コンピューターのハードウェア

マザーボードMother Board

 CPUやメモリ、BIOS、拡張スロットなど、PCシステムを構成するための最も基本的なデバイス群を1枚の基板に搭載したもの。これには、タイマや割り込み、DMA、メモリをコントロールする回路やRTC、バスインターフェイスなどが含まれる。
 マザーボードは、メインボード、プレイナーボード、またはシステムボードと呼ばれることもある。
 マザーボードには、内部電池として、ボタン型のリチウム電池が日付用に搭載されて いる。5年程度は持つ。

 BIOSBasic Input/Output System

 キーボード、ディスプレイ、ハードディスク、ビデオカードといったデバイスをコントロールする低レベルのプログラム。このプログラムはマザーボード上に装着されたフラッシュメモリなどに記録されており、各パソコンメーカーが提供するアップデートモジュールを適用し、最新の内容に更新することが可能である。
 ウィンドウズのパソコンは電源を入れるとまず最初にこのBIOSが起動して、周辺チップの初期化やメモリのテストなどを行い、優先順位の高い装置(フロッピーディスク、CD-ROMやハードディスクからプログラムを読み込もうとする。
 BIOS には、このようなブート処理と標準デバイスとの基本入出力サブルー チンが納められている。ハードディスクを増設した場合などBIOSの設定に変更が必要な場合は、パソコンの電源を入れてから[Delete]や[ファンクション]などの任意のキー(自機のマニュアルで要確認)を押しっぱなしにしておくとBIOSのセットアップ画面が表示され、設定の変更をすることができる。ROM、フラッシュメモリや書き換え可能なEEPROMに保存される。

 チップセットChip Set

 CPUはもちろん、メモリやグラフィックボード、PCIバスなどマザーボードに接続されるデバイスの大半は「チップセット」によって制御されている。各部品間のデータ受け渡しなどの制御をするLSIのことである。CPUはPCにおける「頭脳」にたとえられるが、チップセットは「心臓」や「血管」の役割を果たすものと考えればよい。
 チップセットは、世代が新しいものほど周囲に延びる「バス」のデータ転送が高速になっている。バスのデータ転送速度が速ければ速いほど、大量のデータを効率よくやりとりできるというメリットがある。逆に、CPUだけが特別に速くてもチップセットが提供するバスが低速だと、その部分で処理に待ち時間が発生してしまう。パーツの性能を100%発揮させるには、高性能なチップセットが必要である。
 マザーボードが対応するCPU、メモリ規格、グラフィックインターフェースなどはチップセットによって決まるので、選択を誤れば「CPUが認識されない」「メモリの動作クロックが低くなってしまった」「グラフィックボードを装着できない」といった不具合が待っている。
 チップセットの具体的な役割については、マザーボ−ドを見るとCPUソケット付近と拡張スロット付近のヒートシンクの下に、ひときわ大きなチップが設置されている。この2個1対で提供されるチップのペアを「チップセット」と呼ぶ。
 チップセットは、制御するデバイスの違いによって呼び方や設置場所が異なる。CPUソケットに近い場所にある方は一般的に「ノ−スブリッジ」と呼ばれており、CPUやメモリ、グラフィックインタフェースの制御を担当する。拡張スロット側にあるほうは「サウスブリッジ」と呼ばれ、ノースブリッジが制御しないデバイス(HDDや光学ドライブ類、サウンド、USBなど入出力機器)すべてを担当。この役割分担はどのチップセットでも原則的には同じである。ノースブリッジとサウスブリッジは「チップセット間バス」で結ばれ、お互いに必要なデータをやりとりする。その転送速度は266MB/秒が上限であったが最近は2GB/秒が現れている。
 なお、ノースブリッジとサウスブリッジにはメーカー固有の呼び方がある。インテルの現行チップセットは、ノースブリッジに相当するチップを「MCH」(Memory Contoroller Hub)、サウスブリッジに相当するものを「ICH」(I/O Controller Hub)という。nVIDIAのnForceではそれぞれを「SPP」「MCP」と呼ぶが機能は同じである。