アマ小説家はつらいよ


◆第108回『推しは偉大なり、ひゅうがはヘタレなり』◆ (2022.05)

 えーっと、まず最初に一応新型コロナの状況をメモっておきますね。2022年に入って全国的に第6波?が来て、滋賀も2月には1日の感染者が1000人を突破。最高1300人台まで行ったのかな。それでもまん延防止等重点措置が取られることもなく。ただ「気をつけて過ごしましょう」みたいな……。これを書いている4月中旬現在、1日の感染者数は400~500人程度で高止まり。滋賀県に限っていえば10代以下がけっこう多くて、小さい子とその家族への感染が主なのかなぁ、という印象。まぁ単に年代別の資料を見てそう思ってるだけなので実際のところはわからないけど、小さい子へのワクチンはなかなか浸透しそうにないし、接触を減らすのも難しいだろうから、当面急減することはないような。

 3回目ワクチンはサクッと2月下旬に接種。義母も2月、義父と義妹は3月、そして息子氏も3月末に無事接種。旦那さんも4月下旬の接種を予約済み。幸い我が家はここまで誰も濃厚接触者にもならず無事に来ているので、なんとかこのままcovid-19とは無縁のまま過ごしていきたい。

 旦那さんといえば、この4月に異動になり、10数年ぶりに(12年ぶりくらい?)土日が休みの生活に! と言っても今はまだ引き継ぎやらなんやらで結局ほぼ週休1日なのだけど、10年以上も「土日祝日は出勤」生活を送っていたので、私の方が新しい生活サイクルに慣れない感じ。曜日がわからなくなるというか、日曜ゆっくり寝てるとニチアサに間に合わないというか(笑)。旦那さんが3月まで丸5年通った職場は週休1日、その1日もけっこう潰れて、22時半より早く帰ってくることがほとんどないという超ブラックな環境だったので、今度はちゃんと週に2日休めますように……。

 で。

 今回の本題は『殺し愛』です。

 blogにあれだけ書いて、まだここでも『殺し愛』ネタやるのかよ!と思ったあなた、すごいですね、blogもここも両方読んでくださってるなんて。ありがとうございます。そんなあなたなら、ひゅうがが「何かにハマったらそのことしか考えられなくなる」困った執着気質なのはご存知のはず。ええ、まだまだ『殺し愛』について書くんでございますよ。

 と言っても、さすがに今回はちょっと視点が違います。ここは『アマ小説家はつらいよ』なので、『殺し愛』のおかげで久しぶりに某大河小説の続きを書いた、って話です。すごいね、ほんと“推し”の力はすごい。リャンハさんのことを毎日考えていたら、自分のキャラクターのことを思い出して、「書いてあげたい」って、久々に創作意欲が湧いたんだもの。リャンハさん様々、Fe先生様々です。

 『殺し愛』にハマったツボはいくつかあるわけですけど、やっぱり第一はリャンハさんのキャラクター、そしてシャトーちゃんとの関係性で、本心を見せない凄腕の殺し屋がつれない女の子にちょっかいをかけるっていう、この非日常な恋愛模様がすごく刺さった。「それは本当に恋愛感情なのか?」という、謎めいた部分も含めて。で、私の例の大河小説の金髪凄腕美形キャラのキャラ(いつもながら名前を「キャラ」にしてしまったの、説明する時にすごくややこしい)と、彼にちょっかいをかけられるこちらも凄腕美形男装女子のエリンのことを思い出し、その前の作品のレイとクリスのことも思い出し。

 この2組のカップルは、レイにまったく戦闘能力がないことを除けばほぼ同じというか焼き直しな感じで、我ながらバリエーションがないというか、ほんとにこーゆーのが好きなんだな、と感心するんですが。冷静に考えると女子側がシャトーちゃんとは全然違うし、2人の過去に因縁もないし、結末もたぶん全然違ったものになるだろうけど、ともかく『殺し愛』のおかげで「自分の好き」を再確認して、「書かなきゃ」という気持ちになった。

 思い起こせばレイ×クリスの作品も、大河小説も、GACKTさんにハマって、『MOON』や『Crescent』を浴びるように聞き続けている中で見えてきたお話なので、私は何かにハマらないと書けない人間なのかもしれない。(GACKTさんの具合はその後どうなのだろう……)

 Fe先生がもともとはpixivで描いてらして、「自分が読みたい(見たい)から描いてた」「時系列はめちゃくちゃに、描きたい場面だけ描いてることが多かった」とおっしゃっていることにも共感して、自分も「自分の読みたいものを書いてる人間だった」ことを思い出したんですよね。すっかり忘れがちになってたからなぁ(遠い目)。小説の場合はなかなか「書きたい場面だけ書く」のが難しくて、例の大河小説が中断したままなのも、肝心のキャラ×エリンが当面出てこないせいで……。他の登場人物がメインの部分はほんとモチベーションが上がらない。

 って、もうあれを何かに応募するのはとっくに諦めてるわけだし、それこそ「自分が読みたいから書いてる」だけなので、他のシーンは素っ飛ばして自分の書きたい部分だけ書けばいいのでは?と思ったりもするんですが。つじつまとかもだいぶテキトーになってきてるし、どうせ完成しないのなら(おい、諦めが早いぞ!)キャラ×エリンのとこだけでいいのでは――。

 うーん、でもやっぱりそれってなんか難しくて、「メモ」としては書けても、いきなり「途中」を「小説として」書くの、ハードルが高いんですよねぇ。「イメージ」はあるけど細かいところは書いてみないとわからなくて、「そこへ至る道筋」なしにワープしてしまうと結局細かいところが出現してくれないというか。まぁ、実際チャレンジしたことがほぼないので、やってみたら意外に書けるということもあるのかもしれないんだけど。

 Fe先生はイラストも素敵で、本編では絶対出てこないようなパラレルワールドなリャンハ×シャトーの姿がたくさん見られて楽しいんだけど、これも「絵」と「文章」の違いを大きく感じさせられることの一つ。キャラ×エリンの異世界コスプレとか、脳内イメージでは色々遊んでるけど、そんなの文章で表現できないじゃないですか! 『殺し愛』世界に転生してスーツ姿で銃持ってる姿とか、文章だけで説明しても……。「絵」で表現できる人に生まれたかった、ううう(泣)。

 『殺し愛』は極力モノローグを排した「絵で語るマンガ」で、リャンハさんやシャトーちゃんが何を考えているのか、本当のところ互いをどう思ってるのか、言葉ではほとんど説明されないところがまた魅力なんですよね。キャラクターの内心は、その時々の表情や行動から推し量るしかなくて、だからこそ妄想が捗って、ああかなこうかな、と四六時中リャンハさんのことを考えることになってしまう。「絵」だからこそ、「マンガ」だからこその醍醐味。

 翻って私の書くものは「内心語りまくり」「感情説明過多」なので、もうちょっと控えた方が読者の妄想を刺激できていいのかな、と反省したり。でも「文章」しかないんだから、とにかく言葉で説明しないと伝わらないわけで、表情や仕草を「皮肉っぽく」とか「優しく」とか感情的な言葉抜きで表現するのは私程度のアマチュアには非常に難しい。それに、そもそもが「感情(=妄想)を書きたい」人間だったりはするので、無駄に内心を書きまくってしまうんですよねぇ。衣裳とか風景とか「外側」の描写をもっとしっかり書かないと、と思いはするんだけど、そっちに興味がなさすぎて書けない……。そーゆーとこだぞ、ひゅうが!

 「創作意欲が湧く」だけじゃなくて、こんなふうに自分の書くもの――書き方を振り返るきっかけになるなんて、ほんとに『殺し愛』はすごい

 まぁ、全然持続しなくて、ちょろっと続き書いただけでまたすぐ中断してるんですけどね……ほんとそーゆーとこだぞ、ひゅうが。お相撲見ながら異世界へトリップするのは難しいし、本読んだり映画見たり宝塚行ったりしたらその感想を書くだけで何日もかかるし(言い訳)。昔は夜書いてたりもしたけど、今は夜はストレッチの時間で。ストレッチしながらYouTube等でアニメや特撮を見るのがここ数年の夜のルーチン。なんせあちこち痛いのをだましだまし生きてるわけでねぇ。毎晩ストレッチしてさえ首凝り肩凝りは解消しなくて……。とはいえ、そういうことに時間を取られなかったからと言ってその分執筆するのかと言えばきっとしないんだろうけども。

 今、これを書いている間も『ゴールデンカムイ』全話無料公開に時間を盗まれまくってるわけで。「期間限定」と言われるとねぇ、つい頑張っちゃうよねぇ(もっと違うことをがんばれ定期)。『殺し愛』と『ゴールデンカムイ』はまったく毛色が違うから、これまた色々「創作」について考えさせられるし。あれだけ膨大な資料に裏打ちされた作品を見ると……ほんと、私ごときは「アマチュア」でさえない、ただの「ちょっと文章書くのが好きなだけの赤ん坊」だなと。ううう。ほんと私、資料とか漁らないし、設定テキトーだもんな。

 もはや自分の妄想を形にすることより、こうして他者の素晴らしい作品に浸ることの方が――そちらに時間を振り向ける方が断然有意義なのでは、という気がしてます。人生は短く、読むべき作品は多い。私の頭の中の物語は、書いてあげないとそのまま消えてしまうけど、でもきっと書いても消えるし、どんどん減っていく残り時間を何に使うべきなのか。

 データになってない昔の作品をデータ化しときたい、という気持ちもあるけど、それも「最終的には残らないのでは?むしろ燃えさえしなければ紙の方が残るのでは」と思ったり。いや、うん、自分が生きているうちは読み返したいけど、死んだあとに紙で残っててもなぁ。家族には読んでもらわなくていいし、処分に困られるのも、あっさり捨てられるのもどっちも「なんだかな~」と思うわけで。

 ともあれ、せっかく『殺し愛』のおかげで創作意欲高まったのにちょっと書いただけでまた中断してしまったのはあまりに情けない。せめてもう少し…もう数十行……(目標が小さい)。やっぱもういきなりキャラ×エリンのとこだけ書くべきかな。やってみるべきか。せめて「やってみよう」と思えるうちに――。