応力腐食割れ
応力腐食割れは、ある工業用金属材料が、特定の環境で、引張応力の負荷状態において、一定時間後に割れが生じる現象です。例えば、真鍮部品に引張残留応力が残っているとき、アンモニア雰囲気にさらされると、ある時間たって割れが発生することがあり、シーズンクラックとして恐れられていたこと。オーステナイトステンレス鋼を高温塩化物水溶液で使用すると、引張残留応力によって、無数の亀裂が生じることがあります。これらの現象は、応力腐食割れといいます。
●合金によって、応力腐食割れ(SCC)の生じる環境が異なっています。
例えば、オーステナイト系ステンレス鋼は、塩化物環境でSCCを生じやすく、銅合金は、アンモニアを含む雰囲気では、SCCを生じやすいことはよく知られています。
応力腐食割れは、厳密には、活性経路溶解といって亀裂先端が選択的に溶解していくものと、水素脆化といって吸収された原子状の水素による亀裂発生の二つに分けることができます。
それぞの合金系によって、応力腐食割れの生じやすい環境があります。
炭素鋼の応力腐食割れ
ステンレス鋼の応力腐食割れ
アルミニウム合金の応力腐食割れ
銅合金の応力腐食割れ
チタン合金の応力腐食割れ
ニッケル合金の応力腐食割れ