◆『ありったけの愛で/この夜が終わる前に』◆


 2月14日発売のラブ・バラードアルバム『Love Letter』からの先行シングルということで。またバラードかい!という突っ込みがHMVのカスタマーレビューにもちらほら見られていましたね。昔の方が良かったという人、「昔は痛々しすぎた。今のGacktさんを応援してほしい」という感じの人……。正直私も「バラードはもういいですからっ!残念!」と思っていたんだけど、『ありったけの愛で』の方はけっこう明るい応援ソングのような。痛くはないがバラードでもない。そんでもって歌い方もバックもシンプル、やっぱり『UNPLUGGED』の流れを汲んでいる。クラップや掛け声が心地よい。

 なんでも『Love Letter』の後はまたダークな物語が始まるそうで(わーい\(^o^)/)、当分こういう明るい感じの曲は書けそうにないから、ということらしい。そう言われると「じゃ早くそっちを聴かせてくれ」とつい言いたくなってしまうけれども、しかし気がつくと口ずさんでしまっているのだな。ガックンの曲は聴けば聴くほど味わいが出てきて、いつの間にか「今までで一番好きかも」と思ってしまっていたりするのだ。

 特にカップリングの『この夜が終わる前に』は、「もうバラードはいい」と思っていたのに、やっぱりグッときてしまって、ついつい何度も聴いてしまっている。これもアコースティックなバックでガックンの“素”なボーカルが前面に出ているのだけど、あの声で「胸に残るぬくもりも奪った唇も」などと歌われた日には! 別にそんな離れて想う相手もいやしないのに、思わず窓の外の月を眺めて「ほぉ」とため息をついてしまう。

 そう、想う相手は離れているのよね。明るい曲調の『ありったけの愛で』の方も、「君」は遠くにいる。遠く離れてしまって、でもきっといつかまた出逢えるさ、って。胸に残る一抹の寂しさ、きゅんとなるせつなさを抱えて、でも前を向いて歩いていこうよ。ぼくは君を想い続けてるから――。ガックンだなぁ、と思う。意外な雰囲気の曲のようで、やっぱり不思議にしっくりくる世界。

 『Love Letter』の発売が待たれます♪

トップページに戻る