ダメモト太郎の架空演説(2019年6月20〜21日)


 みなさん、こんにちは。惨議院議員で、今度新たにぜいわ鳥杉組を立ち上げましたダメモト太郎です。

 もう消費税引き上げは決まったようなもの、と思われていますけど、仮にそうだったとしても、消費税の引き上げ騒ぎは今回で終わるとは思えません

 だから、今回の結果がどうであろうとも、抵抗し続けなければならないんです。

 というわけで、今回の引き上げ阻止に対してはダメモトで、しかし今後のことを考えて、消費税増税が如何にナンセンスであるのか、それを皆さんに説明させていただきたい、このように考えて今回は話をさせてもらう場を設けてもらいました。それではよろしくお願いします。

 皆さんは、日本の累積財政赤字が1000兆円を超えた、と報道されたのご存じですよね。

 「日本はこんなに借金を抱えている。大変だ。このままじゃ日本の財政は破綻する。だからそれを返すには消費税の増税は必要だ。」

 そんな風に思っていらっしゃる方も多いと思います。

 でもね、これ、とんでもない大嘘なんですよ。

 まずね、累積赤字が1000兆円と言いますけれど、この意味は、今までに発行された国債の残高が1000兆円を超えたっていう意味です。

 それが何で累積赤字と呼ばれるのか、というとですね、国債の発行が国の借金だから、国債の残高が1000兆円残ってるっていうことは借金が1000兆円残ってるということだから、累積赤字が1000兆円だ、というわけですね。

 でもちょっと待ってください。国債の発行が国の借金だ、って本当ですか?

 確かに国債を発行すると、誰かがお金を払ってその国債を買います。

 そして国債には償還日というのがあって、その日になったら国がその償還を迎えた国債を引き取って、額面のお金を返すわけですから、国がお金を借りたように見えますよね。

 で、国債はその借用証書の役割をしている。

 でもね、この国債を国の借金だと考えた場合、普通の借金とは事情が大分違いますよね。

 だって、普通は借金するというのは、何かにお金を使いたいのだけれど今お金が無いから誰かからいついつまでに返すからという条件でお金を借りて、その期限までの間に借りたお金を稼ぐなり何なりしてどこかから調達して返す、というわけですから、本当に返せるかどうかは借りた時点では不確実なわけです。

 でも国債はどうですか?もしかして返せないかもしれない、なんてことはありますか?

 ありませんね。

 絶対確実に返せます

 なぜかというと、国には通貨の発行権があるからです。

 例えば額面100万円の国債を発行したとしましょう。

 この国債の償還日が来たら、国は硬貨を自由に作ることができますから、例えば500円玉を2000枚鋳造すれば必ず返すことができますよね。

 だから普通の借金と違って国債には返せなくて只の紙切れになるという心配は100%ありません

 そうすると、次の疑問が湧いてきませんか?お金を鋳造することは今だってできるんだから、国債で100万円借金をするくらいなら、そんな借金をわざわざしないで、今500円硬貨を2000枚鋳造すればいいじゃないか。

 でしょう?わざわざ借金するまでもない。なのに何で国債なんてものをわざわざ発行するのか?もしかして国債って本当は借金なんかじゃないんじゃないか?そう思いません?思いますよね。

 じゃあ借金じゃないとしたら何なんでしょう?

 国債って、今はペーパーレスになってますけれど、ちょっと前までは紙で発行されてましたよね、四角い紙で。

 で、そこには何が印刷されてます?

 そう、償還日に受け取れる金額が印刷されてますよね。しかもこの国債、購入した人にとってはただの紙切れじゃなくて、財産として扱われます。

 おや?金額が印刷された四角い紙で、財産として扱われる?それ、どっかでそういうものありませんでした?

 それ、あなたのお財布の中に入ってません?そう、お札です。正式には日本銀行券ですね。

 金額が印刷された四角い紙で財産扱いされる。日本銀行券国債、そっくりじゃないですか!

 しかも形がそっくりなだけじゃない。国債を買うって、日本銀行券を国に渡してかわりに国債を受け取るってことですよね。

 逆に国債の償還って国債を国に渡して日本銀行券を受け取るってことですよね。

 ということは、日本銀行券と国債はお互いに交換できるってことでしょ?

 それで日本銀行券のことを私たちはオカネって呼んでますよね。

 ということは、その日本銀行券と互いに交換可能な国債だってオカネだ、ということになりませんか?

 そうは言っても、この国債と日本銀行券、違うところもある。

 まず国債はお店にこれ持ってって買い物に使うことはできません。逆に日本銀行券は利息が付かない。でもそれは役割が違うから

 そもそもオカネには2つの役割がありますよね。一つは買い物などで決済するためのオカネ。もう一つは当面は使わないで後で使うために取っておくオカネ

 買い物に使うのが日本銀行券で、取っておくためのオカネが国債

 別に日本銀行券を取っておくために使ってもいいけど、利息が付かないから損でしょう。やはりこれには国債を使った方がいい。

 というわけで、国債と日本銀行券は用途が違うだけで、どちらもオカネなんですよ。

 じゃあ国債だけ何で償還日というのがあるのか?

 これはさっきも言いましたけど、国債と日本銀行券はお互いに交換できる。

 国債は、いくら取っておくためのオカネだと言っても、いつかは使うために取って置いてるんでしょう?

 だったら一旦償還日と言うのを設けて、さあ、償還日が来ましたよ、使う予定があるなら買い物のためのオカネである日本銀行券に交換してあげますよ。

 でも考えが変わって、もしまだ使うあてがないなら、また新規の国債に交換してあげますよ、どっちにしますか?…という選択の余地を与えるために償還日がある。

 こう考えたらいいんじゃないでょうか。

 さあ、ここで一番最初の話の戻りますよ。

 日本の累積財政赤字が1000兆円を超えた

 でも本当は日本の国債の残高が1000兆円を超えたということだったんですよね。

 これ、単に国債というオカネを過去に1000兆円発行したっていう意味でしかない、ということになりませんか?

 だからどうした、て話ですよね。

 随分デカい金額だけれど、日本のオカネがそれだけ増えたってことでしかない。

 で、何の問題があるんですか?それだけ国民の皆さんの財産が増えたってことですよ。

 問題があるどころか、めでたい話じゃないですか。

 1000兆円の借金で財政が破綻する?

 とんでもない!逆に1000兆円も財産が増えてめでたいな、という話だったんですよ。

 で、話はこれに留まらないんです。前に国には通貨発行権があるから硬貨をいくらでも鋳造することができるって言いましたよね。

 でも硬貨で国家予算である100兆円をまかなおうとしたら、500円硬貨を2000億枚も鋳造しなきゃいけない。

 これ、物理的に無理ですよね。でも今もっと効率のいい方法があることを知った。国債というオカネを刷ればいいんです。

 今の日本では税収が60兆円ほど、残る40兆円は現実に国債を発行して国家予算を賄ってます。

 でも、この40兆円は借金しているのではなくて、実は国債という名のオカネを刷って財源にしていたわけなんですね。

 さあ、国債の意味が皆さんが何となく信じ込まされているのとは全然違う意味であることが分かりました。

 そうするとね、実は税金の意味もすっかり違うものになってしまうんです。

 だって、国家予算100兆円の財源として、そのうち6割は税金を充て、残り4割を国債で賄うっていうんでしょう?

 でも皆さん、税金払うの嫌ですよね。ここにいる皆さんの中で税金払うの大好き、3度の飯より好きだって方おられたら手を上げてみてください。

 あれ、あなた、税金払いたい?あ、ちがう、頭掻いてただけか(笑)。

 ね、そんな奇特な人いませんよね。

 だったら6割も税金を充てないで、例えば9割を国債で賄って、税金を充てるのは1割くらいにすればいいじゃないですか。

 いや、もっと極端なことを言えば、国家予算の100%を国債で賄って税金なんか無くしちゃえばいいと思いません?

 だって、国債はオカネの一種であって、借金でも何でもなかったんですから、国家予算を全額国債で賄ったって将来に禍根を残すわけでもない。

 じゃあ、税金が財源として必要ないのなら、税金って何なんだろう?

 何で今まで散々嫌な思いをしてまで税金を払ってたんだろう、ってなりません?

 税金ってそもそも何なんだ。それを考えるには、じゃあ税金をゼロにしたらどうなるか、って想像してみればわかりますよ。

 毎年100兆円の国家予算をずっと国債の発行で賄ったとしたらですよ、

 国債というオカネが、毎年100兆円ずつ増えていくことになりますよね。

 モノの生産量が変わらないのにオカネばかり増えて行ったら何が起きますか?そう、インフレになりますよね。

 そうなんですよ!税金って国家予算のための国債の発行でオカネが増え過ぎてインフレにならないように、オカネの一部を回収する、という役割を果たしてたんです。

 税金っていうのは、国家予算を賄うためにあるのではない、単にオカネを刷ってインフレにならないようにオカネの一部を回収するためのものだったんです。

 そしてどのくらい税金で回収するべきかは、インフレになっているかどうか、つまり物価上昇率がどのくらいになっているかで決めればいい。

 今まで、皆さんは学校なんかでも税金は国家予算を賄うために納めるものだ、と習ったと思います。

 でも、それ国債は国の借金だ、という間違った考えに基づくものだったんですよ。

 本当は国債は国が発行するオカネなんだから国家予算は国債で賄えばいい。

 だけどオカネを発行し過ぎてインフレにならないようにオカネを回収するための制度、それが税金の正体だったんです。

 さあ、ここで消費税の話に戻りますよ。

 今、インフレですか、デフレですか?ご存じのようにデフレですよね。

 これはオカネを刷り過ぎるのがインフレなら、デフレというのはオカネがまだ刷り足らないっていうことですよ。

 ということは、今の税率のままだと、オカネを回収しすぎてオカネが足りなくなっちゃったっていうことでしょ?

 だったら国がやるべきことはただ一つ、税率を下げることです。

 そう、税金を増やす増税なんてトンデモナイってことなんですよ。

 しかも数ある税金の中でも消費税っていうのは消費に対するペナルティーですから、こんなもの残して置いたらただでさえ消費が振るわないのにその傾向に拍車をかけてますます不景気になってしまう。

 こんな税金、単に据え置きはおろか、減税でも生ぬるい。廃止しなければいけない。

 そういうわけで、消費税は廃止

 これ、国債の意味を正しく理解した上で、今の経済情勢を考えると必須の政策です。

 ぜひみなさんのご理解とご協力をお願いして、私のお話を終わらせていただきます。

 ご清聴どうもありがとうございました。


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