マルチメディアを用いた寺山修司の世界

      萬代研究室 大学人間関係学科4年A組11番 植田奈津子
1.はじめに
 現代はパソコン社会といえる。年々増大の一方を辿っているパソコンの普及率も目を見 張るものがある。
 生活に密接した地位を獲得したパソコンは、人に何かを伝える手段として今では最も効 果的な存在となりつつある。特にネットワークが近年益々充実していることから、今後の 社会においてもプレゼンテーションでパソコンに匹敵する存在は無いと言える。また、パ ソコンを使うことによって3Dやアニメーションといったマルチメディアな展開が可能に なり、より良いヒューマンインタフェースも期待できる。
 本研究では寺山修司の詩といった2次元の文字情報を、CGの手法を用いて3次元の情 報に変換した作品を製作する。またマルチメディアの観点から3次元プレゼンテーション の技法や、そのメリットと、デメリットといった特徴について考察した。

2.作品について
 文章を深く理解するときに、読み手である人間と書物の間に存在するのは文字であるこ とは明白である。今回作品に用いるものは寺山修司の詩である。詩は本来、短い文章を幾 つか提示することによって読み手の想像力に多くを依存するものである。しかし、そこに 様々なマルチメディアを介入することによって、また新たな理解が発見できることを期待 する。
 マルチメディアに関しては様々な定義が考えられるが、多くは2種類に分類できる。一 つはテキスト、図形、画像、映像などの表現メディアを組み合わせたて意義である。もう 一つは、放送、印刷などの伝達メディアを組み合わせたものである。
 ここでは、詩という文字(2次元)の世界を例にとり、3DCG(3次元コンピュータグ ラフィック)で構成し、個人の想像世界や、詩に対する思い入れの表現方法についてマル チメディア利用することに着目する。これは様々な情報を相手に提示し自らの主観を伝え るということである。そうしてこの手段の有効性について考えを勧めながら作品を製作す る。

3.3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)について
 コンピュータグラフィックス(CG)とは、静止画であれ動画であれ、コンピュータを 使って生成ないし処理された画像の総称である。
 その中でも3DCGとは 3次元(立体)的に表現された画像のことである。
 コンピューターディスプレイは2次元だが、物体の奥行きの表現、影、ハイライトなど を付けたりすることで、3次元の画像のように表現することが可能になる。