第9章  キビレにハネ、釣り上げたチヌは持ち帰り

    サイズ以下・・ああ我が愛しのチヌよ〜!


7月の釣行は、チヌの産卵期(喰い荒れる時)をとっくに

過ぎ、餌を喰い渋る日もあり、餌の選択、ポイント、の

読みを間違えればボウズ間違いなしの厳しい季節です。

又、夏も本格的になり、暑さも応えます。

水分補給が大切ですので、スポ−ツ飲料や水は

絶対に忘れない様に持参しましょう。

この日は久しぶりの釣行とあって、少し悩みました。

何がって?

餌は「カニ」で攻めるべきか??「イ貝」に

すべきか?? をです。

(ポイントは理解していますので)


チヌ釣りの大事な要素ですし、1つでも外せば

ボウズですからね。


いつもの渡船に飛び乗り期待して(大いに期待して)

厳選したポイントへ渡りました。

餌は「カニ」に決めていました。

早々に仕掛けをセットし第一投目です。

何度釣行しても第一投目は緊張します。

いきなり「アタリ」があり、爆釣の予感がします。
(大抵は、この予感は外れますがね)

この日も、見事にこの「爆釣の予感」は裏切られ、

しばらくは「アタリ」が無い時が続きます。

でもそのうちに「アタリ」が出るものなの

ですが、この日の最初の「アタリ」は大胆でした。

いきなり、竿先をひったくっていきました。

こんなあたりでは、あわせ損なう方が難しく、

なんなく「アタリ」を取りましたが引きが

如何にも弱い。

一応チヌの様に締め込んではいるものの、

簡単に水面に浮き上がってきて、あまつさえ

魚体が水面より浮き上がってしまいました。

「何じゃ!  こりゃ!  チヌの赤ちゃんやな

・・いや違うキビレ(用語集参照)の赤ちゃんや、

24cmしか無い。」で即リリ−ス。


しばらくは、あっちこっちに探りますが全く

アタリ無し。

今日はダメか?と諦めかけた頃にコツコツと

ちょうど手頃(?)なアタリが・・慎重かつ

大胆にあわせると、またしても”一応チヌの

様に締め込みはしているものの、簡単に水面

に浮き上がってきて、又々魚体が水面より

浮き上がってしまった”(?_?)「チヌはチヌ

やけど、えらいかわいいなぁ・・・・23cm

しかないで!!(釣行にメジャ−は忘れずにね!)

お母ちゃんかお父ちゃんを連れといで!!」って

訳でこれも即リリ−ス。


その頃から段々と暑さが身に浸みて、こたえてきます。

特に後厄を過ぎた身では「根性」を入れていないと

熱中症にかかりそうです。

「水分を補給すると緊張が解けて、注意散漫になるぞ」

と釣友からよく言われますが、我慢している

場合ではありません。

「外道のキビレに放流サイズのを各1匹か・・・

狙いのチヌは何処じゃ!!」

水分の補給と、しばしの日陰での休憩で気分を

充実させ再び釣行の開始です。

今度はポイントを移動しました。

本日、渡ったポイントは地続きで別のポイント

へ行けます。

渡船でしたら5分もかかりませんが、歩きだと

15分はかかります。

汗を拭き拭きやっと到着したポイントは、

本日の狙い目だったと見えストリンガ−が

2〜3本かかっています。

こちらも負けずに狙い始めます。

ここは、以前にも書いた事がありますが

船の着く岸壁で”会社の人”のお邪魔に

ならないようにする事が第一です。

この日は”会社の人”と会っても「にやっ!」

て笑っておられましたから「見逃してやるよ」

と言う合図です。

先約が5人ほどいましたから

「5人で3匹ってとこかな」なんて

考えてると、ストリンガ−を更に2本発見

「おっ!おっ!やるやないか。こっちも負けるか」

とちょっと焦り気味です。

そのうちに、餌のカニを引き上げていた

途中でいきなりものすごい「アタリ」が!

「なんや!こりゃ?」 (*_*)


夢中でファイトしますが、チヌによく似た

締め込みが!

「チヌが追っかけてきて、喰らいついた? 

この辺のチヌでそんな話聞いたこと無いぞ」

でもまともに下へ向かってぐいぐい締め込みます。

それをこらえて少しづつ引き上げてきた時の事でした。

もう少しでお顔拝見と言うところで今度は

「横っ走り」です。

その瞬間魚体が・・・・

「・・んっ!チヌにしたらえらい細長いなぁ・・!

 ハネやっ!・・・・・・ 何だ、ハネか」

これで解りました。

ハネは「捕食魚」ですし、カニも食べます。

引き上げていた途中で「カニ」に猛烈なアタックを

かけてきたのも肯けます。

引きもチヌとよく似ています、但し横走り

さえしなければ。

ともかくこいつ(ハネ)をタモ入れ

しない事には、、、折角釣れたハネですので。

ハネでも「鰓アライ」(水面に顔を出したとき

に頭を激しく左右に振る事。)をします。

その時にハリスが切られないようにしないと

逃げられます。

(エラアライの時ハリスが緩んでいてエラに

引っかかると鋭いエラにハリスが切られてしまいます)

横走りをぐっとこらえて何とか、「鰓アライ」

にも耐えて「タモイン」する事が出来ました。

45cmでした。
(スズキ、ハネ、セイゴの違いは用語集に

記入しておきます。参照して下さい)

釣れたハネをストリンガ−に掛けましたが、

その恥ずかしい事。チヌ釣り師

(最近は「チヌ釣り志」かな?)

はチヌを掛けてこそ安堵できるもので、

ハネでは「見られると恥ずかしい」の一心のみです。

「これでも塩焼きすれば美味しいで!!」

と自分を誤魔化しチヌ釣りに励みます。

前方で竿を曲げています。

段々焦ってきました。「何で俺だけハネなんや!」

との思いのみでとうとう納竿(納棺とちゃうで)

の時間になりました。

「まっ こんな日もあるわな!」

で引き上げました。

チヌ釣りは気持ちの切替が大切です。

「次回の釣行は爆釣や!」ってね。

                                     以上


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