◆Gackt Live Tour 2004
『THE SIXTH DAY & SEVENTH NIGHT』
名古屋公演(5/29)熱狂記◆


 はい、行ってきました、2度目のライブ! チケットは2月くらいに取ったのでもうものすごーく待ち遠しかったです。あんまり早く取りすぎて、行くまでになんか不測の事態が起こったらどうしようとドキドキしてました。せっかくチケットが取れても丁度その頃に子供が熱を出すとか、親の具合が悪くなるとか、自分自身が入院するとか、本当に行けるかどうかは別問題ですからね。自分はまぁ意識があって手足が動いたら這ってでも行くけど、家族の場合はやはり……。5月になってチケットが届いて、公演日が近づくにつれ、そのドキドキはいやが上にも高まり、『頼むから何も起こらないでくれ』と神様にお願いする日々でした。1週間前には緊張で胃が痛くなった。目ばちこにはなるし。治るまでコンタクト禁止!と言われた時はまじで焦ったよ。メガネじゃ双眼鏡覗くの不便だし、やっぱ一番いい顔で会いたいじゃない。いや、そりゃ向こうからは全然見えないんだけどさ。行くまでにはどうにか治って、家族も平穏無事で、ほんとに良かった。ありがとう、神様

 今年も本当は横浜アリーナに行きたかったんだけど(今年は最終日がガックンの誕生日!! 行きたかった!!!!って、チケット取れないよね)、さすがに2年連続はひんしゅくなので、名古屋で我慢しました。大阪は平日公演だったので、仕方なく名古屋。新幹線使えば家から会場まで2時間で行けるので、宝塚より近い……(大劇場までは、2時間10分くらいかな。交通費もたいして変わんないかも)。多少終演時間が押してもぎりぎり終電には間に合うか、と思ったんだけど、結局宿も取っちゃって。ははは。近場に行く意味ないやん。ま、横浜だと交通費が倍以上だけど。

客席の図  5月29日、「午後から雨」という予報に反して名古屋は(滋賀も)いい天気。先にホテルにチェックインするも、ホテルまで歩くだけで汗だくになってしまった(地下鉄某駅から徒歩10分……もっと近いとこにすればよかった)。一息入れて5時頃名古屋駅に戻るとそこには昨年と同じ、一目で「この人もライブね」とわかる人々が。すごいね、みんな、気合い入ってるね。コスプレの人もそうじゃない人も切符売り場やホームは会場へ向かう人々で一杯。会場のレインボーホールはJR笠寺駅直結、ちょうど開場時間の5:30頃着いて、先にグッズを買ってから中へ。去年と違って立ち見じゃないのでこの辺りは実にスムーズ。1階のブリージャ(可動席)Dブロック8列目の4番、という席で、ちょっと期待してたんだけど、やっぱりステージはとても遠かった。2階のステージ寄りブロックの方が絶対距離、近い。ヴォルビックも飛んでくるしな。一番ステージから離れてるブロックなんだもん、まぁ見やすかったけど。すぐ横が通路だったので人の頭もまったく気にならず、思いきり踊れたし。

 開演予定は6:30だったんだけど、やっぱりそんな時間には全然始まらない。客席はまだまだ埋まってなくて、続々と人が入ってくる。みんなもっと早く来ようよ! 去年と違って今年は椅子があるから楽だったけど、やっぱり長い待ち時間。眠気を覚ましてくれたのが、映画のショウのコスプレをしたお兄さんで。格好はね、キマってるんだよ。なのにその人、座席がわからないらしくてずっと右往左往してるの。私の後ろの席の人がその行動にいちいち突っ込みを入れてくれて、面白くってさ。最終的に係員の人に尋ねてアリーナ席に落ち着いたんだけど、最初っから訊けよ!って感じ。みんな格好だけじゃなく、行動もキメましょう、見られてるんだから。あとチャイナドレスの人とか、黒と白のペア制服(学校のじゃなくて「作った」ドレスセーラー服)の女の子、コスプレっぽい黒い衣装の人、などなど。色んな人がいます。男の人も、おばさんも、子どもも。私も一応上下黒でまとめてましたが、翌日も30度という5月としては記録的な暑さだったので……きつかった。せめて半袖にするべきだった。ライブ中は上のシャツジャケットを脱いでキャミ一枚になってたけど、それでも暑い! いや、熱い! 去年の「汗だく→風邪→発熱」経験があるから今年はさらに薄着だったのに、やっぱり汗だく。ライブにはタオルが不可欠です。

 6:45、まだ始まらない。会場にはラヴェルの『ボレロ』がずーっと流れ、まだ客は動いていて(いい加減座れよ、おまえら!)、やっと始まったのは6:55。去年と一緒やね。『ボレロ』が鳴り止み照明が落ちて、みんなが一斉に立ち上がり、歓声の中始まったのはフィルム。ステージのスクリーンに映し出される荒野と、人影。子供と杖をついた老人がたどり着いた先には白い墓標。「久しぶりだな」老人が言うと、墓標に刻まれた名前が見える。「Gackt」没年は2007。って、え? あと3年で死ぬ気ですか、ガックン!? 「あの頃は輝いていたな」老人が一枚の写真を出して墓に供える。その写真には、ガックンとメンバーがとても生き生きと楽しそうな顔をして映っていて。……これって『MOON CHILD』のパロディーだったりするのかしら……。『THE SIXTH DAY & SEVENTH NIGHT』の文字がかぶると、聞こえてくるのは和太鼓の音。

 太鼓と、三味線の音の中スクリーンが透けていよいよガックン登場! と思ったら、三味線、ガックンが弾いている。ガックンとYOUさんと茶々さんが3人並んで三味線、その後ろでRYUさんが和太鼓を叩き、JU−KENさんがベースを……弾いてたかどうか忘れたけど、いや、このオープニングにはほんとにびっくりした。「邦楽で来るか!?」 衣装も白い、平安朝の着物で、ダンサーも「和」なの。すっごい良かったよ。もともと津軽三味線とか、邦楽と洋楽のコラボレートとか大好きだから、がーっと血が騒ぐ。すごいよね、何でもやるね、ドリフターズみたいだね(こらこら)。

 で、そのままの衣装で1曲目『OASIS』。ああ、お神楽だ〜、って思った。天岩戸が開いて天照大神様が出てくるぞ、って。去年見た『陰陽師2』が頭に浮かんで、萬斎様と共演してほしいな、とか考えてしまった。そして……ああ、そして。なんでか今回、曲順がさっぱり覚えられない! もう3曲目ぐらいで既に「あれ、この前は何だったっけ?」……。なんだろ、「目の前」に集中しすぎ? 単なる年? とりあえず順番はこっから適当だけど、黒の衣装に変わっての『Lu:na』。右手に刀、左肩にライフマスク。ここの刀での立ち回りもめちゃくちゃかっこよかったよぉ。時代劇やってくれ〜。視聴率取れると思うけどなぁ。

 ピアノ弾き語りでの『Last Song』、ええーっと『Secret Garden』に『鶺鴒』。それから階段に腰かけ、うらぶれた路地で歌っているかのようなunpluggedの『君が待っているから』と『mind forest』。……もうほんとに最初の3曲ぐらいで双眼鏡を持つ手がだるくて……。己の腕力不足を痛感。全部一緒に歌って、間で「Gacktーっ!」と叫んで、やっぱり3曲目ぐらいで声がれ。ああ、なさけない。ライブの前には発声練習。ただ体調を維持するだけじゃほんと、ダメだね。ライブに向けて筋トレと発声練習は欠かせない!(何しに行くんだ、あんた) 大好きな『Papa lapped…』は1部だったのかな? 2部? わからん。とにかく良かった! 生で聴けて、一緒に踊れて感激。

グッズ ファンへの「ギフト」がテーマという今年の活動、ライブもサービス満点、なんと1部と2部の間にはまたフィルムが。最初、生中継かと思ったんだよ。メンバーがダッシュで階段を降りて楽屋に向かってる映像が映って、「こんなとこまで見せてくれるの?」って。楽屋で汗ふいたり着替えたり、おおっ!と思ってるとそこに出前が……。「カツ丼お持ちしましたぁ」 誰だよ、んなもん頼んだ奴は!という視線の中、「あ、俺」と手を上げるガックン。早速カツ丼を開けて、「米抜きって言ったじゃん!」 なんだ、コントかよっ。ほんとに面白かったよ〜あのかっこいいYOUさんが坊主かつらつけたり、そこまでやる!?のオンパレード。「出番で〜す」の声とともに駆けだしていくメンバー。「あれ、Gacktさん?」 なかなか通路に姿を見せないと思ったら、なぜかボクサーの出で立ちで現れるガックン。ジャブジャブ、シュッシュッと格好良く――パンチを自分に浴びせてドテっ。だからぁ、そこまでやんなくても……。ほんとにこのコントフィルムは楽しかった。笑わせてもらった。テレビでしか「Gackt」を知らない人には想像もつかないでしょう。やっぱりドリフターズかも(笑)。

 第2部は、オーケストラバージョンの『U+K』が流れる中、DJの英語によるアナウンスとともにメンバーが一人ずつステージに登場。「誰も見たことのないエンターテイメントショーの開幕です!」とか言ってた、英語で。まったくその通りだと思う。コンサートとかライブとかじゃない。まさに「ショー」。宝塚も負ける。なんてったって宝塚のショーじゃ、観客は踊れない(当たり前)。2部はストライプのスーツで決めてノリノリの曲のオンパレード。MCで「君たちの聴きたい曲ばっかりやるから。こんなステージもうないから」って言ってた。そんなこと言わずになんべんでもやってくれ!

 『Mizerable』『U+K』『Mirror』『Vanilla』『Another World』『君が追いかけた夢』……2部は、踊りたいし、でも双眼鏡で顔も見たいし、すっごいジレンマがあったなぁ。結局踊る方取ったけど。生でガックンを拝めるっていうのはもちろんすごいことなんだけど、でも顔なんて言うたらテレビで見られる。テレビの方がもっとよく見られる。ライブの一番の醍醐味は、たとえ豆粒にしかガックンが見えなくても、あの場、あの時間を共有すること。一緒になって二度とない極上の瞬間を創りあげること。なので踊り狂いました。歌いまくり、叫びまくり、パワー全開フルスロットル。我ながら感心する。よくそんだけエネルギーあるな、って。その分もうちょっと家事に回せよ。でもあーゆーとこで「もう若くないんだから」なんて出し惜しみしてたらダメ! 関係ないから、年も職業も。人目も気にしない! 同じアホなら踊らにゃ損。「生きてる!」って感じするよ。ま、エネルギー使い果たして、3日経ってもまだへばってるけどさ……。

リボン  最後は『君のためにできること』。この時降ってきたリボンを見事Get! そしてアンコールが白い衣装での『再会〜Story〜』で、またフィルム。最初のと同じ子供が出てきて、数の増えた墓標。どうやら老人が死んで埋葬されたらしく、そしてその老人はYOUさんだったらしく(YOUさんは90歳ぐらいまで生きるらしい)。子供があの写真を供えて、そして誰もいなくなるとガックンが姿を見せる。老人だったYOUさんも若返り、「行こうか」というガックンの声とともにメンバー全員が揃い、光の彼方へと……。なんとなく、『時の異邦人』を連想してしまった(かれこれ二十年は前の、『戦国魔神ゴーショーグン』のOAV。これのノベライズは私のバイブル)。死にかけていた老女のヒロインが「私はけっしてあきらめない」と強い意志で「生」を選び取ると、「時のモニュメント」が崩れ、若返って仲間達と再会する。再び、どこともしれない時の砂漠へと、仲間とともに旅を続ける―――。ガックン達もきっとそうなんだろうな、って。「あの頃は輝いていた」じゃなくて、いつだってずっと輝いてるんだろう。時は不可逆で、死もけっして免れない。でも、そんな時間の壁を乗り越えて輝き続ける何か、いつまでも消えないものがきっとあるんだ、そんなふうに思える。きっとまた、逢えるから。

 ……次逢えるのは来年かな……。(既に待ち遠しい)

 でもこの、「たとえこの身や、この世界さえもが朽ち果てても、ぼくたちはきっとまた逢える」っていうの、ガックンのすべての曲(だけでなく、すべての表現)のテーマだよね。それで、ずっと闘い続けていくんだ、前へ向かっていくんだ、っていうの。ファンクラブの名称にもなっている『Dears』がまさしくそうだし……あ、そういえば「君たちの聴きたい曲ばかり」って『Dears』なかったやん。是非是非歌いたかったぞ、一緒に。

 終演は9時半を過ぎていて、去年の『上弦の月』よりも長かった。はずなんだけど、もちろんあっという間で、終わったとたんにもう「あれは現実だったのか?」っていう感じ。もちろん覚えてるんだけど、色々なシーンを断片的に思い出せはするんだけど、なんというか、「嘘みたい」。運動会で、ずーっと練習してきた応援合戦のダンスの出番が来て、肝心の本番中の記憶がトンじゃってる、みたいなさ。「あれ、私ほんとに踊ってた?」っていう。あれは本当に、魔法の時空だねぇ。もしも一瞬一瞬を砂粒に閉じ込めた「時の砂漠」があるとしたら、そこだけ永遠にずっときらめいてるんだろうな。みんなその砂粒の中で永遠にキャーキャー熱狂してるんだよ。ふふふ。

 翌朝ツアーパンフを見ると、これがまたすごかった。雑誌風になってて、広告が入ってるんだけど、「理想の結婚相手を!」って広告、よく見ると女装の茶々さんだったりしてね。新聞のチラシによく入ってる「幸運を呼ぶなんちゃら」のパロディーと、ダイエットならぬ「あなたも理想のデブに!」。YOUさんが見事デブになってらっしゃいます。やめなさいって、ほんとに。どこまでも手を抜かない方達です。表紙をめくるといきなり「ピカット・デイ&ツルット・ナイト」だったりするしなぁ。

 MCでもパンフでも、「ファンやスタッフのおかげ」と口にするガックン(MCではスタッフの一人、“加藤ちゃん”がステージに上げられてました)。どういたしまして、こちらこそ。なんて、まだファン歴たった1年の若輩者が偉そうに言うことじゃないけど、でもたった1年だなんて信じられないくらいたくさん幸せをもらってる。本当に今回も夢のように楽しい最高の時間をプレゼントしてもらいました。ありがとう!!

 ……ああ、横浜アリーナ行きてぇ……。

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