石くど古墳(熊谷)
 丹波の石舞台として親しまれている石くど古墳の石室の長さは、巨大な天井石が2個乗っている部分で約4m、天井石が取り除かれている部分を羨道部とすれば、その長さは約5mあります。

 また、無袖式の石室で、外側の高さが3mあります。詳しく調査をされたことがなく、出土遺物についての伝承記録もありません。ただ、1977年に行われた範囲確認調査によって、周濠をもっていないということが確認されています。

 江戸時代の宝永年間(1704〜1711)の記録によると、天正(1573〜1592)の頃、ここを樫木(かたぎ)の森と呼んでいたようです。近年にはこのあたりを森上の坪、森下の坪と呼んでいるそうです。ここから大きな古墳であったことが想像できます。

参考文献
亥野彊 「丹波地方における古墳文化の諸相」 『史泉』 第五十号 関西大学史学会 1975年