過激なデート 後日談


 

 デートって、言えたのかしら。

 

 単に、黒羽君を振り回しただけじゃないの?

 まぁ、他にも進んでドツボにはまった御方が数人いらしたんだけど。

 

 罪な人よね、工藤君って。 

 

 

 

「哀ちゃん、聞いてる?」

 俺の話。

 

「聞いているわよ、こないだのことでしょう?」

 ああもう、なんで泣きつくのが私のところなのかしら。

 

 

 それでも、手作りの持参してくるお菓子が美味しくて…招いてしまうけど。

 

 

 

 

          後日談

 

 

 

「あれ、振り回されていただけでしょう?」

 

 迎えに行ったってことよね、大阪まで。

 そのまま、ユーターンしてきたんだから。

 

「まぁねぇ、過激すぎたから暫くは遠慮したいなぁ」

 

 愛車をかっ飛ばして、強行したのは最近の事。

 突如、居なくなってしまった恋人を探す為。

 

 だからって…なんで、大阪だったのか。

 

 未だに、謎だったり。

 

 

「工藤君の行き先が大阪でよかったわね、とんでもない場所だったら泣くしかないわ

よ」

 

 だって、工藤君の一声で。

 何処からでも、絶対に駆けつけるわよ?

 

 無理難題を言ってしまっても、絶対に叶えちゃうわ…。

 

 それだけは絶対に確信をもって言い切れると、哀はコーヒーを飲みながら思う。

 

 実際、某倫敦帰りの彼は。

 工藤君の移動手段の足として、大阪まで行ったのだ。

 自家用車…運転手が大変だったろう。

 

 

「あー言えてるんだけど。恐ろしいから変な事を吹き込まないでね?」

 

 すぐ、その気になるから。

 

「あら、失礼な事を言うのね」

 

 私の所為じゃないでしょ、過激に走ったのは。

 自業自得じゃないの?

 

「だって、哀ちゃんの発言が影響したんでしょう?」

 

 新一が大阪に行ったのって、アレを買いに行ったわけで…。

 まぁ、夜は。

 とっても、熱く溶けるほどに濃厚な時間を過ごしたけど。

 

 新一曰く『取引』したのだという。

 

 

「口添えをした程度なのに?」

 

 だって、楽しそうだったんだもの。

 

「発言力がでかいからさぁ、哀ちゃんってば」

 

 かなり、重要な位置だよ?

 

「ほほほ、てっちりは美味しかったわよ?」

 

 流石だわ、西のは顔が利くものね。

 巧い采配だったと思うわよ。

 

 

「嫌みダァ〜」

 

 なんか、俺ばっかり損してる!!

 

「まぁまぁ、貴方にとっても損なばかりじゃないはずだわよ?」

 

 きっと、ね。

 

「嘘だっ」

 

 だって、あの後はなーんにもないんだよっ!!

 

 う〜と涙目うるうるしてる快斗に、「ああ、もぅっ…」と思う。

 此処までの相手は、しなくていいはずなのに。

 

 まぁ、てっちりは美味しかったし…仕方ないのかしら?

 

 大阪まで、すぐに行ったし。

 

 

 

「まぁ、ただの勢い任せで工藤君が過激な事をするはずないのは確かでしょ?」

 

「そりゃ、そうだけどぉ〜」

 

「聞いてみれば良いじゃない、聞き出すのは得意なんでしょ?」

 

「簡単に言わないでよ」

 

「簡単よ、私は言うだけなんだから」

 

「ひっでー…」

 

「あら、何かのお試しになってみたいの?」

 

「…滅相もございません、私が悪かったです」

 

 

 頭が上がらない…つくづく、そう思った。

 

 

 

 

 鳴らされたインターフォン、日付指定&時間指定も予めしておいたから。

 だから、快斗をどこかに出しておきたかった。

 最終手段は、隣に押し付け…。 

 

「あ、丁度よかったかも」

 

「は?」

 

「こっちの話ですから、すいません」

 

「はぁ」

 

 わけがわからないままに、配達の者はお届け物を置いていった。

 まぁ、自分には関係ないことだと。

 

 

「いって来たかいがあったなぁと…ね」

 

 

 これ、吃驚するかな?

 今晩はコレに決まりかなぁ?

 

 

 

 

 

 暫くして、快斗が戻ってきて。

 

 ちょっと、吃驚。

 

 でんっと、配達されていた箱。

 あて先は此処、自分宛。

 出したのは、新一?

 

 

 

「…開けていいの?」

 

「どうぞ」

 

「なんだろ〜」

 

「大阪の、お土産」

 

「へ?」

 

 がさごそ、包みを外して出てきたのは。

 

 有名店の、お好み焼きセット。

 材料一式、揃ってますと言う代物。

 

 

「お、お土産??」

 

「向こうで食べても良かったんだけど、一人じゃつまんなくってさ」

 

「…しんいちっ!!」

 

 

 うれしいよぉ〜。

 

 

 

「これで、チャラにしろ」 

 

「ん〜」

 

 

 

 

 

 

 悔しいから、言ってやんない。

 

 これを買う為の口実として、灰原のを受けたなんて。

 

 

 

 喜ばすだけだから、絶対に告げない。

 

 

 

 その晩、香ばしい香が工藤邸に広がった。

 

 

 

 

 こういうデートもありだろ?

 

 

 

 

 

      終わり    7月16日

 

 

       後書き

  フォローになってない、フォローだわ・・・。

     過激なまんまなんですが・・・。

 

後日談まで頂いてありがとうございますv
哀ちゃんのグサリとくるセリフの一つ一つがいいですね。
哀ちゃんは新一や快斗よりも大人だから
あのセリフはお姉さまの愛のムチ・・とか(笑)
しか〜し!
いかに振り回されようとデートはデートなんですね(^^)

麻希利

 


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