平成16年1月 戻る


当世風、議論の勧め

WEBで熱心に意見の発信を続けておられる方へ

                             天下の素浪人 松 室 猛


年頭所感で話し合いの重要性を説き、あらゆる分野での意思疎通を図ることの必要性を説いた。
最近かなり普及してきたホームページで熱心に自分の意見を発信にしておられる議員が増えてきたが、大体において一方通行のものが多く、双方向性がないことが惜しまれてならない。
確かに、自分宛てのメールで読者の意見は受け付けておられるが、内容によってはWEB上で討論をすることの方が読者の関心も高まり賛否両論が比較できて、より有意義なものになると思うのだが如何なものだろうか。
いわゆる「掲示板」と称されるものの場合は匿名での投稿も可能であるため、自由な意見交換が出来て面白いと思うし、それによりWEBへのアクセス件数も増えると思うのだが・・・。
ぜひ、WEBで頻繁に発信しておられる方に、公開での議論の場をつくられることをお勧めしたいと思っている。

ところで、今のところはその対応をしておられないので、今回は発信者に関しては匿名扱いで私の意見を申し上げたい。

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ある党の府会議員が知事の選挙対応に関して政党推薦を要請しないことを決断されたことに対し、自らの存在を誇示しつつ次のように語っておられるWEBを見つけた。

主旨を要約すると次のようなものです。

「知事は、全大阪から選ばれる、大統領みたいなもので、行政=理事者を率いて府政を運営する。その際は、議会と両輪で進めなければならないわけで、議会の賛成を得られないと、すべての施策は頓挫する。このために、自民党の一党支配、単独過半数割れの時代が終わった今、首長選挙への出馬は、“連立”の枠組みを作って、多数派を構成し、安定した行政運営を目指さざるを得ない。」


と言い切っておられるが、この論理は地方自治体の基本的な仕組みに対する理解が足りないものと言わねばならないでしょう。
特に「首長選への出馬は連立の枠組みを作って多数派を構成し安定した行政運営を目指さざるを得ない」とありますが、地方自治体のシステムは二元代表制と呼ばれるものが根本原理で議会の構成とは別次元であるものなのです。
確かに安定するかどうかは多数派が支える方が良いに決まっていますが、この主張をされる方は総与党体制が引き起こした問題をご存じないのでしょうか。
また、この方法を至上命令とする選挙体制は、下手をすると選挙民の選択肢を奪うことになるでしょうし、馴れ合いになる可能性も皆無とはいえないのです。
こんな感覚で地方自治体の首長と議会を考えることがそもそも間違いだと思いますが如何でしょうか。

この主張のもっとも陳腐な部分は

「そもそも、政党が首長を推薦する、いわゆる“与党”になることは、その政党が数多くの固有の政策を実現したいがために、知事選の支援活動の苦労もあえて辞さない、という選択をすることだ。首長に、好き勝手なことをやらせる約束手形を発行するものではない。」

彼は本気で、地方自治体運営に政党の論理が必要だとお考えなのでしょうか。また、政党が首長を推薦することで、いわゆる与党になりたいようですが、与野党というのは議院内閣制の場合の話であって、地方議会では与野党という形で首長と相対するのではなく議案毎に是々非々の対応をすべきなのだと考えるのが正しいのではないでしょうか。その理由は簡単明瞭です。彼も言われている通り知事は議会とは別の選挙で選ばれるからなのです。

大統領制とは似て非なるものですが、この制度そのものが地方自治体の特質であり議院内閣制と混同すべきではないことを理解されるべきです。

それを選挙を手伝ってやったのは、好き勝手なことをやらせる約束手形を発行するものではない、と牽制しておられるが、こんな選挙の取り組みは代償を求めるもの以外の何物でもないではないですか。こんなのを癒着というのであり、選挙を支援したからとて、自党の意のままに動かせることなどすべきではなく、是々非々を貫くべきではないですか。

「わが党は、この3年有半、財政難の中、“火中の栗”を良く拾ってくれた知事だ、と、じっと我慢をして、全国初の女性知事を支え続け、そんな中でも苦労して取り組んできた、いくつかの成果も評価してきたのである。“要請を鵜呑みにしていたら”などという言い草は失礼千万な話だ。有力候補の出現を読めなかった、相談相手が悪かったのかもしれないが、チラチラ見える知事の本音が、支援の気持ちを萎えさせる」。


支えてやったのに「要請を鵜呑みにしていたら」との言い草は失礼千万(?)な話だ・・・支援の気持ちを萎えさせる」

このくだりは正直ですなー。

「相談していたベンチ、いや取り巻きが、アホやから負けた」では済まされない。大阪の元気な再生のために、政策をしっかり点検し、支援内容を至急検討していきたい。」

与党であることが政策を実現する近道だと信じておられるあなたの党は、常に与党的対応をされることでしょう。

それも一つの行き方ですからいけないとは言いませんが、与野党などといった陳腐な発想ではなく、常に二元代表制に立脚した議会人として是々非々を貫くことこそ地方議会の構成員である議員のあるべき姿だと思っているのですが、いかがでしょう。

「相談していたベンチ、いや取り巻きがアホやから負けたでは済まされない」とボヤイておられるが、これほど与党として支援してやったのに相談にもあづかれなかった自分の不徳と信用のなさを反省されるべきではありませんか。

こんなのを「天に唾する何とやら・・・」と言うのです。

熱心にWEBを発信しておられることは評価しますが、あなたの一方通行の主張に対して意見を述べようとしてもあなた宛のメールアドレスは開示されていますが読んだ者同志やあなた自身と公開で議論する場を開設されていないのはどうしてですか。
これだけのことをお書きになるのなら反論も堂々とお受けになるべきではないでしょうか。
今回はあなたのことを匿名にしましたが、よろしければお互いに名を名乗りながら堂々と議論をしようではありませんか。

あなたの前向きな対応を期待しております。

                                       松 室  猛



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