京の味


ハモ料理

 京の夏の味の代表。なかでも日本3大祭の一つ「祇園祭」の季節の料理とい えば、まずハモ料理があげられます。
 ハモは、ウナギやアナゴに似た魚です。瀬戸内海が最大の漁場です。ここか ら生きたまま運ばれてきます。料理法は、「ハモずし」、「焼きハモ」、「ぼ たんハモ」(湯にさっと通し氷水にさらして素材とする)、「柳川もどき」などがあります。  なかでも「ハモずし」は、祇園祭を”ハモ祭”と呼ぶほど夏の京都には欠か せません。
 京都の一般の家庭でもひと昔まえまでは、よく作られたといいます。
 ハモは、小骨が多く、「骨切り」に手練がいります。

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懐石料理

 「茶懐石」ともいわれます。中世から”茶の湯”でお茶を飲む前に出す料理 からととのってきました。
 禅寺から始まりました。
 もとは、寒中に温石(おんじゃく)をふところに入れて暖をとるくらいの軽 く空腹をしのぐという、ごく簡単な料理です。
 やがて千利休が確立した茶道に取り入れられ、いまでは、いろいろ趣向がこ らされて、料理を盛る器、料理を出す順序、作法など主客の美学として格調あ るものとして定まりました。
 順序は、汁、飯、向付(むこうづけ)、椀盛(わんもり)、焼物、強肴(し いさかな)、吸い物、八寸(はっすん)、香の物、菓子、茶となります。ころ あいを見はらかって運ばれます。

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精進料理

 精進は、悪行を去り、心身を清め行いを慎むことです。ここから精進料理は 、仏道からは殺生につながる魚、肉を断ち、野菜、穀類、海草など菜食を軸に します。もともと寺院で出されたもので、約700年前から中国から伝わり日 本風に合わせられました。
 材料は、野菜、生麸(なまふ)、豆腐、湯葉などを油、味噌、醤油などで味 付けしたもののなかに魚肉類とまがうほどの品もあります。

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普茶料理

 中国風の精進料理です。  明の時代の隠元禅師(1654年渡来)が日本に伝えた料理です。宇治の黄檗(おうばく) 山万福寺に伝えられたので「黄檗料理」ともいわれました。 350年の歴史が ありますが、寺院料理では、新式とみられています。煮葉、生葉を主としこれ を油で揚げたものを味よしとします。ほかの精進料理に比べ脂っこいものです 。
 料理のメニュ−も中国風。一脚4人詰めでテ−ブルを囲み、雲片(野菜の葛 よせ)、澄子(蘭の花の吸い物)など大皿の料理をめいめい小皿に取り分け食 べます。

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スッポン料理

 京のコクのある料理の最高のものとして好まれたものにスッポン料理があり ます。
 京都の独自の料理というほどではないけれど、約350−200年の味をい まに伝える店が京都にはザラにあるのです。スッポンは、本州、四国、九州な ど西日本の川に住みます。肉は美味しく、滋養に富み、血は強精剤とされます 。
 料理は、元気のいい、スッポンの甲羅をはがして、骨つきの肉を大きくぶつ 切りにして、大きな土鍋でぐつぐつと煮ます。ス−プは、酒、醤油でショウガ を落とし、香りを効かせてあります。出汁(だし)が工夫をしてあります。  肉は脂っこいが、舌でトロリとろけます。ス−プで雑炊をするのが常です。 これも美味しく精がつくと喜ばれます。年中、食べられますが、やはり冬の味 味覚です。

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湯豆腐

 水のおいしい京都では、まず食の「豆腐」が浮かびます。禅寺などで全国で も最も多い仏教関係者の都、ここでは、生臭いものを避け、古くから豆腐は、 貴重な蛋白源として食されました。庶民も多く好んで、製造されました。 いろいろな食べ方が伝統食とし残りました。
 なかでも湯豆腐は、寺社への道すがらに味わういい料理です。豆腐の味がう ま味を増す、くつろぎの京の料理です。
 季節は、ぴったり寒い冬がいいですね。なにはなくても格別の味でしょう。 野趣あふれるもので、ゴマ豆腐、タケノコ、菜の花、湯葉のてんぷら、田楽な どとあいまみえた前菜、土鍋、七輪の舞台装置がそろって湯豆腐が登場します 。

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鯖ずし

 京のすしの代表です。鯖(さば)は、若狭(福井)からとれたての塩サバで す。小浜から滋賀県の朽木峠を越え京都の市中までの「鯖街道」を運ばれた新 鮮な素材が、すし文化を支えてきました。
 この若狭の塩サバを三枚におろし、酢につけ、すし飯にのせて、京風に薄い 昆布に包んで押す。みやげにもなりました。

                             


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