新ちゃんの誕生日♪
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5月4日
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その日は、東の高校生名探偵、平成のホームズとまで言われている工藤新一の誕生日だ。
そして毎年のように幼馴染である毛利蘭が、鈴木財閥の娘である鈴木園子や、新一の隣に住んでいる発明家の阿笠博士や、学校の友人を交えて新一の誕生日を祝ってくれる。
が、この年になって、そんなバースデイパーティーを開くことも有るまい。
新一は、今年もバースデイパーティーをやると言い出した蘭に、用事があるから・・と、適当に誤魔化して、そういう賑やかな事が大好きな海の向こうに居る両親にも、やらなくちゃいけないことがあるから・・・、と伝えて、久しぶり・・というか初めての静かなバースデイを迎えていた。
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―――遠くの方でサイレンの音が響き渡っている。
―――・・・そういえば・・・
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今日は怪盗キッドの予告日ではなかったか。
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「快斗は、来ないか・・・」
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黒羽快斗。
自称、新ちゃんの恋人vv
と、言っている、夜を住処としている月下の魔術師、平成のアルセーヌルパン、の本当の姿。
快斗は、仕事の日は、新一の前に現れようとしない。
きっと、彼の中でキッドと快斗は違う、快斗は新一の恋人でキッドは新一の・・・東の名探偵の敵だと完全に分かれているのだろう。それは、一種のけじめであり、快斗と新一の(契約)でもあった。
けして互いの行動、考えに干渉しないと。
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でも、どこかで期待していた。
快斗が来てくれる事を。
もちろん、快斗が直に新一に「会いに行くから」といえば、新一の黄金の右足が繰り出されるだろう。
「来るな!うっとおしい!!」
と。
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でも・・・・・・。
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「・・・?」
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自室のベランダに出て夜空を見上げていた新一の眼に、何か小さい白い物が・・・。
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「―――雪・・・?」
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こんな時期に。珍しいな。
寒い地方ならともかく、5月に東京に雪が降るなんて・・・。
暖かいから、すぐに溶けてしまうだろうけど・・・。
新一は、右手を空に差し出した。
雪が、新一の手に触れる寸前で解ける。
―――その手に、白い何かが舞い降りてきた。
白い・・鳥・・・・・・?
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「ハト?」
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新一は、瞬きをしてそのハトを見つめた。
―――なんで・・・
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それと同時に、ふわりとした暖かいぬくもりが、新一を包んだ。
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「ハッピーバースデイ・・新一」
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聞き覚えが有りすぎるほどある、自分に良く似た、でも、自分よりもっと男らしい低い甘い声。
ゆっくり振り返ると、そこには新一にだけ向ける、愛しそうににっこりと微笑んだ快斗の顔があった。
―――ああ、来てくれたんだ
そう思うと新一は自然に微笑んでいた。
そして、どちらともなくキスをした。
最初は子供のように啄ばむキス。
それが、だんだん角度を変え、恋人がするような甘い、ディープなキスに・・・。
快斗の舌が、新一の舌を絡め取る。新一は、びっくりしたように逃げるが、だんだん快斗に答えようと自分からそれを絡ませていく。
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「ふ・・・んっ・・」
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鼻にかかったような甘い吐息が新一から漏れる。
快斗はうっすらと目を開けて、気持ち良さそうに眼を閉じる新一の顔を盗み見た。
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「良かった。新一の誕生日に間に合って」
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時計を見ると、針は23時58分を示している。
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「・・・来ないかと思ってた」
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ボソリと呟いた声は、だが、快斗にはばっちし聞こえていて。
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「何で俺が来ないかと思ったわけ?新一の誕生日だよ?特別な日に恋人が一緒に居ないでどうするんだよ〜」
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ああ!ビッグジュエルさえ来なければ朝から新一とラブラブできたのに〜!!
と、本気で嘆く快斗に気付かれないようにこっそりと笑った。
だって、新一にとっては、今まで絶対に予告日には新一の元へ来なかった快斗が、新一の誕生日だといって、実際に、新一の目の前に居るのだ。
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「あ!そうだ。これっ」
「・・・え?」
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さっき新一の手に舞い降りたハトを新一の手のひらに導く。
快斗の手が空を滑るように動き、ワン・ツー・スリーっと掛け声をかけて腕を広げると、色鮮やかな紙ふぶきとさっきのハトが分裂したかのようにハトが5.6羽にふえて祝福するかのように新一の周りを飛ぶ。
そして、新一の手には、いつの間にか、綺麗にラッピングされた四角い小さな箱。
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「ハッピーバースデイ新一v俺からのバースデイプレゼントvv」
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にっこりと笑う快斗。
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「ありがとう・・・」
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何故か妙に恥かしくて小さく礼を言う。
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「ね、ね、開けてみて〜♪絶対新一に合うと思ってさ」
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快斗の方がワクワクしながら新一に抱きついて開けるように促す。
よく猫っぽい仕草をする快斗だが、こうして、眼をきらきらさせて自分にしがみ付いてくるとホントに猫だなと思ってしまう。
何はともあれ、新一は綺麗にラッピングされているプレゼントを開けていった。
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「・・・これって」
中から出てきたのは神秘的な深い青のきらめきを持つ宝石のピアス。
「綺麗でしょ?新一の眼の色に良く似てる、ブルースカイエンジェルって呼ばれてる宝石だよ。絶対新一に似合うと思ってさ」
「・・・ていうか、高かったんじゃないか?これ」
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宝石に関しては素人な新一だが、その輝きと、カットの素晴らしさは、素人でも高価な代物だと判る。
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「ん〜、値段なんか気にしないでよ。これはプレゼントなんだからさ。本当は指輪にしようと思ったんだけどね〜」
「んなっ///な・・・何いってんだよ!!バ快斗!!」
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快斗は顔を真っ赤にした新一の蹴りを難なくかわして新一の唇に素早く自分のそれを押し当てた。
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「ん・・・」
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「好きだよ新一永遠に新一を愛してる・・・」
「・・・ん・・快斗」
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いつもなら、気障とか言ってどつき倒すが、快斗の新一の顔中へキスを落としながら甘く囁くものだから、くすぐったくて・・・
新一は快斗の顔を手で挟みこんで、引き寄せた。
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「来年は、朝から俺の奴隷な?」
「・・・ハイ、女王様♪」
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それは、ずっと一緒にいろってことだから・・・
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一緒に居よう。
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2人で・・・
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どこまでも歩いていこう
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