Save Your Smile


人込みをすり抜けながら 階段を駆け登る
今にも閉まりそうなドアに体をねじ込むと
非難めいた視線が背中を突ついた

右から左へ溶けていく景色と 腕時計とを行き交う僕の目
見ていたところで 針の動きは止まったりしないのに
知らず 細かく足踏み 揺れる体
背負った鞄のキーホルダーが かちゃかちゃと音を立てる

どっと吐き出される乗客を押し退けて 猛然とダッシュする
エスカレーターを一段飛ばしで落ちるように降りる
改札口の向こうに
ぽつんと置き去りにされたような顔の君がいた

「ごめんっ」
切れ切れの息の合間から やっと絞り出した一言
下げた頭に こつんと握り拳の感触
「遅いっ」
少しむくれた君の口から やっと出てきた一言

そして 陽だまりのような微笑みを見せてくれた

何だってできる 何にでもなれる
このかけがえのない笑顔を守るためなら


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