|
ペニー |
雨の日・・・
前日からの雨はまだ止みそうになく、予報によれば深夜まで降り続くらしい。 こんな日にKIDの予告日で、雨で月が出ない日にはキャンセルする仕事も今日は強行するらしい。 お目当ての石は門外不出のもので、これを逃すともう2度とお目にかかれないらく、雨など関係ないらしい。 確認はどうするんだと聞けば、返却が2、3日遅くなるだけだとにこやかにかわされてしまった。
俺は、KIDが仕事を終えてから来るようになって以来、予告日にはリビングの窓際に椅子を置き、そこでお気に入りの本を読むことが習慣になってしまった。
今日は仕事が終わってからしか来ないはずだったのに、忘れ物したとか言って不意に現れたのは何時間前だったか・・・。
気が付けば外は闇の中で、雨音だげが静かに響いていた。 時計を確認するとあと2時間ほどで仕事を済ませてくるはず。 雨に濡れて帰って来るであろう快斗の為に軽い食事と風呂の準備でもしようかとリビングをあとにする。
全ての準備が整って、後は待ち人が来るのを待つだけだと思い元の椅子へと腰をおろし、庭へ視線を向けると、いつの間にか雨が止んでいる。 空を駆けるには少し強すぎる風・・・。だけど、月は雲間から顔を見せてくれるかもしれない。 快斗、早く、早く帰って来い! そう呟きながら、手元の本に視線を落とし、退屈な時間を埋めていく。
新一が窓際で雨音を聞きながら本を読んでいる そんな話をちょっと書いてみました。 ありがとうございます、chiyonoさま! |