診断を受けることの意味

診察を受け、障害を告知されることは正直言ってつらいことです。
実際、診察をうけることへの拒絶反応を示す親御さんは多いと聞きます。
自閉症は治る病気ではありませんが、社会の中で生きていくための適応訓練は、始めるのが早ければ早いほど予後がよいという事実を考えなければなりません。
そういう意味でも、おかしいと思えてから診断を受けるまでの時間が1ヶ月であったことはラッキーと思うしかありませんでした。
とにかく物事を前向きに考えていこうということだけを心がけ、幼稚園には大学の機関を紹介してもらえないかと頼みこみに行きました。とにかくいろいろなことをやってみようと種をまき散らしました。

幼稚園から紹介されたSTさんは今や一番の先生になっています。
そこはLD児を対象とした一種の学習塾みたいなところで、小学生を中心に勉強やしつけなどを教えており、その母親にも対処の仕方や障害についての勉強会を開いています。
子供の障害について知り、子供がなぜそういう行動をするのか意味を知って冷静に対処することが大切で、親が「なんでこんなことするの?」と思うことがあったとしたら、本当に障害があるということを受け入れたことにはならない、と言われたことは深く気持ちの中に刻み込まれました。

こどものことを理解するということでは、のん太についてだいたいこんなことがわかりました。

・「想像性」の部分に問題があって予期せぬことへの対応が難しい。社会性やコミュニケーションの部分へは「想像性」の問題が影響している。経験を積むことで対応を習得することが大切。
・すごくがんばりやさんだが、落ち込むとなかなか復活できない。
・プライドが高く、できないことはやりたがらない。何かをやらせようとするためには、まず簡単なことからはじめ、できたらとことんほめる。そして最後は簡単なことをやらせて必ずできたという達成感を持たせて終わること。
・応用する力がとても弱い。例を見せればできても、ちょっと聞き方を変えると理解が難しい。
・はっきりいって運動音痴である。手先も器用でない


結構、高機能自閉症の子には典型的なものだそうです。プライドの高さは親として気をつけていかないといけないようです。

親の心の安定こそ大切!

ママはのん太に障害があるとわかったとき、「あ〜ぁ、私のせいじゃなかったんだ!」 と感じてホッとする気持ちがあったそうです。
(いろいろなママさんHPでよく見るフレーズですネ)
私はというと...やっぱりお先真っ暗で、かなり落ち込んだものです。
ですが、いろいろなところでの種まきが芽を出し始めたとき、そんな気持ちは徐々になくなっていきました。
STさんとの出会いや幼稚園になんとか通えていることが大きかったと思います。
トイレ(ウンチ)もちゃんとできるようになり、ママの方もこれでずいぶんと落ち着きました。
半年もたった頃には、先生方(児相・病院)に何かと気持ち的な配慮のこもったアドバイスをしていただき、親の気持ちが前向きになっていったことは感謝に堪えません。

そして、そのころから生活の安定(のん太の身辺自立)がグンと出てきたことを感じました。家庭内に衝突がほぼ無くなってきたのもこの頃です。
「療育とはいろいろ通って訓練をするものではなく、安定した家庭生活が第一で、そのためにはこどもの身辺自立をいかにするかということなんです。」という児童相談所の先生の言葉は、ずっと私が抱いてきた「療育」とは何かという疑問にまさに答えてくれたもので、これまで一生懸命にやってきたことが間違ってはいなかったと感じられたこともプラスになりました。

ちょっとした変化や注射のような難しいことも、ごまかして乗り切るのではなく、堂々と事前に教えてやることで乗り切ることができるようになると、親としてもとても楽になります。もちろんできないことはありますが、どうしたらできるのか考える楽しさというか余裕というものがでてくるようになってきます。