宇津保物語あらすじ紹介のページ

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神々は人々の強い願いによって具現化します。
ある北欧の神々の一柱は1914年8月3日に
志願して、ドイツ軍兵士として戦場にむかった
一人のオーストリア青年に憑きました。
もともと、ブラウナウという霊的な場所出身の
この青年は、イープルでの毒ガス攻撃など数々
の試練に耐え、北欧の神々に見込まれてしまい
ました。
青年の希望とは反対に、1918年ドイツは敗
北しました。
神々は人々の願いによって善にもなれば悪にも
なります。この青年の心は敗戦に対する復讐心
ばかりでしたので、当然復讐の神々として具現
化しました。そして、この復讐の心は、敗戦と
その後のインフレによりすべてを失ったドイツ
国民の心と同じでした。
幸い、1920年代中頃から、ドイツにも将来
への希望が生まれていました。
そうなると復讐の神々の力も弱まり、この青年
の力もなくなっていました。
ところが1929年の世界恐慌がすべてのドイ
ツ国民の希望を打ち砕いてしまいます。
そして、1933年1月30日、この青年アド
ルフはドイツ宰相(首相)の地位の着きました。
翌1934年8月2日には大統領ヒンデンブル
グが死去。
この青年は総統(ヒューラー)となりました。
総統アドルフ・ヒトラーの誕生です。
わずか3年で経済の復興をなしとげたヒトラー
は、すべての権力を掌握しますが、世界はすで
にイギリス・フランス・アメリカ・ソ連などに
支配されていてドイツの割り込む場所はありま
せん。
1937年総統ヒトラーは南極に基地を建設し
始めました。当時は原子力発電は実用化されて
おらず、地熱を利用して発電するため、この基
地は火山地帯のアレクサンダー1世島に建設さ
れました。
1938年に白の場合(ポーランド侵攻作戦)
の発動を決断した総統ヒトラーは、連合国に対
する敗北も予想し、特に優秀な科学者を南極基
地に移住させ超兵器の研究をさせていましたが、
1945年にナチス第三帝国は敗北し滅亡して
しまいました。
しかし敗戦直前アーネンエルベ(超能力者学校)
の生徒たちの受精卵約200個が冷凍保存され、
ケーニヒスベルクからUボートで密かに南極の
基地に輸送されていました。
ヒトラーは、ラストバタリオン計画と称した、
この受精卵にドイツの希望を託していました。
しかしドイツの敗北により、南極の基地の人々
は自分
たちの生存に手一杯の状態で、受精
卵は南極の永久氷に保存されたままでした。
戦後30年、実験的に10個の受精卵を孵化さ
せる試みが行われます。なぜ10個かというと、
受精卵を受け入れる女性の数が限られていたか
らです。
三条五十六の後妻”レニ”つまり宇津保の母親
は、この受精卵から生まれた人物です。
レニには、同じ年に生まれたニケという妹がい
ましたが、ニケは戦士として育てられます。
21世紀になり、地球温暖化はますます進み、
南極の棚氷も融け始めドイツ第三帝国の秘密基
地も姿を見せてしまいます。
第四帝国と称していた彼らは、生き残りをかけ
最後の賭けに出ました。

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