コンピューターのハードウェア

コンピュータの機能

 コンピュータの機能

 コンピュータの機能は大きく5つに分けることができ、コンピュータは、その各々の機能を実現するための装置の組合せで構成されている。コンピュータの5大機能と、それを実現する装置は以下のようになる。
 ただし、通常パソコンは、演算機能と制御機能を処理装置(プロセッサ)または中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)という一つの装置で実現している。
5大機能 入力機能 記憶機能 演算機能 制御機能 出力機能
装置 入力装置 記憶装置 演算装置 制御装置 出力装置

 入力機能

 入力機能とは、コンピュータに対して情報を渡す機能である。プログラムやデータなどコンピュータ処理に必要な情報を取り込み、記憶装置に情報を渡すという役割を果たす。
 人間は“目”でものを見たり字を読んだり、“耳”で人の話を聞いたりして情報を頭に入れるが、この人間の目や耳のように、必要な情報を取り入れる機能が「入力機能」である。
 人間と違うのは、人間は自らの意志で情報を手に入れるのであるが、コンピュータは自らの意志で情報を手に入れるわけではない。コンピュータの入力機能とは、コンピュータが情報を手に入れる機能というより、人間がコンピュータに情報を渡すための機能である、ということがでる。

 記憶機能

 記憶機能とは、入力装置から入力されたデータやプログラム、演算装置が行った演算の結果を記憶しておく機能である。記憶機能は記憶装置によって実現され、その後、データは必要に応じて演算装置、入出力装置などに引き渡される。
 コンピュータの記憶機能は、入力されたデータを記憶するばかりではなく、データを一時的に預かり、次の装置に渡すことも行う。つまり、入力されたデレタを演算装置に渡すときや、演算後のデータを出力するときにも記憶装置を経て行われるが、それは一時的なもので、その記憶はすぐに消えてしまう。
 記憶装置にはさしあたって必要なものだけを記憶する主記憶装置とそれ以外のものを記憶する補助記憶装置がある。

 演算機能

 演算機能は、制御装置の指示と記憶装置に記憶されているデータをもとにさまざまな演算を行う機能である。これは、コンピュータが「電子計算機」と訳されていたころから、大きな特長とされていた機能である。
 演算の具体的な内容としては、四則演算、論理演算、大小比較などがある。

 制御機能

 制御機能は、コンピュータの各装置の動作を正常に保つために、動作を制御(操作・調節・管理)する機能である。具体自引こは、コンピュータ内部で動作中のプログラムから命令を一つずつ取り出し、その命令にしたがってほかの装置に動作の指示、制御をするはたらきである。

 出力機能

 出力機能は、コンピュータ内で処理されたデータを、人間が理解できる形に変換して外部の利用者に渡す機能である。

 5大機能と装置の関係

 コンピュータの5大機能である入力、記憶、演算、制御、出力は、ハードウェアの各装置に よってそれぞれを実現しているが、これらの関係は、下図のようになっている。

 コンピュータシステム

 パラレルプロセッサシステム

 パラレルプロセッサシステムは、並列処理ができるコンピュータシステムの総称で、処理装置(CPU)が複数台で構成されている。パラレルプロセッサシステムでは、複数のジョブ、またはその一部を並行して実行できる。
 現在のほとんどのコンピュータは、ノイマン型アーキテクチャを採用しており、プログラムに従った「逐次的」な処理が行われている。しかし、プログラムのアルゴリズムの中には同時並行して動作できる部分があり、これを並列で処理すれば処理速度を飛躍的に向上することが期待される。この方法は、スーパコンピュータの内部に取り入れられている。
 パラレル処理方式としては、ベクトルプロセッサ、アレイブロセッサなどがある。

 デュプレックスシステム

 デュプレックスシステムは.CPUや周辺装置を2系統用意し、一方の系列をオンライン処理用、他方の系列(待機系)を優先順位の低いバッチ処理などに使用するシステム構成である。オンライン処理用の系列が故障した場合に、バッチ処理用の系列に切り替えてオンライン処理を行う。切替え時間は数十分から数時間である。
 信頼性はデュアルシステムより劣るが、コストの面では有利で、デュアルシステムより多く用いられている。
 なお、待機系がバッチ処理などを行わず、いつでもオンライン処理に切り替えられる状態で待機しているシステム構成を、ホットスタンパイシステムという。

 デュアルシステム

 デュアルシステムは、2つのCPUで同じ処理を行い、互いの処理結果を照合しながらオンライン処理を行うシステム構成である。処理の中断が瞬時も許されないような場合に用いられる。一方のCPUが故障した場合は、それを切り離して処理を続行することができる。
 信頼性は非常に高いが、コストも非常にかかる。

 アレイコンピュータシステム

 アレイコンピュータシステム(アレイプロセッサ)は,行列(array:配列)演算を専用に行う装置で、CPUの付加装置となっていることもある。ベクトルの和積、スカラ倍などを計算する基本命令に加え、フーリェ変換、補間、浮動小数点表示から固定小数点表示への変換機能などを備えている。

 シンプレックスシステム

 シンプレックスシステム(単一システム)は、CPUが1台の構成である。他の構成と比較して、信頼性、処理能力はもっとも劣るが経済的である。
 一般的なコンピュータシステムでは、シンフレックスシステムを採用していることが多い。

 タンデムシステム

 タンデムシステム(直列システム)は、2台のCPUを直列に接続した構成である。
冗長構成ではなく、稼働率の向上を目指したものでもない。機能分散や負荷分散が目的である。通常、主CPUに対し、2台目には小型CPUが使われる。小型CPUは、簡単なエラーチェックなどを行ったり、通信制御装置の機能を肩代わりすることもある。

 コンピュータのシステム情報

 コンピュータのシステム情報を知るためには
Windows のタスクバーで [スタート] ボタンをクリックして、[ファイル名を指定して実行] をクリックする。
[名前] に「msinfo32」を入力する。
 又は [スタート] ボタンをクリックして、プログラム→アクセサリー→コマンドプロンプト→[msinfo32] を入力する