誘ったのだからボウズは可哀想になって・・・つい!


それは、チヌ釣りの楽しさを教えてあげたくて・・・・誘って釣行した11月の事。

 しばらく、落とし込みから遠ざかっていたのですが、あるきっかけで戻って来ました。

 ホ−ムにしていたポイントの近くに「○○埠頭」ってのができて、

一般の人でも車で乗り入れ可。

地続きで歩いていける様になったホ−ムは、○○会社の人が

見逃してくれん様になって、全てシャットアウト。

 んでもって「もう落とし込みは、卒業しよう」とばかりに遊んでた。

波止でガシラやメバル、アジにイワシに・・・・って。

それが、小物釣りの釣友があんまり「チヌ、チヌ・・」って言うもんで

「そんなに言うんなら、釣れるポイントへ案内してあげよう」ってんで今回の

釣行とあいなった。

「あんまり、入れ込むなよ。最初はボウズやから」

「40cmオ−バ−釣れたらどないしょ。タモですくってや!」

「何や!最初から釣るつもりかいな」

船は6時ではなく7時が良いとのご希望に従い、集合場所へ

「餌は買ったん?」

「買ったよ!マムシも¥500分ね」

何を釣るつもりや! チヌはマムシでは釣れんぜ〜_(_^_)_

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 渡船場は休日とあって車で一杯。でも先着の皆様方は6時の船に御乗船とあって

7時の船は比較的空いていた。

渡った○○の波止は、20人くらい先客がおいでです。

仕掛けを用意しますが、釣友はなにやら浮き仕掛けを・・・

「何か釣れるやろ、竿は多めに持ってきたから」

浮き釣りに胴突き仕掛け、それに探り釣り用の合計3本で釣りを始めました。

そんなんじゃあチヌは釣れないよ”とは思ったが、

「さぁ、チヌを釣るで!」と張り切っておいでですので、まぁお好きに・・・

「もっと西の方にシモリがある。其処ならガシラやアブラメがおるで」

「いや、ここでええねん。ここでチヌを釣るねん」とまあ、

こんな調子で釣りをしていますので、”ご勝手に”とばかりに

放置して差し上げました。

こっちは、久しぶりの落とし込みですので、少し真剣になってます。

蟹だけでは心許なく、イ貝を現場で徴収し餌に加えます。

「餌も、タダで釣ろうってか!やらしいなぁ」

「違うよ。チヌはここのイ貝を食いに来る。だからここのイ貝が餌には一番
 いいんだよ」

「ほな、1つ貰おか!」と一番おおきなのを一つ取ったかと思うと、

胴突き仕掛けにつけて投入し「チヌちゃん!早く噛み噛み(ハミハミ)しなさい」

だって。

こりゃあ放って置くしかないと、こちらは落とし込みに掛かります。

久しぶりです、感覚が甦ってきます。

 やはり海は、最高ですね。潮風に吹かれて海をみつめていると・・

嫌な事を全て忘れて・・・・完全リフレッシュ!!です(^o^)。

ホントに、潮風っていいなぁ〜・・・ってその潮風が段々ひどくなって

風裏でないと釣りにならなくなってきました。

 その中でも、目の前で落とし込みの先輩方が大物を釣り上げていらっしゃいます。

こちらも頑張って・・・でもアタリがありません。(-_-;)

「どない?釣れた?」

「あかん!マムシがそのまま上がってきよる。シラサもそのままや。チヌはおらんで」 

「そやから、あっちのシモリのあるとこに移ったら?」

「いや、ここでええ!」・・・・・ったく、頑固やなぁ。

でも、強い潮風に吹かれている姿を見て、何だか可哀想になってきました。

¥1,500も出して渡船で渡った波止。挙げ句の果てにボウズ!(としたら)

「よし、チヌを釣ってオミヤ(おみやげ)にしてやるか!!!(^^)!」と奮起!!

しかしながら、そんな簡単には釣れませんよね。

「ほら、アソコで掛けてるで!???ありゅあ40cm超えてるで」

「でっかいなぁ」

「釣れたらおみやげに持って帰り!」

「釣れるんかいなぁ」

「釣れたら!・・や!」

焦ってもどうしよう無く、こりゃあボウズかなとあきらめかけた時・・・

ビクン!とアタリが・・そりゃあ!と気合で合わせました・・・グググッ−・・・

「よっしゃあ・・・やっとや v(^_^)v おみやげができたで・・・・」

最初こそ、チヌ独特のアタリで引き込んでいたのに、意外に簡単に上がって来ました。

「んりゃりゃ!何じゃそら・・・小さいなぁ小チヌやわ(-_-;)」

タモを用意するまでも無く、抜きあげて波止の上に。

「25cmくらいしか無いで。放流サイズやな・・・いや待てよ、
 これ小さいけど、彼奴におみやげにあげよう!
 このくらいやったら、塩焼きにしたら旨いで・・・彼奴一人やし」

探りながらだいぶ歩いて来ましたので、釣友からはかなり離れています。

ようやく辿り着いて

「ほら、これ小さいけど持って帰り。塩焼きにしたら旨いで。
 俺が持って帰ったら30cm以下やから、きまりにより仲間うちから破門されるわ」

「ええんか!ほう、チヌやんか。やっぱり上手いんやなぁ」

変に感心されてしまった。

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その後は釣果無く、小チヌ1匹の釣果で引き上げましたが、作者自身はリフレッシュでき

満足しています。

チヌをあげた釣友から「チヌありがとね。塩焼きは旨いわ!」のメ−ルが届きました。

もう、チヌ釣りは懲りたかな?と思っていましたが、その釣友が

「落とし込み用の竿とリ−ルとタモやけど1万円くらいあったら揃えられる?」

「えっ!本気か?する気になったん?」

「あぁ、するで。今までチヌって釣れるとは思ってなかった。でも目の前であんなに
 大きなチヌ釣るのを見て、釣れるんやって思った。人に釣れて俺に釣れんわけない!」

「本気かいな! それやったら1万円じゃ足らん!専用の竿だけでも2万円はするで。
 ・・・・(苦渋の決断でしたが)本気やったら、私の竿1本やるわ。あんまし使わない
 のが1本あるから、その代わり、リ−ルとタモは自分で用意しいや」

「えっ! 竿くれるの?使うんやろ」

「いや、いいわあげるわ。長さが合わんねん。ズ−ムやから便利やで。
 2万円超の軽い竿やから大切にしてや!リ−ルとタモだけやったら1万円でいいから
 それに、釣り方は1から全部おせたる(教えたる)」

と大変な事になってきました。(釣友が本気でしたから)

 その釣友は、リ−ルとタモを1万1千円で購入し、次の行く機会を楽しみにしています。

その日に、大物チヌを釣るつもりになってます。

 これから教える、アタリの取り方、チヌとのやりとりの仕方、タモ入れの仕方など

全て一日で覚えられるはずがありません。

 普通は数ヶ月ボウズを続けながら覚えて行く事を、一切無視して大物チヌを釣る

つもりです。

 まぁ、現実を見つめて頂きましょうか。(~o~)

それとも、滅多にないビギナ−ズラックにでも期待致しましょうか!!


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