打ち上げと禁じ手

前田稔(Maeda Minoru)の超初心者のプログラム入門

プログラムの説明

1. 石の打ち上げと禁じ手を調べます。
   囲碁のルールは簡単で、１９×１９の盤上のどこにでも置けるのですが、それでも禁じ手があります。
   禁じ手は石の打ち上げと関連があるので、合わせて判定します。
   次の図を見て下さい。
   
   黒石が＊に打たれると、白石は周囲を囲まれて活力が無くなり打ち上げられます。(左の図)
   また×の場所に白石を置いた場合は、置くと同時に活力が無くなります。(中央と右の図)
   これが囲碁の禁じ手で、×には打つことが出来ません。
   もう一つ、囲碁にはコウのルールがあるのですが、対局はしないので今回は判定しません。
   禁じ手と石の打ち上げのチェックには、プログラムテクニックが必要です。
   
2. 禁じ手を調べる Taboo() 関数です。
   座標 x,y に石を打てるとき true を、禁じ手のとき false をリターンします。
   黒番でプログラムしていますが、白番でも同じです。
   m_Ban[,] をコピーした m_W[,] を作業領域として使っています。
   調べた場所には「２」を置きます。
   この関数は打ち上げの判定と共通で、打ち上げる石には「３」を設定します。
   m_W[x, y] = 3; の一行を追加するだけで、打ち上げる石をマークすることが出来ます。
   Taboo() 関数の中から Taboo() 関数を呼んでいることに注目して下さい。
   再起のプログラムは見ただけでは良くわかりません。
   実際に動かしてみて下さい。
   再起のサンプルは 迷路探索のプログラム を参考にして下さい。
   

   private bool Taboo(int x, int y, short kuro) { int siro; siro = 0 - kuro; if (XY(x, y)==false) return false; // 盤の外 if (m_W[x, y]==0) return true; // OK if (m_W[x, y]==siro) return false; // 白の壁 if (m_W[x, y]==kuro) { m_W[x, y] = 2; if (Taboo(x + 1, y, kuro)) return true; if (Taboo(x, y + 1, kuro)) return true; if (Taboo(x - 1, y, kuro)) return true; if (Taboo(x, y - 1, kuro)) return true; } m_W[x, y] = 3; // 打ち上げの石 return false; // 禁じ手(詰まっている) }

3. X,Y の座標チェックする XY() 関数です。
   

   private bool XY(int x, int y) { if (x < 0 || x > 18) return false; if (y < 0 || y > 18) return false; return true; }

4. 石の打ち上げを判定する Utiage() 関数です。
   打ち上げは、置いた石の上下左右の相手方の石を調べて、Taboo() の状態になっていることで判定できます。
   

   int[] m_x = { 1, -1, 0, 0 }; // 上下左右の隣接定数 int[] m_y = { 0, 0, 1, -1 }; private bool Utiage(int x, int y, short kuro) { short siro; bool rc; int wx, wy, k, i, j; siro = (short)(0 - kuro); rc = false; for(k=0; k<4; k++) // 上下左右に隣接する石を調べる { m_W = (short[,])m_Ban.Clone(); m_W[x, y] = kuro; wx = x+m_x[k]; wy = y+m_y[k]; if (XY(wx, wy) && m_W[wx, wy] == siro && Taboo(wx, wy, siro) == false) { for (i = 0; i < 19; i++) for (j = 0; j < 19; j++) if (m_W[i, j] == 3) m_Ban[i, j] = 0; rc = true; } } return rc; }

5. 禁じ手と打ち上げを考慮した OnMyMouseDown() 関数です。
   Check() 関数で、禁じ手と打ち上げを調べます。
   

   private void OnMyMouseDown(object sender, MouseEventArgs e) { short teban = 1; Point pos = new Point(e.X, e.Y); if (ClickPos(ref pos) == false) return; if (e.Button == MouseButtons.Right) teban = -1; switch(Check(pos, teban)) { case 0: m_Ban[pos.X, pos.Y] = teban; break; case 1: // 打ち上げです m_Ban[pos.X, pos.Y] = teban; break; case 2: // 手番の石です m_Ban[pos.X, pos.Y] = 0; break; case 3: // 相手の石です break; case 4: MessageBox.Show("禁じ手です"); break; } Invalidate(); }

6. 座標の石をチェックする Check() 関数です。
   Taboo() 関数を呼び出すときは m_Ban[,] を m_W[,] にコピーします。
   

   private int Check(Point pos, short kuro) { int siro; if (kuro == 0) return 0; siro = 0 - kuro; if (m_Ban[pos.X, pos.Y]==kuro) return 2; // 手番の石 if (m_Ban[pos.X, pos.Y]==siro) return 3; // 相手の石 if (Utiage(pos.X,pos.Y,kuro)) return 1; // 打ち上げ m_W = (short[,])m_Ban.Clone(); m_W[pos.X, pos.Y] = kuro; if (Taboo(pos.X,pos.Y,kuro)) return 0; // OK return 4; // 禁じ手 }

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超初心者のプログラム入門(C# Frame Work)