飼い主さんの豆知識

自分の大切な家族である、ペットたちに忍び寄る恐ろしい感染症・・・。
少し気をつけたり、基本的なことを知るだけで、
よりしっかりとした感染症予防の知識を身につけていただくことが出来るはずです。
病気には予防が一番ですよね。
今回は、”感染症”と呼ばれるものの知っていただきたい基本について、です。
皆様のペットたちの健康を守る、参考にしていただければうれしいです

 感染症の知識 

感染症とは、いわゆる”うつる病気”のことです。
感染症にかかると、種類によっては死に至ってしまう場合もあります。
人や動物の身体に中に侵入し、体内で定着して増殖した結果、
侵入した生物に対して何らかの障害を起こす微生物・・・。
こういう微生物のことを病原性微生物(病原体)といいます。
そして、病原性微生物によって引き起こされる疾患を感染症(感染性疾患)といいます。
このうち、人と動物の両方に感染する病原性微生物が引き起こす感染症を特に、
”人畜共通感染症”といいます。
(人畜共通感染症に関しては、”飼い主さんの豆知識「ズーノーシスについて」”をご参照ください)


病原性微生物の種類は??
 
ウイルス ・・・ 犬 : パルボウイルス感染症、犬伝染性肝炎(アデノウイルスT型感染症)
                 犬パラインフルエンザ感染症、犬コロナウイルス感染症、ジステンパー、
                 犬伝染性喉頭気管炎(アデノウイルスU型感染症)、狂犬病 
                 などの原因となります。

               
上記の感染症は通常、ワクチンで予防できます。
            猫 : 猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス感染症)、猫ウイルス性鼻気管炎
                猫カリシウイルス感染症、猫白血病ウイルス感染症、
                 猫伝染性腹膜炎、猫免疫不全ウイルス感染症 などの原因となります。
                
猫伝染性腹膜炎、猫免疫不全ウイルス感染症以外は
                 通常、ワクチンで予防できます。

 細菌 ・・・ サルモネラ菌、破傷風菌、レプトスピラ菌 などの原因となります。
          
犬のレプトスピラ感染症は通常、ワクチンで予防できます。
 
真菌 ・・・ 皮膚糸状菌症、クリプトコッカス症 などの原因となります。
 外部寄生虫 ・・・ ノミ、ダニ、シラミ などがあります。
              定期的に予防薬を投与することによって、予防できます。
 
内部寄生虫 ・・・ 回虫、鈎虫、条虫、フィラリア などがあります。
              定期的に予防薬や駆虫薬を投与することによって、予防できます。

感染の形態について・・・
  
→ 感染症の症状は、病原性微生物が体の中に入ったからといって、必ず、
     引き起こされるものではありません。
     病原性微生物が、体の中で増殖できて初めて何らかの症状を引き起こすこととなります。
     つまり、病原性微生物が体内に入ってきても、ワクチンの効果やその動物の免疫機能によって
     増殖を防ぐことが出来れば、”感染症”は引き起こされない、ということです。
     しかし、残念ながら身体に中で病原性微生物が増殖してしまった場合、
     感染の形は多くの場合、下記の2つに分けることが出来ます。

 顕性感染 ・・・ 病原性微生物が動物の体の中に入って、増殖した後、
             明らかに何らかの症状が出た場合のことをいいます。
             いわゆる”発症した”状態のことです。
 不顕性感染 ・・・ 病原性微生物が動物の体の中に入って、増殖したのにも関わらず、
              何の症状も引き起こされない場合のことをいいます。
              不顕性感染の動物のなかには、自分自身は何の症状も出していないのですが、
              体の中で増殖した病原性微生物だけを排出するというような
              感染の仕方をする場合もあります。
              このような動物のことを特に保菌動物(キャリアー)といいます。
              症状が何も出ていないので、このような動物を見つけることは困難です。

どうやってうつるの?
  
→ 病原性微生物がどのようにして新しい動物にたどり着くのか・・・
     このような道筋のことを”感染経路”といいます。
     まずは、病原性微生物が動物から排出されて、それを新しい動物が
     受け取ってしまうことによって感染が成立してしまいます。

 病原性微生物を排出する代表的な経路 
  @ くしゃみや鼻水など、呼吸器系の症状を示す疾患の場合 ・・・ 口・鼻・目からの分泌物
  A 嘔吐や下痢などの消化器系の症状を示す疾患の場合 ・・・ 嘔吐物や便
  B レプトスピラ菌や犬伝染性肝炎などの場合 ・・・ 尿
  C 外部寄生虫の場合 ・・・ 抜け毛やフケなど。
  D 一部の内部寄生虫やウイルス性感染の場合 ・・・ 胎盤や乳汁から

 病原性微生物が入ってくる代表的な経路
  @ 食べる ・・・ 経口感染といいます。病原性微生物によって汚染された食べ物を食べたり、
             病原性微生物がついている毛・食器・器具・土壌・植物などを舐めたりすることに
             よっても感染してしまいます。
  A 触れる ・・・ 経皮感染といいます。感染している動物に直接的に、あるいは感染している動物が
             触ったものに触れた・・・など、間接的に接触してしまうことによって感染してしまいます。
  B 胎盤や乳汁から ・・・ 経胎盤・乳汁感染、垂直感染や母子感染など、いろいろな呼び方があります。
                   病原体を持っているお母さんから、妊娠中に胎盤を介して感染したり、
                   授乳することによって感染したりします。


では、どうやって動物を病原性微生物から守ればいいのでしょう・・・?
  
→ これは、今までの知識をまとめて、考える必要があります。
     私は、下記の方法を提案させていただいています!

 定期的な予防接種、外部寄生虫や内部寄生虫の予防を行う!
  ・・・ どんなに環境に気をつけていても、”保菌動物(キャリアー)”と呼ばれるような
     動物がいる事を思うと、完璧な対策は取れません。
     なので、動物たち自身にバリアーをかける必要があるのです。
     しかし、感染症の中にはワクチンがないものもありますし、ワクチンをしているからといって、
     ”絶対感染しない”というわけではありません。
     ただし、ワクチンをしていると、病原性微生物に感染しても助かる確率は高く、
     症状も軽くて済む場合が多いので、是非、1年に1回のワクチン接種はしておいてください。
     
(どんなワクチンをするかは、地域で流行している感染症の種類によっても異なってきますので
      、主治医の先生とご相談ください。)

 便や尿・汚れはマメに片付けましょう!
  ・・・ これをすることによって、病原性微生物をつけてあちこちを飛び回る、ハエなどの生物を
     少なくすることが出来ます。
     また便や尿は、その場から取り除くだけではなく、その場をアルコールなどの消毒液(*)で
     消毒しておきましょう。
     便や尿そのものや、それらを拭いた紙などはビニールの袋に入れ、口はきっちりとくくり、
     焼却処分(燃えるゴミに出す)します。これはマナーとしても大切なことですし、もし自分の子が
     ”キャリアー”だった場合に、病原性微生物を撒き散らすのを防ぐことが出来ます。
     
(*)消毒液には様々なものがあります。
        種類によって消毒できる病原性微生物には違いが出てきますので注意が必要です。

 狭い空間に多くの動物を押し込まないようにしましょう。
  ・・・ もしも、その中に”キャリアー”がいた場合には、すぐに感染症が広まってしまいます。
     また、狭い空間に長期間動物を置いておくと、ストレスがたまって免疫力が低下し、
     感染症を初めとした病気になりやすくなってしまいます。

 食餌にも気を配りましょう!
  ・・・ 栄養バランスのしっかりした食事で、健康な身体を作ることのほかに、
     食餌を作る場所にも気を遣います。
     食餌は排泄物を扱うところとは別のところで準備してあげてください。
     経口感染により、感染症にかかる機会を減らすことが出来ます。
     また、食事の作り置きはしないようにしましょう。生の食材もできるだけ与えない方が無難です。

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