(2)MGB vs MGF/MX5(ユーノス/マツダ・ロードスター)

MGF&Bee−3MGFは正しくMGスポーツの伝統と精神を今に受け継ぐ1台である。しかしその成り立ちには 33年の時間の流れが如実に反映されている。

機械製品の進歩とは洗練と快適化(省力化)に他ならないとすれば、MGFとMGBの違いはまさにこの点にある。

電子制御エンジン/パワー・アシスト・ステアリング/整った空調・音響装備など、MGBにあってMGFにない装備と言えば、せいぜいオートマチック・トランスミッション(と言っても1966年〜1972年のわずかな期間のMGBに限ってだが)くらいのものだったのだが、1999年にマニュアル・モード付CVTがMGFに用意されたことで、名実ともにMGFがMGBに劣る点はなくなったと言って良い。

だがそれが「趣味の対象」となったときには必ずしも良いことだけではなくなるのが面白い点とも言える。

MGBの原始的な構造は素人メカニックにでも「手を出してみようか」という気にさせるし、日本でも豊富に入手可能なチューニング・パーツで自分好みに仕立てるという楽しさもある。

それに新車とは言え外車のこととて、MGFもマイナー・トラブルと無縁という訳にはいかないというのが定説である。その時MGBは部品の供給体制も心配がないし、構造が簡単な分だけ扱ってくれる店も見つけやすいというものだ。

走らせてみればここでもやはりMGBの構造の単純さは功罪相半ばする。ドライバーの意志に対して介在するものが少ないゆえのダイレクト感は現在のクルマにはないものである。しかしそれは高速クルージングなど、出来るだけ身体負荷の少ない運転をしようとする時には「暑い、うるさい」などということにもなる。

MGBは公式には歴史が完結しているクルマだが、一方MGFには「今まさに歴史を作っている」という醍醐味があり、これは現役のスポーツカーでなければ味わえないものである。MGBの現役当時を知らない世代にとっては、今MGBに乗るということはある意味で当時の追体験でしかないのだから。

 

  ユーノス・ロードスターは、一時絶滅の危機に瀕していた「ブリティッシュ・ライトウェイト・スポーツカー」を日本の製造技術で復活させ、世界中で大ムーブメントを巻き起こした立役者である。

  その開発の過程でMGBの血も一部入り込んでいることは有名で、実際にハンドルを握った感じも似通ったところがある。しかしそれはあくまで「似通った」というレベルであり、細かく見るとやはり同じ現代のクルマであるMGFとの比較に近い結論に到達する。

  MX5のドライヴ・フィールは乗用車しか知らない者にとってはドライバーの五感に忠実この上ないものに感じられるだろうが、MGBとMX5の間にはそれと同等の差があると言える。

  MGFの場合と大きく異なるのは信頼性である。これに関しては日本車の右に出るものはなく、この点をどれだけ重視するかによっては自動的に答えは明らかになってしまう。

 

総じて言えば「より高い趣味性を求めるならMGB、よい高い実用性を求めるならMGFかMX5」ということになるだろうか。

 

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