大鉄人17
第15話 ゴメス!戦場に散る!
脚本 伊上勝 監督 若林幹
ルミが操縦する空中戦艦に苦戦する17ですが、隙をついてシグコンジェットが突入。
コクピットに麻酔ガスを注入します。撤退する空中戦艦。
17に追うよう求める剣持ですが、片目をやられた17には無理だと三郎は答えます。
ルミが目を覚ますのは5時間後。(何故解ったのかは不明。)
それまでに助け出さねばとあせるレッドマフラー隊。
17の中ではロボターが修理をしています。
そこへ剣持に電話が。ゴメスでした。
空中戦艦の位置を教えるというのです。電話ボックス(時代を感じます。)
から出て不敵に笑うゴメス。
そこへ真っ赤なスポーツカーから降りたキッドが近付いてきます。
(なんとなく意味深なシーンですが、別に何もありません。)
「空中戦艦はこの地点に隠れています。」と剣持。
信用できるのか?と問う佐原博士にブレインを支配するという野望の為に連絡してきたのだと答える剣持。
待機中の空中戦艦。(なぜか絵です。)
警戒するブレイン党員。そこへ駆けつけたレッド・マフラー隊員達と戦闘になります。
一人活躍する剣持。ルミを救出する三郎。知らせを聞いて佐原博士とみどりは抱き合って喜びます。
その頃、ブレイン本部ではキッドとハスラー教授が意味ありげに視線を交わしています。
そこにゴメスが入ってきます。
「無事でしたか?}と聞くキッドにゴメスは盗聴テープを聞かせます。
「こうなったら優秀な君達に戦艦に乗ってもらう。まずハスラー教授からだ。
ハスラーも利用価値がなくなった。」という内容でした。
「お聞きの通りだ教授。」怒るハスラー。
「ひどいぞブレイン。」
「ブレインには暖かい血は流れていない。そこで教授。私と手を組まないか。」
キッドは終始ムゴンで話を聞いています。
「手を組む?」
「二人でブレインを支配するのだ。」
「正気か?」
「NOと言えばブレインを破壊するのみだ。」
「忘れたのか?あのブレインの破壊されてもよみがえる超生産能力を。」
「あれを見て私の決心がついたのだ。ブレインの生産能力は再生するまで10秒かかる。
その間に第二第三の爆発をしかければブレインは地上から消える。違うかね教授。」
「どうやってブレインに爆薬をしかけるつもりだ。」
「爆薬は既にしかけてある。」
「何?」
「チーフ、教授は信用できんようだ。案内してさしあげろ。」
「イエス・サー」
暗いトンネルを歩いて行く二人。
「ここがブレインの真下だ。」隙間?からブレインの姿が見えています。
「爆薬はどこにあるんだ。どこにもないじゃないか。」
『おっしゃる通りここにはない。」
「え?」
「俺が別の場所に移した。」
(え?と云う処でCMはいります。)
救出されたものの未だにルミの脳はブレインの支配下にありました。
17にまかせようという三郎。佐原博士はブレインが作った17に娘を委せることをためらいますが他に手段はありません。
ブレインと対峙するゴメス、キッド、ハスラーの三人。
「ゴメス君、呼びはしないが。」
「ブレイン、話がある。」とゴメス。
「ミスターをつけろゴメス。」
「その必要はない。機械にミスターだと笑わせるな。
今日からお前を支配するのは私とハスラー教授だ。それもたった今からだ。」
「NOと言ったら?」
「破壊するまでだ。この地下に10万回分の爆発のTNT火薬が仕掛けてある。
ブレイン党員の半分は私が握っている。コンピューターのお前にこれ以上の説明は要るまい。
答えろブレイン!」
「NOだ。」
「教授、自爆スイッチを!」
「NO、NO、NOだ!」
「ブレインの真似はやめろ!」
嗤うハスラー。キッドに目をやるゴメスですがキッドは無表情のままです。
「ミスターブレインはTNT火薬を全て処理されたのだよ。」
(まあ真下にそんなもの仕掛けてバレないと思う方がどうかしてますが・・・)
「黙れ、ハスラー」ナイフを投げようとするキッドですが、ブレインのレーザーに叩き落とされます。
「ブレイン、わしの負けだ。」
歩き出すゴメス。
「キャプテン!」と声をかけるキッドに
「チーフ、俺には構うな。また会おう。」
ゴメスが残した無線機から通信が入ります。
自分が操縦して17と闘うというゴメスの言葉に驚く剣持。
出撃するゴメス。街を破壊しつつ進みます。
今、どこにいるんだと呼び掛ける剣持。(見れば解ると思うんですが。)
その頃17はようやくルミの脳波を正常に戻すことに成功していました。
喜ぶ間もなく、空中戦艦が迫ります。
勝てば全ての罪を許そうというブレイン。ブレインらしいやり方だとつぶやくゴメス。
砲撃を受ける17。アンカーで両手を掴まれますが振り回して空中戦艦を墜落させます。
これで脱出できると言うゴメスですがハッチが開きません。
「無駄な真似はやめろ。逃げだせばキッドが機関室に仕掛けたTNT火薬が君の最後を飾る事になっている。」
「そうか裏切ったなキッド!」(少し疑っている感じはありましたがやはり信じていたのですね。)
その様子をモニター越しに笑みを浮かべ見つめるキッド。
「ゴメス、17と闘って勝つ以外、君の生きる道はないのだ。これからが勝負だ。」
鬼気迫る表情で戦艦を発進させるゴメス。
しかし17には敵いません。
「君はやはり死ぬ運命にあったようだな」
「馬鹿を言えブレイン、貴様の造った7に体当たりしてやるぞ。」
「ゴメス!」叫ぶ剣持。
体当たりで17を転倒させるも墜落する空中戦艦。
17はグラビトン攻撃をしようとします。
もうだめかと呟いたゴメスはキッドに叫びます。
「チーフ、貴様に勇気があるならこの戦艦ロボットにしかけたTNT火薬を爆発させてみろ!」
これに応え全く無表情なままスイッチを押すキッド。
(味方を裏切る悪役というのは珍しくないですが、ここまで男前にやるのはこの人くらいではないかと。)
大破する空中戦艦の中、息絶えるゴメス。
喜ぶ隊員たちのなかで一人
「17はグラビトン攻撃をしなかった」と呟く剣持。
(敵ではなくせめて部下の手に掛かろうとしたゴメスの意地を感じたのでしょうか。)
地面に落ちたゴメスの帽子に気付き、野に咲いていた花を供える剣持。
「負けたな。ブレインにも。」
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ゴメス役平田昭彦の名演技にただただ見とれてしまいます。
剣持隊長の演ずるラストも本当に名シーンだと思います。
しかし肝心の何でキッドが裏切ったのかという点が全く描かれていないのが残念ですし
ブレインを爆破してしまったら元も子も無いのではとか思ってしまいますが
やはり名作だと思います。
ここで第一部完。という感じになるわけですが私的にはほとんど最終回です。