初めての釣り場でのポイント探しは?


(その1)

それは、主に経験がものを言うかもしれない。
でも、その考え方や行動(?)は、これから魚釣りをしようとする人の
ためには、参考になるかもしれない。
あまり自慢話にならない様に注意してここに記すことにする。

それは、ある盆休みでの事。
I君の紹介ポイントへ。このI君普段は釣りはしないそうで、
そのポイントは何が釣れるかよくわからない。
「港があって波止はあります」との事。
でその他は一切情報無し。

これだけの情報で、餌から仕掛け、竿など全て決めて持っていく物を
決定しなければならなりません。
まず、時期が「お盆」という事。
この時期なら、この地方は「鯵(アジ)」が回ってきて
「サビキ仕掛け」が使えるはずです。
幸いにも「波止はあるとの事」。「サビキで鯵狙い」が有望と判断しました。

前の日に作者の住む、近くの波止へ「鯵」の釣れ具合をチェックに出かけました。
I君の言っているポイント(波止)は、「作者の住む近くのポイント」より、
鯵の回遊が早く、時期的に鯵が早く釣れ出す場所にあたります。
「作者の住む近くのポイント」で釣れるのならまず「鯵」は間違いなく
釣れるでしょう。
で「鯵」の釣れ具合は、と言うと、まずまずでした。
これなら「サビキ」は決定と見て良いでしょう。

次に、サビキの仕掛けにもいろいろ有って、浮をつけて遠くの
ポイントを狙う事も考えられますので、どうにでも対応できる様に
道具(浮き)を増やします。

さて、サビキという思惑が外れた場合とか、サビキばかりでは
飽きる場合の事も考慮します。
何せ、メンバ−はたまにしか釣りをしない者ばっか。
何も釣れなくて、飽きてしまって「釣りが嫌いに」なる事は不本意です。
飽きさせない様にすることが大切。
で「波止の縁を狙う、胴突き仕掛け」を加える事にしました、
餌はシラサエビが必要ですので、ブクブクも用意に加えます。

一人は「投げ釣りをする」とも言ってましたので青ムシも必要です。
この青ムシは、「胴突き仕掛け」に使っても構いません。

これで道具と餌が決まりました。
1.サビキ用の長さ4〜5m用の竿先の柔らかい竿1本
2.胴突き仕掛け用の長さ2m程度の竿1本
3.投げ用の長さ4m程度の竿2本と竿立て
4.仕掛けは各仕掛けを、人数×2セット以上
  特にサビキ仕掛けは、おまつりや根掛かりを考慮し多めに用意
5.シラサエビ用のブクブクと青ムシ用の蟹桶
  (この蟹桶は青ムシを元気に生かしておくため)
が主な物と決定。

さて、当日ポイントにつくとI君は
「昨日、あちらの波止に人が一杯いて、サビキ釣りをしていた」との情報提供。
早速その波止の先端へ行く事に決定。
サビキ釣りは往々にして、波止の先端が良く釣れるというのが作者の経験。

サビキ仕掛けを慌ててセットし第一投と言うより、波止の縁に落としました。
少々焦ってます。早く1匹目を釣ってI君達にも釣らせなければ・・・
今日1日の運命がこの一投にかかってそうで緊張します。

でも、この時は第一投ですぐ諦めました。
何故かって言うと、流れが速すぎます。
これでは、餌も流れてしまうし、鯵も滅多に釣れるものではありません。

そこで波止の先端を回って汐留を探しにかかります。
そうすると、波止の先端から5〜10m移動したところに良い場所を見つけました。
仕掛けを投入し、底を少し切ったところから探り始めます。
アタリが有った様な気がしました。

餌を追加し第2投目辺りでフグが釣れました。
ちょっとがっかりでした。

「フグが釣れる様では、鯵はダメか?」これも、経験から!
でも、諦めずに少しづつ場所や深さをずらしながら探って行くうちに
やっと最初の鯵が釣れました。ホッとした瞬間です。
あとは、鯵が釣れたところを集中して探ればいいわけで。
鯵は群れでいるので、群れさえ移動してしまわなければ幾らでも釣れるはずです。
I君達を早速呼んで、ここに集めます。
サビキ釣りは群れを集めて、餌で狂わせ、群れの移動を止めます。
そのため、できるだけ集まって餌を集中させないと、群れがバラバラになります。
最初はぎこちなかったものの、ようやく彼らも覚えたと見えて
ポツポツ釣り始めました(釣れ始めた)。
そのうちに 
「三番叟」が釣れ始めました。
(雄と雌がそれぞれ釣れましたが、I君達には黙ってました。
 見分けがちょっと難しいので!)

*さんば‐そう【三番叟】
 能の「翁オキナ」に出る狂言方の役。と辞書に載ってるが、実は石鯛の子供の事。
 何故このようなあだ名がついたかと言うと、この狂言の演者が被る帽子から。
 絵で描くと下記の様な物。この真横に走る黒いラインが似ていると言うので
 このあだ名がついた。と言うのが一般的な考え方。
どうやら、サビキで鯵釣りが面白くなった様で、
ひとまず安心しました。
これで、作者の役目は終わった。あとは放っておいても・・
さて、今度は次のポイントの準備です。
実は、このあと船で島へ渡って、
じっくり腰を落ち着けて釣りをする事になっています。

船の着く時刻の20分前にここでの道具を
仕舞うように案内をしたが、案外手間取って
道具を仕舞って出船場へ向かい始めたのは、8分前。
ちょっと焦りました。

この船を逃すと、後は1時間後か?急いで急いで小走りになりました。
結局乗れたのだが、出船を少し遅らせてしまった。
ロ−カルの船(ゴメン)故か、作者達が焦って、釣り道具を抱えて行くと、
乗務員さんが待っていてくれました。船が一度出かけたのを戻してくれて、そこに
飛び乗った次第。この時は本当に、申し訳の無い事をしてしまいました。


(その2)

船が島へ近づく頃から又、作者の仕事が始まりました。
ポイント探しです。
「波止で」と決めていました。
船が港に着く直前に波止の先端で釣りをしている7〜8人の人達を発見。
ポイントはそこに決定。
初めての場所で、誰も釣りをしていないところは、まず釣れないと思って
良いでしょう。
サビキ、胴突き仕掛け、投げ等の初心者用ではまず無理と思って良いでしょう。
熟知しているポイントで誰も釣りをしていなければラッキ−と思えば良いの
ですが。

船から降りて、さっきの波止の先端に誘導し邪魔にならない手前で
道具を降ろし、基地を作りました。
先人達の釣りの状況をまず確認。
近くで、浮き釣りをしているが、竿は置きっぱなしで当人は
ぼぅ−っとしている、まるで緊張感が無い。
これは頻繁にアタリの無い事を示しています。

「こりゃあ浮き釣りはダメだな」
投げも見あたりません。
次に波止の先端から湾内に向かってサビキを遠投(10m程度か)
している御仁がいました。
しばし眺めていると、そのサビキに鯵が鈴なりになって上がってきました。

「こりゃあ、ここでもサビキか?」早速調査。
こちらもサビキ仕掛けを用意し、近くへ寄っていきました。
波止の縁は「スズメ鯛の子供」が群れている。所謂「餌取り」です。
「これはだめだ、近くじゃ鯵は無理だ」と判断しました。
(この餌取りの大群では、アミエビが鯵の群れに到達する迄に食われてしまう)

サビキ仕掛けに「浮き」をつけてこちらも真似をして
サビキ仕掛けの遠投に切り換えました。
浮きでのサビキ釣りの場合深さの設定が難しいが、今までの経験で
サビキ仕掛けから1〜1.5m上に浮きを固定と決定。
(作者の経験では、この深さが一番無難な設定だ)

先達の邪魔にならない場所に遠投し、しゃくりをかけて網かごの中の
アミエビを撒くと、早速アタリです。
巻き上げると、10cmぐらいの鯵が2匹。「よっしゃ!」で一安心。
まずはここでの釣り方を1つ見つけました。
I君達はと見るとどうやら「投げ釣り」をしている様です。
そこへこの釣れた鯵を持っていってこっちへ誘ってやろう。
釣れた魚を見せてやれば、さのうちこちらへくるだろう。
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結局魚を見せてから、しばらくするとI君達は来ました。
投げ釣りは、根気の要る釣りでキス釣りの様に「引き釣り」をしない限り
サビキ釣りの様な即効性の釣りより忍耐力がいる
(もっとも、釣れればそれはそれでもいいが)。

今度はサビキ以外の釣りも試してレパ−トリ−を拡げる事にしました。
胴突き仕掛けにシラサエビで波止の縁に落としました。
この釣りの基本は、底から10〜15cm切ることです。
(底から10〜15cm上で固定する)

いきなりタナゴがかかりました。
これで、釣り師の仕事は終わったな」と思った瞬間だった!
サビキか胴突き仕掛けの2通りなら充分退屈しないで1日中遊べるはずです。
後は、こっちも遊ばして頂きます。

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暑いお盆の事。日中の最高気温35〜36゚Cの中での魚釣り。
炎天下では、中年のおじさんならまいってしまうので、持参した
パラソルの中に避難するが、I君達は元気なもので
「ここをもっと日焼けした方が・・・」なんてご感想。
全くこの若さには、中年釣り師は全くお手上げだ!

結局

鯵・鰯・三番叟・サヨリ・丸ハゲ・ベラ・スズメ鯛の子供(餌取り)
名称不明の魚多数の釣果で合計100匹弱の釣果で納竿。
1日中遊んで、結構な釣行でした。

I君達よまた、行こうぜ!
今度は、投げ釣りでカレイ狙いだ。そして、 段々我慢ができる様になってから
チヌ釣りだ!


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