誕生日

「3月18日?」
「そうだよ。」
「11月3日じゃなかったのか?2月16日とか言ってた気もするし。
何で変わるんだ。」
だって僕は三人目だから。」

「何だって?」
「いや、何でもないよ、それより・・・」


彼に真相を話すわけにはいかない。
『結城丈二』はクローン人間でまだあと何人も居る事を。
一人目はプルトンロケットと共に大空で散った。
二人目は大首領と共に、宇宙へ旅立った。
もし、僕が死んだら記憶を移植された四人目が替わるだけだ。
そのことに、別に異存はない。

だけど、誕生日くらいは自分で持っていたい。
それが、カプセルから出てきた日にすぎなくても。