心筋梗塞
-参考文献:北野病院循環器内科パンフレット-

心臓の筋肉に栄養や酸素を供給する血管が冠動脈です。
この冠動脈は3本あり、このどこかに脂質(コレステロール)が沈着してくると、血液の
流れが悪くなり、詰まりかけたり、あるいは、詰まってしまうこともあります。

○狭心症:冠動脈の一部が狭くなった状態。
○心筋梗塞:冠動脈の一部が詰まり、そこから先に血液が行かなくなるため、心臓の
      筋肉が死んでしまって、心臓の動きが悪くなる状態。
      ※一度死んだ心臓の筋肉はもとに戻りません。


《心筋梗塞の症状》

 狭心症の状況下で、「階段の上り下りで動悸がする。」とか、「胸部圧迫等の違和感がある」
とかの症状が出る人もいますが、予兆なく突然胸の痛みに襲われることもあります。
 梗塞を発症すると心臓の筋肉の壊死が始まりますので、一刻も早く手術をする必要があり
ます。発生の時間、場所、発生から措置までの時間によって、その後の心臓の回復に大きな差
が出ます。

《心筋梗塞の治療》

手術が唯一の治療法です。
・すぐに、心カテーテル検査で血管を造影し、
・詰まっている部分の血の塊を吸引して取り除き、
・狭い部分にステントを留置します。
大体、1時間くらいの部分麻酔による手術です。
最近は腕の動脈から手術ができるので患者の負担は軽くなっています。

《心筋梗塞の急性期の合併症リスク》

手術が完了しても、壊死した心臓の筋肉細胞は繊維質となり安定するまでは「グズグズ
の豆腐」のような状態だそうで、『不整脈』、『心破裂』、『再狭窄』の合併症リスクがあります。
→予防するため、
 ・CCU(Coronaly Care Unit)室にて心電図モニター
 ・不整脈があればその治療、心破裂予防の降圧療法
 ・再狭窄には緊急心カテーテル検査で再拡張


問題なければ2週間程度で退院できますが、退院後も少しずつ狭窄していくこともある
ので、半年後には再度心カテーテル検査が必要で、心機能保護や、血液凝固抑制剤の
服用はほぼ一生涯必要です。
(多くの薬の服用でアレルギーが出る場合もあります)


《写真で見る心筋梗塞》

閉塞部分→

↑左冠動脈前下行枝の根元部分が閉塞しています。

閉塞部分にステントを留置しました。→

←ステント

←閉塞が解消し、血液が末端まで流れています。

閉塞解消→


心筋梗塞はシャレにならない病気です。
自覚症状もなく、突然襲われることもあり、死に至る可能性もある恐ろしい病気です。
高血圧、高コレステロールに留意して、タバコは止めなあかんでしょう・・・。

剣道するのは良いですが、ニトロは常に持ち歩くことになり、かわいい看護師さんから
も「これから、ニトロ族やね!」と冷やかされることになります。m(_ _)m

以 上