2000/7/25〜8/3 沖縄本島〜石垣島〜西表島探鳥記


 7/25〜8/3まで沖縄に行ってきた。内訳は7/25〜26は仕事で本島、27〜30が西表島、31が石垣島、で8/1〜3が家族と本島(この間に渡嘉敷島へ1日行く。)
 最初の本島では仕事の合間にちょこちょこっと鳥見。首里城でズアカアオバト(亜種リュウキュウズアカアオバト)を早速見て順調な滑り出し。ここでは小さなイグアナのようなキノボリトカゲもいた。26日早朝、ホテルのまわりでシロガシラ、エリグロアジサシ、リュウキュウツバメ、クロサギ(黒色型)などさすが沖縄という感じ。

【確認種】◎ズアカアオバト(亜種リュウキュウズアカアオバト)、◎シロガシラ、◎エリグロアジサシ、◎リュウキュウツバ、◎クロサギ(黒色型)、メジロ(亜種リュウキュウメジロ)、ヒヨドリ(おそらく亜種リュウキュウヒヨドリ)、キジバト(亜種リュウキュウキジバト)、イソヒヨドリスズメハシブトガラス



 7/26発のフェリーで石垣に渡る予定が台風6号の影響で欠航。急遽、飛行機をおさえその日のうちに西表入りすることにする。しかしフェリー(船中泊)と飛行機+1泊の宿代を比べるとなんと4倍近い出費。ああ悲しい。石垣空港からタクシーで離島桟橋、そのまま西表島の大原港へいく船に乗る。台風の影響かこの船が揺れること。いつもなら35分のところを50分かけて西表に到着した。
 宿は大富にある「南風見荘」。小柄ですらっとした愛想のいい女将さんが仕切っている。「沖縄・離島情報」にはのっていたが「るるぶ」や「まっぷる」にはのっていない観光客向けではない?宿だ。素泊まり\2,000、2食付きで\4,500。6畳の部屋でクーラー、TVはただ。洗濯機も使える。どちらかというと長期滞在者向けのよう。アリやゴキブリ、コオロギ、ヤモリの訪問もあったが、自然を愛するバーダーには問題ないだろう(^^;)。食事は本当に家庭料理という感じで、ボリューム満点。文句なし。それに宿の車が空いていれば燃料代だけで使わせてくれ、私は2日半お世話になり非常に助かった。西表島には5泊したが見た種ごとに書いていくことにする。

カンムリワシ
 まあ西表に行ってこれを見ずに帰ってきたら、何しに行って来たの?と言われかねないので絶対押さえたいターゲットであった。4日あるので大丈夫だろうとは思っていた。
 27日の夕方、大富の農地のはずれにある展望台(ここからは仲間川沿いにひろがるマングローブ林が見渡せる。まるでジュラシックパークにでてくる風景のようで非常に気に入った場所。でも本当は展望台ではなく、畑仕事をしている人の休憩施設。)で見ていると、すぐ近くから飛び立ち山の向こうに消えていく鳥影。カンムリワシだ。山を大きく回り込んで高度を上げ旋回した。翼のストライプが美しい。それからしばらくして農地の端の木にとまる成鳥を見つけるが、葉に隠れて顔だけが見えない。くそーと思っているうちに姿を消した。
 次の出会いは28日朝。大富林道を進み、亜熱帯観察林を過ぎたところに上水道の施設がある。その貯水槽のへりにとまっていた。双眼鏡で全身ばっちり。きれいな成鳥であった。このとき初めて見たという実感をもてた。その日の昼過ぎ、赤離を過ぎたあたりの小さな水田で畦に降りている亜成鳥を見る。
 29日の朝、夜が明け始めた頃車で走ると道沿いで次々と出会う。古見から大富にかけて3羽いた。道でひかれたカエルやヘビをねらっているようだ。この日は白浜の林道でも上空を旋回する個体に出会った。夕方、大原の道路脇の畑を耕耘機で耕している横にカンムリワシ成鳥。アマサギのように、ひっくり返された土から飛び出す小動物を待っているようだ。車から5mと離れていないのに平然ととまっている。双眼鏡でも全身どアップ。
 30日、美多良の水田横の木に真っ白な幼鳥を見つける。成鳥よりもきれいと思うのだけど。
 31日朝、大富の展望台へ。遠くの畑わきにとまる成鳥、最初の日に見た木(顔がみえなかったやつ)にも。最後の最後にも出てきてくれた。
 十二分にカンムリワシを堪能できた。感じとして採餌習性はサシバとトビの中間くらいか。結構な割合で死体も食べているようだ。

アカショウビン(亜種リュウキュウアカショウビン)
 いるのはわかっていたけれど、これほどまでにいるとは予想以上。六甲山でオオルリを見るより簡単。最初、27日の早朝大富の農地脇の林縁に出てきた姿を見たときは感激した。大富林道では2羽の巣立ちビナにも出会った。

ムラサキサギ
 27日の朝、大富の農地で成鳥を見た。その他潮の引いた干潟、川などで若鳥を含め毎日出会った。

シロハラクイナ
 いくらでもいると聞いていたが、本当にあちこちで見かけた。真っ黒なヒナをつれた親子にも2カ所で会えた。

リュウキュウコノハズク
 夜もほとんど毎日走り回った。アオバズクとリュウキュウコノハズクが電柱のあちこちにとまっているのにはおどろいた。以外と低いところにとまっていて、懐中電灯で照らしても逃げずじっくり見ることができた。

○ズアカアオバト(亜種チュウダイズアカアオバト)
 キジバトと並ぶくらい見られ、電線にとまっていることも多い。声はアオバトに似ているが少し違っていた。

キンバト
 難しいかなーと思っていたが、28日早朝、大富林道で車の前でヒョコヒョコ歩いて採餌しているのを発見。とてもきれいな雄であった。30日、この林道を展望台まで歩いたときに羽を5〜6枚まとめて拾う。いいおみやげができた。

リュウキュウヨシゴイ
 28日早朝あけやらぬころ、大原の車道脇で発見。目を見てリュウキュウヨシゴイであることを確認。

ズグロミゾゴイ
 Birderにものっていた祖内の集落を歩き回るが出会えず。白浜の林道で羽を拾ったので30日夜に勝負をかける。宿からは片道1時間。林道では出会えず、すぐ横、美多良の水田へ。車で入ったらちょっとやばいかなーというくらいの農道へつっこみ、田んぼの中にいる成鳥を発見。

ミフウズラ
 27日の昼前、あまり期待もせず大富の農地を車でうろうろする。すると目の前をヒョコヒョコ横断するちっちゃな鳥。もうちょっとじっくり見たかった。次の機会に期待。

サンショウクイ(亜種リュウキュウサンショウクイ)
 ピリリ、ピリリの声はこちらで見る亜種と同じ。数は圧倒的にたくさんいた。

ゴイサギ(若鳥)
 27日夜、雨上がりの夜道を車で走っていると目の前にサギ。ズグロミゾゴイと喜んだがよく見るとゴイサギ若鳥でがっかり。よほどおどろいたのか、目の前でグエッと食べたばかりのカエルを2匹吐き出し、ブッと糞をして飛び去った。


【その他確認種】ハシブトガラス(亜種オサハシブトガラス)、ヒヨドリ(亜種イシガキヒヨドリ)、キジバト(亜種リュウキュウキジバト)、シジュウカラ(亜種イシガキシジュウカラ)、スズメ、セッカ、メジロ(亜種リュウキュウメジロ)、キビタキ(亜種リュウキュウキビタキ)、キョウジョシギキアシシギイソシギアオアシシギコサギコアジサシコアオアシシギチュウシャクシギイソシギシロチドリツミ(亜種リュウキュウツミ)、アオバズクサンコウチョウ(亜種リュウキュウサンコウチョウ)、ミサゴチュウサギバンヤツガシラアマサギ、クロサギ、タカブシギダイサギ、◎カツオドリ、エリグロアジサシ、カワセミカルガモヒバリシギコゲラ(亜種オリイコゲラ)

※その他の生き物
○サキシマハブ
 本島のハブにくらべると毒は弱いらしい。夜、車で走ると路上に結構出てきていた。夜道を歩くのはやはり注意がいるようだ。

○セマルハコガメ
 3カ所くらいで見た。白浜の林道で捕まえて持ち上げてみたらピタッと閉じて入ってしまった。もちろんすぐ放しました。

○ヤエヤマオオコウモリ
 豊原でギンネムの木にとまっているところを見た。昼間、白浜の林道で飛び立ったのを見たときは、まず鳥と思い見るとコウモリの形。おどろくほど大きい。

○ヤシガニ
 夜、車道を横断している幅30pもあろうかという個体を見た。恐れ多くてそのまま見送ったが、翌日宿で話すと「もったいない。捕まえてきたらおいしいのに。」といわれた。

○ミナミコメツキガニ
 TVで見たとおり。すごい数が群れている。

○その他、キノボリトカゲ、モリバッタ、オオゴマダラ、リュウキュウアサギマダラ、スジグロカバマダラ、サキシマヒラタクワガタ(7pはあろうかという大物。でも死体)など、本土にはいない生き物たちを見ることができた。でもイリオモテヤマネコには会えず。イリオモテイエネコやイリオモテノラネコにはよく出会いました。(^^;)



 7/31朝1番の船で石垣へ。レンタカーでまわる。途中から大雨で特に収穫もなし。ただ新川川沿いの水田はシギ・チが結構入っていました。

【確認種】タカブシギ200+、アオアシシギ、アカアシシギ4、トウネンサルハマシギ2、ハマシギ、ヒバリシギ、イソシギ、コチドリ、バン、アオサギ、ムラサキサギ若1、コサギ


 夕方から本島へわたり、家族と合流。残っていた◎ベニアジサシを雨の万座毛で見る。
 8月としては史上最低の最高気温という避暑地の沖縄を味わってきました。渡嘉敷島でのシュノーケリングは感動物の体験でした。バードウォッチングに通ずるおもしろさがありますね。帰りのJASのエアバスは気圧変化が激しく閉口。無事、伊丹について旅行はおしまい。


◎は初めて見る種、確認種数56種+未確認2種(ツバメsp、セグロアジサシorマミジロアジサシ)