◆『THE SIXTH DAY』
〜SINGLE COLLECTION〜◆


 2004年2月25日、ガックン初のベストアルバム、『THE SIXTH DAY〜SINGLE COLLECTION〜』が発売になりました。わー、パチパチ。

 でもこれ、意外だった。他のファンの人もレビューに書いてたけど、ガックンはベストは出さないと思ってた。ガックンのアルバムって、一枚ずつテーマがあって、一つの「物語」をなしてるから、単にシングルだけを集めたベスト盤っていうのはポリシーに反するんじゃないかって。それに私、むしろシングルよりアルバムに収録されてる他の曲の方が好きだから、最初このベスト、買わなくていいや、と思ってたんだ。全部持ってる曲なんだし、って。……買っちゃったんだけどね。

収録曲  買ってみたら、やっぱりその中のブックレットに音楽評論家の人が「ベスト盤は絶対にあり得ないと思っていた」と書いていた。みんな考えることは同じ。で、その「あり得ないこと」がなぜ起こったか、って言うとそれはガックンの私たちファン(Dears)への贈り物なんだって。私のように最近になってファンになった人間は、昔の曲を歌うガックンを見たことがなくて、CDでは聞けるけど生では聞けなくて、「『Mizerable』見せてください(聞かせてください、じゃないところがすごい)」、とか「あの頃の曲やってください」とかいう声があるらしい。スタッフからさえも上がるらしい。

 ベスト盤って、普通そんなにファンじゃない人が、一枚もそのアーティストのCDを買ったことのない初心者の人が、「ベストだったら買おう」と思って買うものだと思ってた。売る方にしたら、とにかくセールスするため、新しいファンを獲得するため、って。だからガックンもついにレコード会社の要請に負けてベストを出すのかなぁ、なんて失礼なことを考えていたんだ。ガックンともあろう人がそんな、自分の納得のいかないことをするわけがないぢゃないか。ああっ、浅はかな私!!!!!

 ガックンは私たちDearsのために、昔の曲をライブで聞かせてくれるために(ガックンはライブも「物語」なので、「物語」に沿わない昔の曲をぽろっと混じらせる、なんてことはできないのだ)、このアルバムを届けてくれた。そうなんだよ。そうなんだ!

 実際この間テレビで『Vanilla』を歌ってるのを見た時、「わー、『Vanilla』だ〜」ってすごい嬉しかったもんね。初めてだったから。昨年、『HEY!HEY!HEY!』のスペシャルで『君のためにできること』を聞いた時も鳥肌が立つくらい感動しちゃって。私はまだ『MOON』の曲しか歌っているところを見たことが(&聞いたことが)なかったから。

 いや、でもそれだったらシングルだけじゃなくてあれも聞きたいしこれも聞きたいし、大体肝心の『Dears』が入ってないじゃん!とか。シングルのカップリングでアルバムには入っていない『uncertain memory』や『cube』も私は好きだ……ってあんた、ガックンの曲で嫌いなのなんかあるのか? 『NINE SPIRAL』だけは苦手だよ。あれはホントに聖飢魔Uっぽいホラーな曲で、なんか怖い。あとは……好きだね。インストゥルメンタルもピアノソロも全部、「好き」の度合いに違いはあるけど、「嫌い」はない。最初いまいちだと思った曲でも、聞き込んでいくうちにすごく好きになっちゃったりして。

 うん、ガックンを「色物」だと思ってる人に、聞いてもらいたいよね、やっぱり。まだガックンの「音楽」をよく知らない人に是非。私も彼がシンガーソングライターだって全然知らなかったから、初めて『MOON』を聞いた時はその変幻自在な声とドラマティックでエモーショナルなメロディライン、前奏や間奏にいたるまでの繊細で完璧な音作りに驚いた。そして一発で虜になった。このベストをきっかけにGacktワールドに足を踏み入れる人が一人でも増えるといいな。ファンが増えれば増えるだけ、ライブチケットの入手が困難になっちゃうけどさ……。ちなみにこのアルバムにはライブツアーの先行予約ができるIDというのが付いてます。電話、つながるのかなぁ。

 でもホント、ライブが楽しみ。きっとガックンのことだから何かまた違う、一つの「物語」になってると思う。アルバムの収録順も決して時系列じゃなくて、『OASIS』で始まり『再会〜Story〜』で終わってるってところが意味深。うん、表層の「物語」はそれぞれ異なるかもしれないけど、根底に流れているものは同じ『Gackt』という物語なんだし。『再会』の中にこんな囁きが入ってる。「人はいったい どこから来て どこへ行くんだろう 大切な やさしい人 君だけがいない」 これってガックンの紡ぐ物語に共通するモチーフだと思うんだ。生と死、出逢いと別れ、魂と肉体、記憶と、それから強い想い――。

 1曲目の『OASIS』の冒頭には短い導入部がついて、2曲目『鶺鴒』と『Vanilla』『Mizerable』はたぶん新録。『Mizerable』って、1999年の記念すべき初ソロなんだけど、この頃はすごーくコスプレで、声も甘い(若い!?)。2004年バージョンはけっこうドスが効いてます。昔の曲を今の解釈で、って確かに面白いよね。『Vanilla』なんてもう最高にかっこいいしなぁ。

 今年はまだ新しいアルバムを2枚も出してくれるとか雑誌で言ってたし(ホントに!?)、数年後には『MOON』の第2幕も幕を上げるらしいし、あー、考えただけで幸せ。だけどガックン、あんまり突っ走りすぎて倒れないでね。ホントに、それだけが心配……。

 THE SIXTH DAY。それは神が人を造りたもうた日。神があなたを造りたもうたこと、そしてあなたと同じ時代に私をも造ってくださったことに感謝。

【おまけ】
 先日ファンクラブ事務局から電話がかかってきて。昨秋ガックンへのメッセージとして送った(ファンクラブのホームページから会員でなくても送信できる)『MOON CHILD 鎮魂歌篇』の感想を次の会報に載せてもいいか、と言われた。もちろんOKしたけど、最初「まさかサプライズ・パーティが当たったか!?」と思って異常にドキドキしてしまった。冷静に考えればあっちはファンクラブがらみじゃないのにね。ははは。一体ガックンに願いを叶えてもらった人はどこの誰なんだろう? どんな願いを叶えてもらったのかなぁ。羨ましい。
 ファンからの『鎮魂歌篇』の感想、たくさんもらって、すごく感動した、今度の会報に少し載せようと思う、っていうのはガックン自身が以前言っていたことで、ちゃんと読んでもらえてるだけでも嬉しいのに、もしかしてガックン自身が「これを載せたい」って選んでくれたんだとしたら、すごく嬉しい。ねぇ、ファンレターなんか1日に何千通と届くだろうにね。目を通すだけで大変だよね。おかげですごい速読ができるようになったって言ってたけど。
 ガックンは私たちDearsのことを本当によく考えてくれる人なので、私もガックンのファンとして恥ずかしくないように生きよう、などと思ってしまうのでした。

トップページに戻る