フ ラメンコの魅力/カンテの世界ˇ

 

このサイトでは、フラメンコのカ ンテの魅力を紹介します。

フラメンコは、カンテ(唄)、ギターラ(ギター)、バイレ(踊り)が一体となった芸能です。スペインでは、カンテの大切さが強調されています。

この「フラメンコの魅力/カンテの世界」では、スペイン料理カルメンで、毎月第二土曜日〈グルーポYumiko〉に開催されているフラメンコライブにレ ギュラー出演しているカンテ奏者のSachico さんに協力をいただき、毎月の舞台で演奏される唄を、スペイン語と日本語の対訳をつけてもらい、どのような歌世界が展開されているのか、読者の 皆さんにお知らせしようと思っています。

使用される単語や言い回しは複雑なものではないのですが、ひとつひとつの単語/表現に込められる寓意性の深さ、象徴性の多様 さに注 目してみてください(かつて、スペインの国民的詩人であるガルシア・ロルカもカンテの大切さを強調して、生前、カンテ大会を催しています)。

(こ のサイトは、スペイン料理カルメンのHP担当者の制作によるものです。スペイン料理カルメンのホームページは以下の通りです
http://www.warp.or.jp/~maroad/carmen/)

*なお、 Sachicoさんがカンテをつとめるグルーポ・ユミコでは、新進のギターラを募集しています。毎月の舞台でバイレ、カンテの人たちと、フラメンコ を究めたい人にとっては、またとないチャンスです。問い合わせは、スペイン料理カルメン「フラメンコのギターラ担当」TEL.078-331-2228 連絡してください。

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5今月の詩 グアヒーラ) vol.05  2006.06.10

Sachico訳・註

 

3拍子系のゆった りした曲です。生粋のフラメンコとはちょっと違い、キューバ地方の民族音楽が発祥のそうですねえ、流れ者フラメンコといったところでしょうか? とても陽 気で軽やかなリズミカルな曲です。

前半はゆったりと のんびりした雰囲気で、後半は、コロンビアーナ(2拍子系)やブレリア(3拍子系)でリズミカルになることが多いです。

前半の詩は、ハバナ地方で朝からのんびりとたばこ(葉巻)をくゆらしている富裕層の男性の詩 です。葉巻なんていうと、私にはマフィアか??くらいしか想像できないのですが、おそらくプランテーション農園の大地主さんなのでしょう。

後半のブレリアでは、愛してやまない恋人への想いをこめた詩です。ちょっと日本語だと恥ずか しくなるような歌詞ですね。大きな声で平気な顔して歌えるのは、これもスペイン語ならではでしょうか?

 

前半の詩----

Me gusta por la mañana         おいら、朝から好きなことがあるんだ。

despues del café bebio         コー ヒー飲んだその後で

pasearme por la Habana         ハバナの町をぶらっと散歩するんだよ

con mi cigarro ensendio          火のついた葉巻くわえてね。

pasearme por la Habana              そうさ、ハバナを散歩するんだ、

con mi cigarro ensendio                    葉巻をくわえてさ。

 

後半の詩----

Quisiera cariño mio                     私のいと しいあなた。

que tu nunca me olvidarar                 どうか私を忘れないで。

y tu labios  con los mios                  私の唇とあなたの唇を

en un beso se a juntaran               ぴたりとあわせて

y que no hubiera en el mundo             そしてこの世の中で

nadie que nos saparara.                   誰も私たちを引き裂かないようにと。

 

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4今月の詩 ティエント) vol.04  2006.05.13

Sachico訳・註

 

フラメンコには2拍子系の曲として、 ルンバ、タンゴ、タンギージョ、タラントなどがあります。

今回紹介するティエントは2拍子系の 中でもテンポの遅い曲です。

前半は、ゆっくりとしたテンポで、歌 詞はドラマティックなもの情感溢れるものが多く、踊りもぐう〜っと気持ちを溜めて踊ります。

逆に、後半は一点して軽快なタンゴで はじけて踊るといった構成が多いです。

 

今日は、前半と後半の詩の一部を紹介 します。

前半の唄振りのところの詩は、男性が 嘆き悲しんでいる詩です。

あれえ? スペインの男性って女々し いのかなあ? なんてちょっと思ってしまうような歌詞です。

後半のタンゴで歌う唄は、他愛ない歌 詞なのですが歌詞の中に甘いお菓子がでてきます。

「おいらの住んでいるセビージャはお 菓子みたいに甘くてワクワクするところさ」なんていう地元自慢でしょうか。それとも何か隠語? これらのお菓子には隠れた意味があるのかもしれませんが、 単なるお菓子だと思っても楽しいかも?

 

ティエントの歌詞 -----

Como llora el corazón          心が泣いている。

la campaña tambien llora          恋人も泣いている。

la campaña tambien llora          そう、僕の恋人も泣いている。

como llora el corazón           心が泣き叫んでている。

como tu llora por mi           君は僕のために泣いている。

y por ti he llorado yo            そして僕は君のために泣く。

 

後半のタンゴの歌 詞-----

Soñe que Sevilla es de chocolate       セビージャの夢はチョコレートみたいに甘いよ。

Y que la Giralda es de piñonate       ヒラルダの塔は松の実のお菓子みたいさ。

La torre de oro es de caramelo        金の塔はまるでキャラメルだ。

Y el Guadalquivir y el Guadalquivir     そしてグアダルキビール川の水は

de Anis del bueno            とっても美味いアニスの酒な んだ。

 

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3今月の詩 ルンバ・フラメンカ) vol.03  2006.04.08

Sachico訳・註

 

ラテン音楽のルン バを発祥とし、生粋のフラメンコじゃないけどフラメンコとして育ったのがルンバ・フラメンカです。2拍子系のテンポの速い曲で、宴会や仲間内の遊びのと き、フィナーレで踊ったりします。

皆さん、コーヒー ルンバってご存知でしょうか?ベネズエラのアルバ(ハーブの一種)奏者ウーゴ・ブランコのヒット曲とされており、フラメンコギターでもよく演奏される曲で す。

でもこの歌をフラ メンコで唄うことはあまりありません。

「ラテン音楽のル ンバとルンバ・フラメンカは違うもんだ!コーヒールンバ唄うなんて!邪道だ〜」とフラメンコ界からお怒り受けちゃいそうですが、今日はスペイン語と日本の 歌詞で歌ってみます。

日本語の歌詞と元 のスペイン語の訳の意味がかなり違うのもおもしろいですね。

 
そうそう、皆さんコーヒールンバを唄っている歌手はと聞かれてなんと答えますか?

西田佐知子、荻目 洋子、井上陽水?これで世代がわかっちゃう!?!?

 

<日本語の歌詞>

昔アラブのえらいお坊さんが

恋を忘れた哀れな男に

しびれるような香り一杯の

琥珀色した飲み物を教えてあげました

やがて心うきうき

とても不思議このムード

たちまち男は若い娘に恋をした

 

<スペイン語の歌 詞>

Cuando la tarde languidece, renacen las sombras       陽が翳り、闇がよみがえり、

y en la quietud los cafétales vuelven a sentir                           コー ヒー農園も静けさを再び感じ始める時

es la triste cancion de amor de la vieja molienda             古き碾き臼の悲しい愛の詞が

que en el letargo de la noche parece decir.          そう、夜の混沌がささやいているのは愛の詩

 

Una pena de amor y una tristeza              愛の苦悩そして悲哀が

lleva el zampo Manuel en su amargura                 黒人マヌエルに苦しみをもたらし、

pasa incansable la noche moliendo café.                     一晩中コーヒーを挽き続ける

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2今月の詩 (セビジャーナス) vol.02  2006.03.18

Sachico訳・註

 

スペインのセビージャ地方の春のお祭りで踊るセビジャーナスという踊りには、春をイメージし た唄、恋のつらさを歌ったものなど無数の唄があります。河内音頭でも無数の歌詞があるのと似ています。

フラメンコはリズ ム(コンパス)が決まっているだけで、唄やメロディは自由に演奏されることが多いです。

今回紹介するものはポピュラーでよく歌われるのですが、「セビジャーナスを踊りながら彼女をGETしよう」みたいなナンパソン グ?でしょうか。(スペイン人の皆様、すみませんm(_ _)m)

今日は2番までと もうひとつ明るい曲を唄いますが、以下に4番までの簡単な訳をつけてみました。

 

(1)

Mira la cara a cara                    彼女を見て、そして向き合おう
que es la primera                   さあ1番が始まるよ

 

(くりかえし)

 

que es la primera                    さあ1番だよ
y las vas seduciendo a tu manera               君の踊りで彼女をうっとりさせなよ
y las vas seduciendo a tu manera               君の踊りで彼女をうっとりさせるんだ

 

esa gitana esa gitana esa gitana               彼女はセビジャーナスを踊りながら
se conquista bailando por sevillianas               ほうら君の、ほうら恋の虜になっていく

 

(2)

que es la segunda                    さあ2番だよ
cogela por el talle la cara junta              彼女のウエストを引き寄せて顔を近づけるんだ

 

(3)

que es la tercera                       さあ3番だよ
y veras con que gracia te zapatea            彼女が君に向かって、とても素晴しく靴を踏み鳴らすよ

 

(4)

En la cuarta los lances definitivos             さあ4番は彼女を落とす最後の方法さ
Definitivos                      
奥の手、それはね、
que se sienta en su vuelo pajaro herido          彼女を怪我した鳥みたいにぐったりさせちゃうんだ

 

スペイン料理カルメン フラメンコ・ラ イブ カンテ資料02

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1今月の詩 (ブレリア) vol.01  2006.02.11

Sachico訳・註

burla(あざけり)を意味すburleria 騒がしいとか滑稽なとかお祭り騒ぎといった意味もあります。

12拍子の速くて力強いリズムが特徴です。

19世紀半ばヘレス地方で生れ、詩は8音節34行で、歌詞はあまり重要ではなく、他愛ないものが多いです。

「小原庄助さん、なんで身上つぶした? 朝寝朝酒朝湯が大好きで、それで身上つぶした、あ〜もっともだぁ、もっともだぁ」 「草津よいとこ一度はお出でお湯の中にも花が咲く」みたいな感じでしょうか?

 

Porque yo soy gitanito muy gueno   俺は生粋のジプシー。
Nacio en la plazuela         俺の生まれた広場はね、 
Nacio en laplazuela done       
マ ヌエルトレ、ローラフロレ、
Nacio Maunel Torres,         
Lola Flores y la Paquera       
パ ケーラも生まれたとこなんだ。


Este rio de Guardiana        
グアル ディアナ川は
llorando porque no pasa       トリアナ橋の下を流れないので泣いている、
bajo el puente de Triana       悲しくて哀しくて泣いている

 

(Ay) gitanita mas bravia        ヒターナ(ジプシー)よ、もっと勇猛なれ、もっと勇悍なれ

nacio en tierra de Cai         サンタマリアの港はカディスの大地で生まれた

puerto de Santa Maria

 

スペイン料理カルメン フラメンコ・ラ イブ カンテ資料01

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