Gakusei     Jissen      5
               


■平方根■


  ●平方根------- 平方するとaになる数をaの平方根という

            ・0=0 だから0の平方根は0である

            ・負の平方根はない


  ●平方根の表し方-------- 正の数aの平方根は、正と負の2つある

            正の方=√a 

            負の方=−√a 
  
            √を根号といい、√a を「平方根a」 または 「ルートa」と読む


  ●複号-------- √a と −√a をまとめて、±√a と書く

           ±を複号といい、「プラスマイナス」 と読む

  
  ●平方と平方根

          a>0のとき  √a=a、 −√a=−a


            
注意: 4の平方根は ±2、 平方根4 は 2


  ●平方根の大小-------- a、bともに正の数で、a<bならば、√a<√b


         平方根の大小関係を調べるには ⇒ 
平方して大小を比べる

            正の数どうし  平方しても大小関係はかわらない
            負の数どうし  平方するともとの大小関係と逆になる


  ●近似値の求め方

       (1)電卓を使う方法

       (2)小数点の移動による方法

         
   ある数の小数点の位置が、2けた左へ移るごとに
           
 その平方根の小数点の位置は1けたずつ左へ移る
           

        おばさんからのアドバイス
  ★平方根の近似値の覚え方      

 √2≒1.41421356 いよいよ、兄さん、五郎サン(ひとよひとよに、ひとみごろ)

 √3≒1.73205081 人なみに、おごれやい

 √5≒2.23606798 富士山麓、オーム鳴くや

 √6≒2.44948974 煮よ、よくよ、焼くなよ

 √7≒2.64575131 風呂よ、来ない、市さんと

 √8≒2.82842712 ニヤニヤするな、人に

 √10≒3.16227766 三色に、2つ並べて、六並べ


  ★ルートの由来

   √という記号を考え出したのは16世紀のドイツの数学者ルドルフという人である。

   彼はラテン語のradix(根)の頭文字 r を記号化して使ったらしい。

   「ルート」という呼び名は、英語のroot(根)からきている。






■平方根の計算 分母の有理化■


  ●平方根の乗法と除法

    平方根の積や商は、1つの数の平方根として表すことができる

           ・積・・・・・

           ・商・・・・・  (ただし、a、bは正の数とする)


  ●根号を含む式の基本変形

    √の中に平方因数があれば、√の外に出すことができる

           ・      例: √32=√16√2=4√2

    √の外の数を√の中に入れることができる                    

 
 
           ・       例: 3√5=√32√5=√45


  ●平方根の加法と減法

    同じ数の平方根の和や差は、同類項をまとめるのと同様に、簡単にすることができる

            

         ・和・・・・・m√a+n√a=(m+n)√a

                         例: 2√3+5√3=(2+5)√3=7√3

         ・差・・・・・m√a−n√a=(m−n)√a

                         例: 7√2−3√2=(7−3)√2=4√2

         ・√のついた数についても、分配法則を使ってかっこをはずすことができる

                    例: √2(√3+√5)=√2√3+√2√5=√6+√10



  ●分母に根号がある式の計算 

    分母が√を含んだ数であるとき、変形して分母から根号を取り除く
    分母が√を含んでいるときは必ず行う

          

    分母の有理化・・・・・分母に根号を含まないようにすることを、
分母の有理化という



      おばさんからのアドバイス
  ★√を含む計算

    (1)√の中の平方因数は√の外に出しておく

    (2)√を1つの文字と見て展開する

    (3)√の中が同じものはまとめる

    (4)分母に√があるときは有理化しておく


  ★平方根の複雑な式の計算

    (1)√a+√bと√a−√bの積は根号を含まない数になる

                         (√a+√b)(√a−√b)=a−b

    (2)√a+√bと√a−√bの和も差も簡単な数になる

                         (√a+√b)+(√a−√b)=2√a

                         (√a+√b)−(√a−√b)=2√b

  ●●●お風呂の中でやってみよう

  「√の外の数を√の中に入れること」は、誰でも簡単に出来ます
  「√の中に平方因数があれば、√の外に出すこと」が、慣れるまで時間がかかるようです

    1=1  
    16  25  36  
    7
49  64  81 10100  11121  
    
12144  13169  15225

             
赤の数字は頭の隅っこに必ず入れておきましょう


   お風呂につかっているとき、√100から√1まで、順に平方因数を外に出す練習をします

    コツ1・   4で割れるか → 2√○

    コツ2・   9で割れるか → 3√○

    コツ3・   4でも9でも割れない数は、7か 11か 13か 17で割ってみる

                → 7√○、 11√○、 13√○、 17√○になる可能性大





■有理数と無理数■


 ●有理数・無理数ってどんな数?

 √2は分数で表せない

 今からおよそ2500年前のギリシャのピタゴラス学派の人達は、1辺の長さが 1の
 正方形の対角線の長さは、2乗すると2になる数(√2)であることを発見した。

 しかし、この対角線の長さは分数で表すことが出来ないことを知って大変驚いた
 そうである。


 √2は少数で表すと限りなく続く少数

 電卓を使って、√2を少数で表してみよう。まず 1<√2<2 であることはすぐわかる。

 次に電卓を使うと1.42=1.96 1.52=2.25 だから、1.4<√2<1.5 となる。

 1.412=1.9881、1.422=2.0164だから、1.41<√2<1.42 となる。

 このように続けていくと、1.4142<√2<1.4143 であることがわかる。

 しかし、このような方法で√2を少数で表そうとすると、
 いつまでも続き、永久に終わらない。

 
すなわち、√2は少数で表すと限りなく続く少数無限小数という)なのである。


 少数には3つのタイプがある

 少数には次の3つのタイプがある。

  (1)有限小数

       0.1や0.25のように、数字の列がある位できちんと終わる少数

  (2)循環小数

       3分の1=0.33・・・・・・
       7分の1=0.142857142857・・・・・

       のように、きまった数字またはその並びが限りなく繰り返される少数。
       数字の列は限りなく続く。

  (3)循環しない無限小数

       √2のように限りなく続くが、繰り返しがみられない少数


 有理数は必ず分数に直せる

 0.1、0.25のような有限小数は必ず分数になる。

 0.333・・・、0.142857142857・・・のような循環小数も必ず分数になる。

 しかし、√2を根気強く少数に表しても、数字の列は限りなく続き、その列の中にある
 数の列が繰り返されるところはない。

 すなわち、√2は分数で表せないのである。

 したがって

       有理数・・・・・・有限小数(整数も含む)

                循環小数

       無理数・・・・・・無限小数


       おばさんからのアドバイス
  ★√を含む計算は、小問の1つとして必ず出題される
   配点は高くないが確実に点がかせげるところなので、しっかりマスターすること


  ★平方根の計算は、2次方程式、三平方の定理で必要である
   この計算が出来ないことには、点が取れないともいえる


  ★文字の計算の場合と同様、うまい方法で間違いなく解けるよう訓練しておく


  ★計算以外では、素因数分解を使った整数問題が出題されることがある
   基礎を完全に押さえ、いくつかの問題に必ずあたっておくこと