趣味

「うーむ、成る程。俺はいかにして絶望させ、苦しめるかということだけ考えていたが
あとの事も考えた方がいいかも知れんな。」
なにやら本を読みつつ、ぶつぶつと考え込んでいるヨロイ元帥に声をかけそびれていた
戦闘員だが、いつまでもためらっているわけにもいかない。
「大首領から、通信が入っております!」
「わかった、すぐ行く!」

本を置いて、通信室に向った元帥を見送った戦闘員は、好奇心に負けてその本を
開いてみた。
「なんだ、これ・・・?」
それは、とある推理小説家のエッセイで、どういう状況での死に顔が美しいかということを
こと細かに書いてあるものだった。

「あとの事とって・・・」
背筋がぞっと寒くなった戦闘員はダッシュでその場を後にしたのだった。