが振りますが、四つ爪チャックに替えてセンター出しをするほど精度は必要ないので、目をつぶります。はっきりいって手抜きですが・・・(^^; (写真4) 本体をアーバーに固定して、外形加工をしてしまいます。 (写真5) ここでフライス盤にセットして外周の振れを見てみると、2/100mmほど振っています、まぁまぁですが少し悪いか・・・ もう一度削りなおすと、今度は5/100mm。 おいおい、なんで・・・ 何度やっても結果は同じ。アーバーを測定すると5/1000mmくらいで問題なし。旋盤の主軸スリーブ内側は2/1000mm、どうやらドリルスリーブが原因です。嫌な予感が的中しました。うーん、どうしよう・・・ えぇい、やってしまえ!ということで、やってしまいました、ドリルレース。フライス盤にセットしたままで、バイスにバイトを咥えてZ軸の上下で削ります。 むしれがひどくて苦労しましたが、最後にオイルストーンで仕上げると何とかなりました。そのままの状態で測定すると、2/1000mmでした。セットしなおすと5/1000mmくらいになると思いますが、これで十分でしょう。 後はフライス盤加工だけなのですが・・・ ここまできてやってしまいました、削りすぎて穴があいてしまいました。(写真6) 1個しかない材料だったので材料調達からやり直し、ガックリ(泣)・・・と思っていたら、マンション切子製造所のfc3sさんから40φの快削鋼を少し頂けることになりました。天の助け、fc3sさんに感謝! はじめて快削鋼を切削しましたが目からウロコ、快削鋼というだけあって、サクサク削れます、ツルピカです。 回転数も上げられるし、切込量も増やせるので作業時間が大幅に短縮されました。調子に乗って削っていたら、すっかり写真を撮るのを忘れてしまい、加工中の画像がありません(^^; いきなり完成画像ですいません。(写真7) やり直しも工程は同じですが、ドリルスリーブは使わず、四つ爪チャックで心出しして切削したので、精度はそこそこでているはず。 チップ取付け面の加工方法は、5インチチャックの載ったロータリーテーブルをイケールを使って垂直に固定し、そのチャックに咥えて120°ずつ回転させて切削していきます。 この方法では、スクリュージャッキで下から支えるか、テールストックで心押しするかしないと振動しますが、手持ちのスクリュージャッキは最低高が少し高くて使えず、センターにはM6キャップボルトが入っているのでまともに心押しできないだろうと思ってテールストックも使いませんでした。結局そのまま削ってしまったので、写真ではわかりませんが、ビビリ痕が出ています。 チップ取付け面は単に段差をつけてあるだけです。(写真8-1) 肩削りもできるようにするため、底辺の取り付け角度は、外周に対して122°にしてあります。外周にあわせてチップを取り付けると、刃先がほんのすこしだけ外周からはみ出るようにしてあります。 チップを取り付けるとこんな感じです。クランプ用のネジはM3です。 (写真8-2) ![]() 写真8-2 最後はクランプ駒の製作です。(写真9) 10φに削ったSS400丸棒から必要な長さだけ外形を加工しておき、メタルカッターでスライスしていきます。 はじめに駒のお尻のところに0.5mmの段差をつけてから、2.5mmの厚さにスライスしますが、0.5mmでは段差が少し高すぎたかもしれません。 写真10は切削テストです。真鍮の端材の一部を切削してみました。カッターマークもあまり目立たず、まずまずではないかと思います。 3枚刃にした理由は、奇数刃のエンドミルを使用するとカッターマークが目立たないということを聞いたことがあり、試してみたかったこともあって3枚刃にしてみました。 切削テストでは効果があったように思えますが、偶数刃のフェイスカッターを持っていないので比較ができません。また、他の材料だとどうなるのかわかりません。 |
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写真1 | |
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写真2 | |
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写真3-1 | |
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写真4 | |
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写真5 | |
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写真6 | |
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写真7 | |
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写真8-1 | |
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写真9 | |
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写真10 | |
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