(4)実際に乗ってみる

しかし最後に決定するのはやはり人間の感覚である。それには試乗してみるのが一番である。逆に言うと、試乗もさせてくれないようなクルマはそれだけで避けた方が良いとすら言える。もっとも、ナンバーが切れているなどの理由があれば別問題だが。

ただし現代のクルマのようにボディ強度が確保されている訳ではないのだから、少々のスカットル・シェイクやキシミ音程度に目くじらを立てていてはMGBを所有することなどできないことは忘れてはならない。

異音/ガタ付きやクラッチの滑り/ブレーキの効きなど気になる点は、ショップの人間にどしどし質問すべきである。妙に遠慮して聞かなかったばっかりに、購入後トラブルのタネになることほど馬鹿馬鹿しいことはない。

ここでチェックしなければならない重要項目が「電磁式オーヴァ・ドライヴ」である。

トランスミッションに組み込まれたユニットによってMGBの高速巡航性能を向上させるこの装置はUB2では標準装備だが、それ以前のモデルではオプションである。しかし日本にあるMGBの多くには装着されていると考えて良い。

ODSWこのユニットはシフトノブ頂部スライド・スイッチ(UB2)/ワイパースイッチ組み込み(BM‘74〜UB1)/インパネ右端トグル・スイッチで作動し、3速4速の両方で作動させることができる。(UB2は4速のみ)

しかしユニット内蔵のソレノイド・バルブや作動用油圧を発生させるプランジャー・ポンプの不調などにより作動不能となるケースも少なくない。部品交換や洗浄などで簡単に直る場合は良いが、内蔵コーン・クラッチなどが問題の場合は最悪アッセンブリィ交換が必要となることもある。

また作動しないだけならば装着されていないのと同じ事なのだが、作動はするが解除ができないとなると事態は厄介だ。この状態で後退すると、ユニット内蔵のワンウェイ・クラッチを破損して走行不能に陥ってしまうからだ。

  作動は4速AT車のODに似ており、60q/h以上でスイッチをONにして1〜2秒後にエンジン回転が500rpmほど低下し、OFFにして瞬時に元に戻れば正常である。これが異様に時間がかかるようだとユニットが痛んでいる可能性がある。

 

  MGBのエンジンは基本的に低中速トルク重視型であり加速時に段付きなどはないが、ウェーバー・キャブ装着車で段付きが見られる場合はプライマリー/セカンダリーのジェット・セッティングが合っていない可能性がある。またゼニス・ストロンバーグやSUキャブ装着車でこの症状が出る時は、キャブ頂部のキャップの中に入っているべきダンパー・オイル(エンジン・オイルで良い)が足りなくなっている可能性が高い。

またUB2に用いられているレヴ・カウンター(タコメーター)はエンジン始動時に動かないという悪癖を持っているが、ガラス面を軽く叩いて動くようであれば大事に至ることはない。

 

中古車を購入する際に注意すべき点は他にも山のように存在する。しかし今まで述べてきた事柄をクリアするようであれば、基本的に大きな問題はないと判断して良いだろう。

 

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