
〈桐蔭中学校高等学校平成20年度入学式でのPTA会長祝辞〉
3月3日ひな祭りの日に317名の卒業生をお見送りして寂しい思いをしておりましたが、花祭りの今日4月8日、桐蔭中学校・桐蔭高校併せて360名の新入生の皆様をお迎えすることができました。今年の桐蔭は、中学校は言うに及ばず、入試制度の変更により高校もずいぶん難関であったとお聞きしております。難関を突破して、ようこそこの桐蔭へお越し下さいました!
桐蔭高校は昭和23年に開校して60年目の春を迎え、その前身である和歌山中学校から数えますと、来年度には創立130周年の大きな節目を迎えようとしております。
皆様をお迎えしているこの体育館兼講堂も伝統の重みに耐えかねている感があります。先日、県教育委員会の施設課にお尋ねしましたところ、昭和43年2月の竣工とのことです。竣工の翌月、真新しい講堂で卒業式を挙行され、巣立っていかれたのが先ほど式辞を述べられた小川校長先生、そしてその翌月に入学してきたのが私でした。ちょうど40年前のことです。
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このあいだ初対面の方と、同い年であるというだけで意気投合して小一時間話が弾みました。皆さんは同い年であるだけでなく、これから同じこの桐蔭で共に学ぶのです。どうか友情を大切に育てて下さい。
さて40年前の同級生の一人に、吉川君という大柄な会社の社長さんがおります。先日、当時の想い出話に花を咲かせましたおりに、こんなことを言い出しました。
「実は高校時代、僕は四つ葉のクローバーの収集家だったのだ。桐蔭の中庭はあの頃、四つ葉のクローバーの宝庫だった。」
四つ葉のクローバーは幸福のシンボル。それを見つけると幸せな気持ちになりますよね。吉川君の言うところでは、どんなにたくさんクローバーが生い茂っていても、見つからない場所には全くないのだそうです。
では四つ葉のクローバーはどのような条件でできるものなのでしょうか? ある植物学者がこのテーマで研究したそうです。まず予測を立てました。太陽がさんさんとふりそそぐ場所もしくは土の栄養が十二分に足りている場所か? 研究の結果は予想外でした。
「人に踏まれやすい場所にあるクローバーに四つ葉が出現しやすい。」
葉は植物にとって光合成や呼吸作用を営む大切な部分です。そこに傷がつくと支障をきたします。そこで少々踏まれてもよいように予備の葉を出している、ということらしいのです。踏まれてもめげることなく、機能を全うするために余分に葉を出す四つ葉のクローバーの生命力に、私たちは幸福を感じるのかも知れません。もしくは「逆境の中で向上心を失わない者が、人に幸福を与えることができる」ということでしょうか…。
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さて、これから6年間、または3年間、桐蔭で過ごされる学びとコミュニケーションの日々が有意義なものとなりますように、今から呪文の言葉を授けましょう。ジュモンというとなにやら非科学的ですが、このジュモンはきっと効くと思いますよ。それは「ちちんぷいぷい」です!
一見、子供だましのようなこのおまじないの文句、実はたいへん深い意味が込められています。まずは「ちちんぷいぷい」の「ち」、これは「智慧」の「智」、学問を究めることです。次の「ちん」は実は「ちん」ではなくて「じん」、仁愛の「仁」で、思いやりを意味します。「ぷい」の「ぷ」は「ぶ」で武士の「武」、これは技芸を極める、という意味があります。桐蔭にはいにしえより「文武両道」というモットーがあります。「文」と「武」は「ちちんぷい」の「智」と「武」に一致しますが、それらが「仁」で結ばれているところが重要です。他者に対する深い人間愛が文武の底にあれば、そこにおのずと品格・風格が備わります。それこそが「ちちんぷい」締めくくりの「い」、威風堂々とか威厳の「威」です。
これから始まる桐蔭生活が「智仁武威」のジュモン通りの、実り多いものとなりますよう心からお祈り致しまして、お祝いの言葉と致します。
ご入学、おめでとうございます!