1. 最終決定権は、市長ですか?教育委員会ですか? |
条例の提出者は市長ですが、この問題について決定するのは教育委員会の権限です。 もちろん、条例は議会の承認を得ないと制定・改廃はできません。 以下が法的根拠です。(私が六法をめくりながら文章をまとめました) 「地方教育行政の組織および運営に関する法律」は教育委員会の職務権限について、第23条で「教育委員会は当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で、次に掲げるものを管理し、及び執行する」とし、その1として 「教育委員会の所管に属する第30条に規定する学校その他の教育機関の設置、管理、及び廃止に関すること」と明記しています。30条には学校その他の教育機関について 「法律に定めるところにより、学校、図書館、博物館、公民館その他の教育機関を設置するほか、条例で教育に関する専門的、技術的事項の研究または教育関係職員の研修、保健もしくは福利厚生に関する施設その他の必要な教育機関を設置することができる」とあり、いずれにせよ、公立幼稚園は「その他の教育機関」と位 置づけられています。 一方、同法24条は「長の権限」として明確に教育委員会の職務範囲とは権限を分け、「地方公共団体の長は、次の各号に掲げる教育に関する事務を管理し、及び執行する」として以下を掲げています。 「大学、私立学校に関すること」、「教育財産の取得、処分に関すること」 「教育委員会の所掌に係る事項に関する契約を結ぶこと」 「教育委員会の所掌に係る事項に関する予算を執行すること」を挙げています。 また、地方自治法は地方公共団体の長の担任事務として第149条で 「普通地方公共団体の議会の議決を経べき事件につきその議案を提出すること」と規定しています。 さらに、第244条の2では、 「普通地方公共団体は(中略)公の施設の設置及びその管理に関する事項は条例でこれを定めなければならない」 従って公立幼稚園のような「公の施設」の設置・管理にかかわることは、教育委員会の決定だけでは行えず、条例案を議会に提出し、承認を得なければならないわけです。そして、教育関係の事項でも、条例案の提出や、予算の執行、財産の処分といったことは首長の権限となります。 しかし、教育委員会の権限に属することについて、教育委員会の決定を曲げて市長が決断を下したり、条例案を提出することはできません。 |
2. 3歳児募集は一歩前進ですが市民の代表である議会にどうして問わないのですか? |
園児の募集については条例ではなく、学校管理規則で決めることになっています。規則は法律に違反しない範囲内で市長が定めることになっており、議会の議決を必要としません。 |
3. 「廃園を前提とした募集はおかしくない」とはどういう意味ですか?保育への配慮をどのようにお考えですか? |
教育委員会が今年1月に廃園を決めたこと、11月に3回開いた委員会で議論を尽くした結果 、平成17年度いっぱいでの廃園という方針を変えないことを確認したこと、しかしながら、幼稚園の保護者たちのご意見の中で、上の子と下の子が別 々の幼稚園に行かざるを得ないのは困るというのは理解できる、ということで、「保育への配慮」を最大限考慮して、16年度は3歳児募集を行うことを教育委員会として決断したわけです。 廃園方針が変わっていない以上「廃園を前提とした募集」とならざるを得ないわけで、そのことを明記して募集するのが当然のことと考えます。 |
4. 市長は、「時間がある」と言っておられますが、どういう意味ですか? |
教育委員会が決定した廃園時期は平成18年3月です。条例提出のタイムリミットを考えると、まだまだ話し合いを続ける時間はあると思っています。 |
5. 話し合いを続けることは、「地元に苦痛を与えていない」とはどういうことなのですか? |
そういうことは言っておりません。廃園決定を聞いてから、保護者の方はみんな大変な思いをされて、何とか存続できないのかと、一生懸命努力をされていることは十分承知しています。記者から「十分話し合いはしてきたじゃないか、これ以上話し合いをしても平行線で、地元に苦痛を与えるだけだ。そのことをどう思うか」という趣旨を質問されたので、「それは違う。苦痛は理解するが、だから話し合いはムダだと言う話ではない」と言うことを申し上げたかったまでで、苦痛を与えていないなどとは申しておりません。 |
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