令和2年9月号(第122号)     トップページ  年月別リスト 地域別リスト
萩・浜崎
HAGI-HAMASAKI
 山口県 萩市浜崎町 萩市HP

萩市観光協会HP
萩市浜崎

伝統的建造物群保存地区

 浜崎は、阿武川の支流である松本川が日本海にそそぐ河口に開けた港町である。
 関ヶ原の戦いに敗れた毛利輝元が、西国の大大名から周防・長門の二か国に減封されたため、萩に新しい城下町の建設に着手するのだが、浜崎はそのころ既に港町として栄えていたようである。
 港町なので、漁師・船大工・魚問屋・廻船問屋などが混在した町並みで、萩城の足元に整備された武家屋敷街である堀内エリアとは一味違った景観を形成していて、現在もその面影を色濃く残している。
 特に北前船の寄港地として展開された経済活動が、町の活力の中心だったようで、活躍した商人たちの豪勢な商家が町のあちこちに残されている。
 ただ、長州といえば薩摩とともに明治維新の両輪となった藩で、当時活躍した志士や維新ゆかりの地が、現在の萩観光のポイントになっているが、浜崎にはそういった場所がないため、訪れる観光客は少ないようだ。

@旧山村家住宅
A旧萩藩御船倉 B浜崎本町筋 C梅屋七兵衛旧宅  
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  @旧山村家住宅 右手の白壁の蔵が連続する建物群が江戸時代の豪商である山村家住宅。広い通りに面した角地に位置しているせいもあって、浜崎で一番目立つ建物だ。通りの突き当たり正面に建つ切妻屋根の建物は旧山中家住宅で、山村家住宅とともに、「浜崎町並み交流館」として公開されている。
A旧萩藩御船倉(おふなぐら) 毛利家の藩主の御座船や軍船を格納した船倉。ほかにも何棟か設置されていたようだが、この建物だけが現存し保存されている。珍しい建築物だ。現在、中はがらんどうなので、秋に御船倉コンサートが開かれ活用されているそうだ。

B浜崎本町筋 本町筋という名称から、昔のメインストリートだったのだろう。通りの両側には呉服屋・油屋・廻船問屋・魚問屋などのつし二階の古い商家が残されていて、昔の生活ぶりが伝わってくる。手前のカーブミラーに和風の屋根がついているのが面白い。

C梅屋七兵衛旧宅 梅屋七兵衛は幕末期の商人で、廻船問屋が本業だったが、時節柄、長州藩の武器商人としても近代兵器の調達に活躍したと伝えられている。この住宅は老後の隠居屋敷だったらしい。激動の時代を潜り抜けて、心静かにつつましく暮らしていたようだ。