ひなたぼっこ


◆第111回『引っ越し狂騒曲part2&初めての手術』◆ (2024.04)

 書きはじめる前に前回のを見たら、ちょうど1年前の話をしていて、「あ~、あれからもう1年経ったか」と感慨深いと同時に、「こんなに大騒動して寮に入ったのに…」というジクジクした――じゃない、忸怩たる想いに。

 なんとなれば。

 結局アパートに引っ越したんですよ! 寮にいたのはたったの半年!! それなら最初から自分でアパート探せば良かったじゃん!!!

 2度目の引っ越しは昨年の秋、10月でした。その年のうちにさっさとこの記念すべき(?)111回を書いてしまうはずだったのですが、気がついたら2024年も4月。あれ、あれれれ。おかげさまで引っ越しの詳細をもう思いだせない……何がどうしてこうなったんだっけ。

 入寮当初から「ウォシュレットがない」「共用の洗濯機が汚い」などなどの理由で「早く引っ越さなきゃ」と言ってはいたんだけど(近所のスーパーのウォシュレット状況をつぶさに把握しているほどウォシュレットなしでは生きていけないらしい…って、大学の時の下宿はウォシュレットじゃなかったじゃん?)、実際にアパートを探し始めたのは確か夏を過ぎてから。引っ越し業者が空いていて気候もよい、11月くらいまでに引っ越そうという考えだったみたい。ネットで物件を検索して、いくつか当たりをつけ、不動産会社に連絡して内見させてもらって……。通勤のことを考え、寮の近くで探していたのに、なぜか物件を管理しているのが最寄りの営業所ではなくだいぶ遠い営業所だったりして、内見に行くのもけっこう大変だったよう(一旦電車に乗って遠くまで行って、不動産屋さんの車で寮の近くまで内見に戻ってくる、みたいな。現地集合じゃダメだったのか)。「どうしよう」と考えているうちに新築イチオシ物件は埋まってしまい、結局築12年ぐらいの物件に。

 大学の時の下宿は3階建てで1フロア6軒ぐらいある、いかにも「アパート」という建物だったけど、今回はこじんまりした2階建ての物件。手付けを払ってとりあえず押さえて、実際にそこに入居したのは確か10月の下旬。中旬に、一回私たち親も見に行きました。「見に行った」というか、荷物の搬入。寮では使わなかった食器やら何やら、段ボールに入ったままずっと我が家に置いてあったので、それらを持ってはるばると。

 大学の下宿はワンルーム、今回はしっかり2部屋ある。IHではなくガスコンロ2口、シンクも前より大きくて「ちゃんと料理できる」キッチン。トイレはもちろんウォシュレット付き、お風呂は浴室乾燥付き! すごい、うちそんなの付いてないのに。

 テレビと冷蔵庫は寮に持っていってたやつを移動、洗濯機や机、本棚は新たに購入。下宿から直接引っ越したのなら前の本棚捨てなくてよかったのに……もったいない。何も荷物が入ってない時は本当に「広っ!」って思ったけど、先日見に行ったらパソコン机とこたつが無駄にデカくて、手狭になってましたねぇ。ネットも新たに契約し直さなきゃいけないし、色々と二度手間。まぁ入社前は土地勘もまったくなく、どういう生活になるのかもわからなかったから、物件を探すの大変だったとは思うけど、しかし半年のうちに2回引っ越しとは……。

 「自分の城」になって快適な反面、食事は全部自分で用意しなきゃいけない。でも仕事から帰って自炊する元気はないらしく、「ナッシュ」と「ベースブレッド」で生きているそうな。白飯だけは炊いてるらしいけど、あんなにちゃんとしたキッチンあるのにねぇ。包丁やまな板も一応買い直したのに、もったいない。まぁ私もフルタイムで働いて毎日ご飯作る自信はまったくないから、しょうがないかー。

 引っ越しが終わり、ようやく落ち着くかと思ったら今度は手術

 幼い頃からアトピー性皮膚炎に苦しめられ、慢性鼻炎にも苦しめられてきた彼。ひとり暮らしを始めてからも定期的に皮膚科と耳鼻科に通っていたんですが、「鼻の骨が曲がっているせいで鼻づまりがひどいので手術してみては」とお勧めされ、大きな病院にかかってみることに。

 いわゆる総合病院、外来受付は平日の午前中しかやってない。仕事を休まないと病院に行けないわけで、彼は「じゃあこの日に」と有給を取ったんだけど、その日はなんと祝日だったという…。病院やってねぇよ!!! 職場が工場カレンダーで動いていて、普通に出勤日になっていたから祝日だとは思いもよらなかったそうな。前日の夜になって気づいたそうで、もう取り消せない、無駄に休むしかない。この1日があればあとで助かったかもしれないのにほんともったいないなぁ(何回「もったいない」という言葉を使うのか(^^;)もったいないお化けどころではないぞ)。

 仕方なく別の日に有給(半休かもしれない、そこまで詳しく聞いてない)を取って総合病院で診てもらい、CT撮ったり検査したりして「これはひどい。手術した方が良い」ということで、1月末の手術が決定。事前の説明と手術当日の付き添いで私も二回病院に行くことに。滋賀からわざわざ新幹線に乗って、ローカル線やバスを乗り継ぎえっちらおっちら。朝は雪が降ってて最寄り駅までいつもの倍時間がかかったし、病院ではかなり待たされるし、大仕事すぎる。

 事前説明では先生から手術の効能やリスク等の話を聞いて、同意書に「立会人」としてサインするわけですが、息子氏、いわゆる「鼻の真ん中の骨」だけでなく下側(?)もかなり曲がっているらしく、「子どもの頃に事故にでも遭いましたか?」と聞かれる始末。えー、いや、旅先でベッドから落ちたぐらいしか思いつかないですけど……。もしや虐待を疑われたりしたかしらん。かなり小さい時分からやたらに鼻をかんで、しかも強くかんでたから、そのせいで曲がっちゃったのでは、と思うけど、それぐらいでは曲がったりしないものなのかな。私も少し曲がってるらしくて左側がすぐつまるし、私の母も鼻炎持ちで手術を勧められたことがあると言ってたから、遺伝的なものもあるのか???

 ともあれ鼻炎のせいでQOLの低い人生を送ってきた息子氏、「劇的に改善する(こともある)」「世界が変わる(こともある)」という話に手術を決意。1月末に1週間ほど入院して鼻中隔とやらを削りました。

 火曜の午後に入院して水曜に手術、その後3日間病院で様子を見て、日曜の朝に退院というスケジュール。入院時にも付き添いが必要ということで、再び新幹線に乗って私も病院へ。コロナやインフルエンザ対策で面会時間が制限されていることもあり、ほんの30分ほどで私はお役御免。えーっと、これ、付き添い必要だったんですかね……。てか翌日9時から手術でお母さんも8時半には病院に来てくださいって、早すぎるんですが。

 いちいち滋賀に帰るのは大変だし、そもそも午前中の手術だと間に合わないなと思って宿は取ってましたが、宿からでも8時半、かなり厳しかった。そういうこともあろうかと病院のある市内に泊まったけど、バスの時間ギリギリ。バスあって良かった。あのホテルがあって良かった。

 息子氏のアパートに泊まればタダだったんだけど、病院とアパートを往復する手段がそれこそタクシーしかなくて不便な上に、息子氏の布団で寝るのもちょっと……ねぇ。土地勘ないから食事するのも困るし。

 で、手術です。「鼻中隔湾曲症矯正術」とか「なんとか切除」とかいう名称だった。朝一番、9時から開始して11時半終了予定。手術室に入るのを見送って、その後はいわゆる「談話室」のようなところでひたすら待つ。全身麻酔での術式なのでまぁ2時間半というのは「そんなもの」なのでしょう。持参の本を読んだりスマホをいじったりしながら11時くらいまでは余裕こいてたんですが、11時を過ぎたあたりからそわそわ。11時半になってさらにそわそわ。看護士さんたちが続々と談話室でお弁当を広げ始める中、私はお茶とSOYJOYだけでそわそわ。手術が終わったら呼んでもらえるはずなのに、12時を過ぎても一向にお声がかからない。旦那さんからは「そろそろ終わった?」とメールが来るし、イライラというか、不安になってきますよねぇ。もしや手術中に予想外の事態が!?と。

 結局「終わりましたよ」と呼ばれたのは12時40分くらいだったかな。予定より1時間ほど長かった。先生が「これだけ削りました」とわざわざ骨片を見せてくださって。予想よりは大きい骨片が5~6個あったような? もちろん血ぃついてるし、あんまりマジマジと見るもんでもなく、もちろん写真も撮れなくて、もうよく覚えてないけど。

 息子氏はまだ麻酔で朦朧としていて、でも口の中血塗れなので時々ゲホゲホと血痰的なものを吐いて、見てるとけっこう怖い。鼻は詰め物してあるし、息苦しさや気持ち悪さ、当然あるよねぇ…ううう。点滴してもらって少し落ち着き、おおむね穏やかに寝てる感じだったので、3時前においとま。本人が一番大変だったとはいえ、私もだいぶ疲れました。はぁぁ、無事終わってよかったぁ。

 退院の日は旦那さんの運転で車で病院までお迎え。わざわざ行ったのに「早よ帰れ」と言われ、お昼だけ一緒に食べてさっさと帰ってきました。傷跡などは何もなく、言われなければ手術したなんてことはわからない。手術から丸2か月ほど経った現在、「鼻づまりは確かに軽快したと思うが、世界が変わったかというとそんなことは…」という状況らしい。大変だった割には効果が感じられてないみたい(^^;) 手術費用は共済で全部賄えた(おつりが来た)らしいけど、貴重な有給ががが。

 手術のあと、1週間後、その2週間後――と定期的に予後のチェックに行かねばならない上に、3月半ばに今さらコロナに感染してしまった息子氏。「もう俺の有給は0よ!」にもかかわらず仕事に行けず、社会人一年目にして欠勤3日の汚点。コロナなんだし別扱いにしてくれればいいのにねぇ。「計画有給」ということで前半から割と休みを取らされてたのも禍いしたみたい。間違えて祝日に無駄に有給取ったアレも……。

 しかし今さらコロナとは。流行っているのは知ってたけど、このタイミングでなぁ。39℃の発熱が2日間。熱自体は割とすぐ治まったらしいけど、喉の症状がひどくてなかなか元通りにならないとか。やっぱりかかりたくないよねぇ。後遺症とかなければよいのだけど。

 一年間の研修期間を終え、4月からはいよいよ本格的に実務が始まるようで、さてどれくらい忙しくなるのか。2年目は有給が余るぐらい元気に、問題なく過ごせますように。