pageState パラメータ

前田稔(Maeda Minoru)の超初心者のプログラム入門

pageState

1. BasicPage を組み込むと Common のフォルダに Save, Load に必要なファイルが組み込まれます。
   また BasicPage1.xaml.cs に LoadState() と SaveState() が組み込まれています。
   これらのメソッドには、パラメータとして pageState が渡されます。
   最初に起動したときは LoadState() の pageState は null になっています。
   SaveState() で pageState に値をセットすると、中断したときや他のページに Navigate して戻ったときに、その値が渡されます。
   これを利用して、中断したページを復元することが出来ます。
   プログラムを終了したときは null が渡されるので注意して下さい。
   
2. それではサンプルプログラムを作成してみましょう。
   Visual Studio for Windows 8 を起動して Blank App(XAML) を App1 の名前で構築します。
   Navigate する二枚の BasicPage ページを作成します。
   ソリューションエクスプローラから App1 を選択して [Add][New Item] から BasicPage1 と BasicPage2 を追加して下さい。
   ただし、次のことに注意して下さい。
   BasicPage を選択したときにメッセージが表示されますが、無視します。
   そのままではレイアウトウインドウが表示されません。
   一度コンパイルするとデザイン画面が表示されるようになります。
   BasicPageN(N=1,2,...) は Basic Page を追加したときの規定値です。
   
3. MainPage.xaml をダブルクリックしてレイアウトウインドウを表示します。
   ツールボックスから Navigate する Button を貼り付けます。
   ボタンクリックの Event Handler("Button_Click") を作成して下さい。
   MainPage.xaml.cs の Button_Click() メソッドに BasicPage1 に遷移するコードを書きます。
   

   private void Button_Click(object sender, RoutedEventArgs e) { this.Frame.Navigate(typeof(BasicPage1), "AllGroups"); }

4. BasicPage1.xaml をダブルクリックしてレイアウトウインドウを表示します。
   ツールボックスから TextBox を３個貼り付けます。
   

   TextBoxの名前	説明
   data1	１件目のデータをタイプ
   data2	２件目のデータをタイプ
   ans	計算結果を表示

5. data1, data2 を取得して、計算結果を ans に格納するボタン(Button_Click1)を貼り付けます。
   GCM, LCM の計算に代えて、減算を行うアプリケーションを材材にしました。
   

   private void Button_Click1(object sender, RoutedEventArgs e) { int d1, d2, comp; d1 = int.Parse(data1.Text); d2 = int.Parse(data2.Text); comp = d1 - d2; ans.Text = comp.ToString(); }

6. BasicPage1 から BasicPage2 に遷移するボタン(Button_Click2)を貼り付けます。
   BasicPage を使うと、戻るボタンが自動的に設定されます。
   

   private void Button_Click2(object sender, RoutedEventArgs e) { this.Frame.Navigate(typeof(BasicPage2), "AllGroups"); }

7. BasicPage1.xaml.cs の LoadState() をコーディングします。
   

   protected override void LoadState(Object navigationParameter, Dictionary<String, Object> pageState) { if (pageState != null) { if (pageState.ContainsKey("Data1")) data1.Text = pageState["Data1"].ToString(); if (pageState.ContainsKey("Data2")) data2.Text = pageState["Data2"].ToString(); if (pageState.ContainsKey("Ans")) ans.Text = pageState["Ans"].ToString(); } }

8. BasicPage1.xaml.cs の SaveState() をコーディングします。
   

   protected override void SaveState(Dictionary<String, Object> pageState) { pageState["Data1"] = data1.Text; pageState["Data2"] = data2.Text; pageState["Ans"] = "BasePage Save"; }

9. BasicPage2 には、戻るボタンが自動的に設定されるので操作は不要です。
   
10. SaveState(), LoadState() の確認です。
    プログラムを起動して BasicPage1 に Navigate します。(MainPage ⇒ BasicPage1)
    data1 と data2 をタイプ入力して結果を表示します。
    この状態で BasicPage2 に Navigate して下さい。(BasicPage1 ⇒ BasicPage2)
    BasicPage2 から戻るボタンで BasicPage1 に戻ります。(BasicPage2 ⇒ BasicPage1)
    data1 と data2 には、タイプ入力した値が表示されているでしょうか。
    ans には "BasePage Save" が表示されます。
    
11. LoadState() は OnNavigatedTo() から、SaveState() は OnNavigatedFrom() から呼ばれます。
    詳細は Common\ のフォルダの LayoutAwarePage.cs を参照して下さい。
    

超初心者のプログラム入門(C# Frame Work)