第一話  タイヤチェ−ンってほったらかしてませんか?


正月に家族(と言うより一族)で旅行しようと言う事になった。
目的地もそうだが道中の雪が心配で、チェ−ンを用意!
確か、去年のがガレ−ジの奥にあった事を思い出した。
ゴソゴソ探しだし、蓋を開けたとたんに

「アイヤ!」じゃなくて「あ〜い〜や♪」って叫んでしまった。
家内が「あっはははは・・なに?それ・・いや〜ん!錆錆やん。
 もうあかんのとちゃう」

「あ〜い〜や♪ってしらんか? 

ミスハワイ・暁伸っておったやろ。
♪これはすてきだちょいとイカす〜・・
♪って歌ってたやろ。
 ♪・・っあ! ねぐらへ向かうダンプカ−♪」

「そんなん知らんわ。そんな事いうてんのと違う。
 そのチェ−ン、もうダメなんと違う」


「う〜ん・・」

チェ−ンの入ったプラスチックケ−スの中は、見るもおぞましく、
あきれる事になっていた。
チェ−ンは赤錆が浮いてボロボロになっており、
その上に軍手らしきものがあるが、カビの白い花で覆い尽くされていた。


それにケ−スの内側には名残とも思える水滴がびっしりと。

最近のチェ−ンはプラスチックの入れ物に入っていて密封性が良い。
水分(雪分かな?)が蒸発しないのでそのままだ。
これでは、
鉄十字軍水軍に好き放題に攻められ、援軍もないままに、
なすすべもなく惨敗である。
何年か前はダンボ−ル箱に入っていて、一冬使ったチェ−ンを
しまうとダンボ−ルの何処かに穴が空いたり、ボロボロになって
水分なんて夏になったら乾燥してしまっていたものだが・・?

とりあえず、ケ−スから出そうとして、軍手に似たものを
引っ張り出し(放り捨て)、次にチェ−ンを掴み上げようとした。

「あ〜い〜や♪」

「もぅ、ええって!」
何と、ケ−スまで持ち上がってきた。
チェ−ンが錆で固まってしまい、そのままケ−スごと持ち上がったのだ。

「アイヤ!こんなん初めてや」

「あっはははは、もうあかんわそれ・・旅行までに新しいの買ってよ!
 今からやったらまだまにあうわ」

「なんの、大丈夫や!」と頑張った声も途中で力が無くなった。
強引にケ−スから引っ張り出したとたんに、なにやらパ−ツがポロッ!

「アッ、固定金具が外れた(と言うより錆で朽ち落ちた)!」


無理してチェ−ンを延ばしてみた。何とかなりそうだが
固定金具が壊れたんでは・・・・・ダメか!
それに、こんなポロポロじゃあ何時切れるか。
と言う次第で大急ぎにオ−トバックスへ突入。
なんと大晦日に¥14,000強の出費となってしまった。
(225/80 SR15じゃから高いわ!)

「なあ!去年カニスキに行った時、チェ−ン使ったっけ?覚えナインやけんど!」

「いいや、去年じゃなく今年!3月やったからチェ−ン使ってない。
 もう1シ−ズン前とちゃう?」

「なに!2シ−ズン前ってか?」

う〜ん!
皆様に忠告。チェ−ンは春になったら一度で良いから、干しましょう。

(第一話 完)


第二話  アルコ−ル切れにはご注意を!


大晦日は自宅で夜遅くまで飲んだくれていても大目に見てくれる日。
年越しソバとハムでビ−ルと酎ハイを各1本づつ片づけて、
あとはテレビでも見ながらゆっくりと「飲むか!」と思っていた。
ビ−ルや酎ハイは腹が張るので、昨年より「熟成」させていた
「ワイン」の栓を開けた。

「ちょっと、飲ませて!・・・ワインってこんなの?」

「どれ?・・なんやこれ?アルコ−ルが抜けてるんとちゃうか?」

日本の風土では熟成は期待しないで。
 買ってきたワインは1年以内に飲んでしまって下さい。」
って
ホテル!(^_-)!のソムリエ先生が言ってた事を思い出した。
何でも
「ワインは、湿度の少ない過酷な気象条件でしか熟成保存できない。
 日本のような、湿度の多い恵まれた環境では熟成が進みすぎて
 保存は効かない」と言う事だったように思う。

「これ、酢になってんのと違うか?」とは思ったが
アルコ−ル度の高い飲み物はこれしかない。
2杯まで我慢して飲んでいた。

「う〜ん!・・どうも
遺憾(?)な。こりゃぁダメや。
 ウイスキ−でも買ってこよう!」
と、防寒着を着込んで、愛車の「電動自転車」
ラク−ンに跨り酒屋を目指した。時間は20時30分。

「ありゃゃ!バッテリ−切れや!!えらい
重たい思ったら
 ・・ちっとも
楽〜ンや無いで!」
ギヤを低速に切り換えてまずは、セブンイレブンへ

「あちゃ−ここは酒類は無しか」
次は、個人商店の「・・酒店」へ

「ありゃりゃゃ・・もう閉店やがな・・しようがない、
 ちょっと遠いけど、明姫幹線沿いに確か、洋酒屋があったはず」
と重い電動自転車でひたすら「洋酒屋」を目指します。
1km近くはあったでしょうか、ひたすら「酒」のためと
ペダルをこぎ始めました。
確か、看板にネオン、チッカチッカだから遅くまで開いているはず
と言うより「どうぞ開いててくれ」と祈るような気持ちでした。
(^_^;)
こんなに探し回って閉店だったら恨むで〜!!
身体は、思わぬ運動にカッカとしてきて寒さなんぞ感じなくなっています。

「絶対開いてる。絶対開いてる・・・」と念仏みたいにぶつぶつと・・
2〜3人にすれ違いましたが、何故か避けられた様な感じ・・?
ようやく「洋酒屋」が見えるところまで来た時
なぬ!閉まってるのか?・・・あっ!いやココは裏や、表に回ってと・・」

ピンポ〜ン!(^o^)
開いてて良かった・〜ソン。(*^_^*)

お店の人はビックリしたでしょうね。
21時近くに帽子を被ったおっさんが一人、ハ−ハ−言いながら汗をかいて

「ウイスキ−くれ!」ってお店に飛び込んだものだから。
アル中患者と間違えられたかな?
ここは主にワインのお店。
ウイスキ−はお店の隅っこにひっそりと陳列されていましたが
それでも目指すウイスキ−に
面会できてやれやれです。
ココまで来たらちょっと
かっこ(?)をつけて、
と言うか呼吸を整えて、かつての飲み慣れた一品

「カナディアン・クラブはありますか」って言ってしまった。
リザ−ブやVSOPなんぞよりマニアックで飲みやすい一品です。
¥1,500だから手頃ですよね。
帰り道はウキウキ気分でした。
ウイスキ−を探し求めて町内のほぼ端から端へ。
やっと巡り会えた「ウイスキ−」は荷台のボックスに入ってます。
バッテリ−切れの、電動自転車の重たさなんぞもなんのその!

あぁぁ・・俺はアルコ−ル依存症か?と思いながらの帰宅。
と言うより、獲物をひっさげての凱旋か?

「何処へ行ってたの?」

「あぁぁ・・ちょっと病気で(^^;)・・
を買いにね」

「ウイスキ−?」

ばれてら!
(-_-;)

でロックで3杯やっつけました。ほろ酔い気分の年越しでした。

皆さん、アルコ−ル切れにはご注意を!

(第二話 完)


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